街・人・企業の個性を最大限に生かし北見から地方創生を実践していく【株式会社ロジカル】
2023年8月28日 公開
東京の証券マンから、北見焼肉の案内人へ転身。
「証券会社に勤めて7年が経ち、働きながら大学院で経営やマーケティングを学んでいた時のこと。当時のボスに『学んだことは世の中の役に立つよう生かしなさい』と言われたんです」
その時、西野さんが抱いたのが、生まれ故郷である北見に貢献したいという思いだった。
「悩み抜いた結果、東京で学んだ経営やマーケティングの知識・ノウハウを使い、北見市の地域創成事業に取り組もうという結論に達しました。東京と比較してプレイヤーが少ない北海道ではまだまだ伸びしろがあると感じたことが大きな動機です」
そうして起業して初めて手掛けたのが、自らが案内人になって北見焼き肉をPRするという事業だった。今でこそ焼き肉の街として有名な北見市だが、2012年に西野さんが帰郷した当時は知名度が低く、更に地元住民でさえも「焼き肉の街」という意識はなかったという。
「自ら『ヤキニキスト』と名乗って北見の焼き肉愛を語るうち、色々なメディアに取り上げてもらえるようになりました。自分の露出が増えることで来訪者も増え、街にも活気が出てきたことを肌で感じました」
さまざまな方向から地方創生に挑む。
次に手掛けたのが、北見市が生産量日本一を誇る玉ねぎを主役に据えたコロッケ「たまコロ」のリブランディングだ。元々「オホーツク熟成コロッケ(オニオン)」という商品名で、地元の食品加工メーカーが製造していたものの、知名度は低かった。西野さんとメーカーはここに目を付け、まずは商品名を親しみやすいものに変更。自らが玉ねぎに扮したかぶり物を着てのぼりを担ぎ、「全国コロッケフェスティバル」にも出店するなど、徹底的に売り出した。
「メーカーさんと一緒になってブランドを育てていった結果、コロッケフェスで二度のグランプリを獲得し、全国的な知名度を上げることに成功しました。現在は地元のスーパーや飲食店でも取り扱っています。地元住民からも特産品として誇りに思える商品ができたことで、『自分の街に自信が持てるようになった』との声が聞こえてくるようになり、経営者としての自信につながる経験となりました」
北見市を全国にPRする事業と並行して取り組んでいるのが、街に人を呼び込むための施策だ。北見市はかねてから街ぐるみでIT事業者の誘致を行っており、2019年からは「オホーツクバレー構想」を掲げている。西野さんは2014年にコワーキングスペースを立ち上げ、いち早くこの取り組みの一翼を担った。
「まだテレワークが浸透していないころでしたが、全国的にも注目を浴び、さまざまな人が集まる場として成長。現在はイノベーションの拠点としての機能を果たしています」
「多様性の尊重」を重視した街づくりを、北海道から全国へ。
「AIなどのテクノロジーを取り入れながら知性や興味関心を引き出し、学ぶことの面白さ、自分で物事を創造する力を習得してもらうことを目的としています。未来を担う子どもたちを育てることは、地方創生を目指す上でとても重要なことだと考えています」
多岐にわたる事業に取り組む西野さん。一見すると関連性がないように思えるが、ある共通の理念のもと、事業を展開しているのだという。
「それは『個性を最大限に爆発させる』ことです。地域、企業、商品、個人、それぞれの多様な個性を柔軟に受け入れ、育て、価値を高める。つまり『多様性の尊重』なんです」
この考えは近年さまざまな場で取り上げられているが、西野さんは「開拓の歴史を持つ北海道では、新しい価値観というよりもむしろ、昔から根付いている当たり前の考え方」だと解説する。
「このマインドに基づいた地方創生事業を北海道から展開し、全国へと浸透させていきたい。国土面積が狭く、資源の少ない日本のような国で、これからの時代に求められるのは人資源の活用だと思います。みんなが個性を最大限に発揮し、経済活性に貢献できるよう事業展開に努める。それを推進するのが私の役割です」
株式会社ロジカル
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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