研究職から実業家へ。洗濯サービス事業で、雇用創出と地域支援を。【株式会社ライトン】
2025年8月25日 公開
研究に没頭する日々から震災を機にIターン起業。
「専門は応用化学で、物質の中身を変えずに表面の性質を変える『表面改質』について研究してきました。大学院卒業後は不織布の製造・販売を担う日本バイリーン株式会社(本社・東京)に入社し、茨城県の研究所で電池の中のプラス極とマイナス極を隔てる『セパレータ』という薄いシートの開発に従事。実に10年間という長い年月をかけて完成にこぎつけました」
その後、竹内さんは社内で他の研究プロジェクトを任される予定だったが、これまで心血を注いできた表面改質に関する研究を続けたいという思いで転職。2004年以降は化粧品の原料メーカーである三好化成株式会社で、パウダーファンデーションの粉末の表面改質研究に携わった。しかし2011年、東日本大震災の経験から大きな決断をする。
「当時は埼玉県に住んでいて、東北地方ほどの揺れではなかったとはいえ、地震の恐ろしさを体感し、妻や子どもと話し合って北海道への移住を決意しました。しかし、北海道で同じような研究に携わることは難しいと考えたんです。そこで、日本バイリーンで培った繊維の知識と三好化成で詳しくなった界面活性剤とをかけ合わせ、洗濯にかかわる事業を起こそうと決めました」
1枚のチラシから繁盛店に!悩みに応えるランドリー。
「オープンから2年がたっても、状況は変わらず…、マンションの全戸にチラシを入れるとコストがかかるので、3軒に1軒の割合でポスティングするなど経営はギリギリの状態でした」
しかし、たった1枚のチラシが幸運を呼び込んだ。偶然にも新聞社の方に届き、ジャバリンは新聞紙面で紹介されることになった。すぐにテレビ局なども取材に訪れるようになり、気が付けばあっという間に認知が広まった。
「勢いに乗って、2020年には店舗で適切な洗濯方法をアドバイスする『アラワサッタ』というサービスを開始しました。自宅での洗濯、コインランドリー、クリーニング、洗濯代行、どれを選べばいいか分からないお客さまに、お悩みを伺い、洗濯物の状態を見ながら、どの洗濯方法がふさわしいか洗濯のプロが助言をするのです。直接的に利益を生むサービスではありませんが、これが好評で店はますますにぎわうようになりました」
就労支援事業を新設し事業ノウハウを全国へ。
「ジャバメートには、洗濯物を畳んだり、近隣へのポスティングをしたりといった自社の業務の他、他所から依頼のあったポスター貼りや、近くの公園の清掃作業など、さまざまな仕事があります。多くの選択肢の中から、利用者さんがそれぞれ好きな仕事を選べる仕組みにしているんです」
2023年にはオーダーメイド洗剤「アラワサル」の開発・販売事業を手掛ける、「ジャバプロダクト」を立ち上げた。「ワイシャツの黄ばみ専用洗剤」や「カレーの染み専用洗剤」、「野球のユニフォーム専用洗剤」、「猫の排せつ物臭専用洗剤」など、特定の汚れやにおいに特化することで、ユーザーから好評を得ている。
「複数の自社開発洗剤をブレンドして作る『アラワサル』は、材料とレシピさえあれば、どこでも製造が可能です。実は『ジャバプロダクト』に限らず、自社事業に関するノウハウをどんどん外部へ広めていきたいと思っているんです。全国の就労支援事業所に当社の仕組みが活用されれば、多くの人の洗濯に関する悩みを解決することができますし、その地域の雇用の創出にもつながっていくと考えています」
その一方で竹内さんは、新たなサービスの試行中であることも明かした。
「クリーニング店やコインランドリーが無い地域のお客さまの布団を『ゆうパック』を利用して受け取り、洗濯して返送するサービスです。重い布団を遠方まで運び、受け取りに行く手間が無く、高齢の方も利用しやすいため、過疎が広がる北海道の多くのまちでお役に立てるサービスだと思っています。今後もお客さまからのお悩みや要望に耳を傾け、暮らしが豊かになるような商品・サービスを生み出していきたいと考えています」
株式会社ライトン
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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