降格した今こそ、行動指針を掲げ、未来構想を描く。【株式会社コンサドーレ】
2025年8月11日 公開
ファンとしての応援が、パートナーとしての責任に。
「チームが正式に発足した1996年、中学3年生だった僕は、父に連れられてJFL(日本フットボールリーグ)福島FC戦を観戦しに行きました。4-1でコンサドーレが勝利を収め、見ず知らずのサポーターとハイタッチをして喜びを分かち合うという初めての体験に胸が熱くなったのを覚えています。僕もその日からコンサドーレのファンになりました」
その後、大学進学のため、生活拠点を埼玉県に移した石水さん。北海道を離れてもコンサドーレへの思いは変わらず、関東で開催されたアウェイ戦に何度も足を運び、サポーターとしてチームに声援を送り続けた。
「大学卒業後の2004年には石屋製菓に入社し、今度はパートナー企業の一員としてチームを支える立場になっていきました。当時はまだまだ、試合に勝てば盛り上がり、負ければ落ち込むような感じで、サポーター感覚だったかもしれません。しかし2013年に石屋製菓の代表に就任し、その後チームの社外取締役になってからは、試合結果に一喜一憂せず、経営者としての目線でチームをサポートしなければと考えるようになっていきました」
赤字続きの苦悩を乗り越え、降格を機に代表就任を決意。
「経営の大先輩である父に愚痴をこぼすこともありました。父はその度『人のために努力しているなら、多少状況が厳しくてもそれで良い』と返してくれたんです。多くの責任を背負って石屋製菓をけん引してきた父からの言葉は、心強いものでした」
石水さんは「白い恋人」と同様に、チームを大切な財産として育て上げ、その魅力や価値をプロモーションしていくことに注力。徐々に自分自身の取締役としての在り方を確立していった。こうした努力のかいあって2019年、コンサドーレはカップ戦の決勝に進出。しかし喜びもつかの間、2020年には新型コロナウイルスの流行が拡大し、経営面でも過去最も苦しい状況に追い込まれた。
「そんな時『チームと北海道のために』と、選手が自ら給料の一部を返納してまでチームを支えてくれたんです。サッカー界では異例の出来事としてニュースにも取り上げられましたし、僕自身も本当に感動して、改めて選手一人ひとりを誇りに思いました」
「もっとチームにコミットしたい」。そんな思いに駆られたのは、2024年11月、チームのJ2降格が決定した時だったという。苦境にある今こそチームに貢献したいと、翌年2025年1月、石水さんはコンサドーレの社長職への就任を希望した。
クラブフィロソフィーを新たに、再出発を切る。
行動指針を打ち出しただけではなく、石水さんは経営幹部メンバーを集めた合宿を開催したり、スタッフ全員にアンケートを取ったりするなどして、かかわるすべての人とコンサドーレへの思いを共有する機会を設けた。J2に降格した今だからこそ、会社としての土台を立て直すべきだと石水さんはいう。
「チームの勝敗が会社や代表者の評価に直結しがちですが、そういった声に惑わされてはいけないと思っています。本当に大切なのは、チームがそこにあり続けることです。それを見失わずにチームを強化すること、そして会社としての経営力を高めていくこと、その両輪で前進することが必要だと考えています」
「10年後も100年後も愛されるチームでありたい」。と語る石水さん。今後のコンサドーレの夢を次のように話してくれた。
「後身の育成、老朽化したアカデミー施設のリニューアルなど構想は山ほどありますが、一番の夢はなんといっても新スタジアムの建設です。2024年に完成したエディオンピースウイング広島のように、チームと地域が共にあるということを体感できるようなスタジアムが理想です。単なるサッカー場ではなく、経済効果を生み、雇用創出につながるような、町づくりに貢献するスタジアムができればと考えています」
株式会社コンサドーレ
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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