観光産業で、北海道とアジアに橋を架ける。【株式会社HOKKAIDOLIFE】
2023年9月4日 公開
2022年創業。インバウンドコミュニケーターとして北海道の魅力をアジア各国に発信している株式会社HOKKAIDOLIFE。代表の黄晴渝さんは台湾出身で、Facebookはフォロワー数17万人(2023年7月現在)にも上るインフルエンサーでもある。文化の違いに戸惑いながらも、北海道愛を深めながらキャリアを積んできた黄さんに起業までの道のりや、これからの目標を伺った。
偶然訪れた北海道に魅せられ、観光ビジネスの道へ。
CAを目指して大学では観光を学んでいたという黄さん。だが、英語が苦手でCAの道をあきらめ将来を模索していたところ、応募した観光ツアーのアイデアコンテストで頂点に立ち、観光業に携わりたいという思いが強くなったという。更に、語学留学のため来日したことが彼女の運命を変えた。
「留学先は四国・香川県でしたが、旅行でたまたま北海道を訪れた際、同じ日本でありながら、まるで別世界のような気候や風景に驚きました。美しい景色に魅せられ、北海道での観光にかかわりたいという思いが芽生えました」
2010年に大学を卒業した後は小樽の洋菓子店「LeTAO」で知られる株式会社ケイシイシイに就職。外国人観光客への接客・販売業に携わった。
「接客だけでなく、商品の売り上げを伸ばすにはどうしたらいいか、販売戦略を練ることも任されていました。今振り返ると商品の魅力を外国人観光客に日々伝えていくことで、私の中で観光ビジネスの素地が作られていったように思います」
2012年にはインバウンド向けプロモーションを数多く手掛ける総合広告代理店、デイリー・インフォメーション北海道(現・イースト・デイリー)に入社した黄さん。母国台湾をはじめ、アジア各国へ北海道をプロモーションする業務に従事した。
「当時はまだ日本国内にインバウンドという言葉も浸透していない時代でした。お客様にアジア向けプロモーションの必要性を理解してもらうには苦労しましたが、台湾人としての目線で提案を行い、少しずつ顧客からの信頼を獲得。毎日がとても充実していました」
「留学先は四国・香川県でしたが、旅行でたまたま北海道を訪れた際、同じ日本でありながら、まるで別世界のような気候や風景に驚きました。美しい景色に魅せられ、北海道での観光にかかわりたいという思いが芽生えました」
2010年に大学を卒業した後は小樽の洋菓子店「LeTAO」で知られる株式会社ケイシイシイに就職。外国人観光客への接客・販売業に携わった。
「接客だけでなく、商品の売り上げを伸ばすにはどうしたらいいか、販売戦略を練ることも任されていました。今振り返ると商品の魅力を外国人観光客に日々伝えていくことで、私の中で観光ビジネスの素地が作られていったように思います」
2012年にはインバウンド向けプロモーションを数多く手掛ける総合広告代理店、デイリー・インフォメーション北海道(現・イースト・デイリー)に入社した黄さん。母国台湾をはじめ、アジア各国へ北海道をプロモーションする業務に従事した。
「当時はまだ日本国内にインバウンドという言葉も浸透していない時代でした。お客様にアジア向けプロモーションの必要性を理解してもらうには苦労しましたが、台湾人としての目線で提案を行い、少しずつ顧客からの信頼を獲得。毎日がとても充実していました」
足で稼いだ情報とSNSが独立の味方に。
世界へ向けて北海道をPRするため、道内のほぼすべての市町村に足を運び、300回以上もの取材を敢行したという黄さん。自らの足で見て、聞いて、感じていくに従い、北海道の情報をより自由に、自分の言葉で伝えたいという思いに駆られていく。黄さんは仕事のかたわらFacebookで「台灣女子的北海道生活」を立ち上げ、台湾や香港へ向けて発信をしていった。
「観光情報だけではなく、北海道での暮らしを伝えていきました。例えば秋になると『暖房つけましたか?』があいさつ代わりになること。雪虫が飛び始めたらもうすぐ雪が降ること。寒冷地のせいか北海道の人々が味の濃いものを好むこと。移住者の目線で見つけた驚きや発見を投稿すると、台湾やアジア圏の人にはとても喜ばれました」
次第にフォロワー数は1万人、2万人と増えていき、比例するように自身の北海道愛も大きくなっていった。独立を決意した黄さんは2022年に北海道をアジア圏にプロモーションするための株式会社HOKKAIDOLIFEを設立。更に今年6月には新たにツアープランニング会社「小春日和」を立ち上げた。
「小春日和ではオーダーメイドのユニークな旅行プランを、台湾や香港、アジア各国のお客様に提案しています。一般に知られる観光地だけでなく、海沿いの街で漁師さんと共に漁に出たり、各地域に根付いたお祭りに参加したりと、ローカルならではの魅力を詰め込んだ旅行を提案していきたいと考えています」
「観光情報だけではなく、北海道での暮らしを伝えていきました。例えば秋になると『暖房つけましたか?』があいさつ代わりになること。雪虫が飛び始めたらもうすぐ雪が降ること。寒冷地のせいか北海道の人々が味の濃いものを好むこと。移住者の目線で見つけた驚きや発見を投稿すると、台湾やアジア圏の人にはとても喜ばれました」
次第にフォロワー数は1万人、2万人と増えていき、比例するように自身の北海道愛も大きくなっていった。独立を決意した黄さんは2022年に北海道をアジア圏にプロモーションするための株式会社HOKKAIDOLIFEを設立。更に今年6月には新たにツアープランニング会社「小春日和」を立ち上げた。
「小春日和ではオーダーメイドのユニークな旅行プランを、台湾や香港、アジア各国のお客様に提案しています。一般に知られる観光地だけでなく、海沿いの街で漁師さんと共に漁に出たり、各地域に根付いたお祭りに参加したりと、ローカルならではの魅力を詰め込んだ旅行を提案していきたいと考えています」
旅行客にも、北海道民にも、従業員にも愛される会社づくりを。
新型コロナウイルスが5類扱いになって以降、徐々に戻りつつあるインバウンド需要。飛行機も直行便や格安航空が増便され、北海道も特にアジア各国からの観光客が急増している。黄さんは、今後も北海道旅行の需要が増していくと予想している。
「私たちの会社はインバウンドコミュニケーターとして、台湾だけでなくその周辺のアジア各国と北海道とをつなぐ架け橋のような存在になりたいと考えています。北海道ファンが国外に増えることで、道民の皆さんにもこの会社があって良かったなと思ってもらえるとよりうれしいですね」
更に黄さんが目指すのは、社員にとっても楽しく働きやすい会社だ。より良い旅行プランを提供するために、“旅するように働く”ことを部下たちに勧めている。
「キャンプをしながらでも、旅行をしながら仕事をしてもいい。積極的に外へ出て新たな刺激を受け、これまでにないアイデアを生み出してほしいんです」
その背景には、自身が北海道で出会った一人ひとりとの思い出や日々の暮らしのすべてが仕事に役立っているからだと黄さんは話を続ける。
「北海道を訪れる旅行客の方、北海道で暮らす方、そして北海道での仕事を選んだ社員たち、すべてに愛される会社を目指していきたいですね」
「私たちの会社はインバウンドコミュニケーターとして、台湾だけでなくその周辺のアジア各国と北海道とをつなぐ架け橋のような存在になりたいと考えています。北海道ファンが国外に増えることで、道民の皆さんにもこの会社があって良かったなと思ってもらえるとよりうれしいですね」
更に黄さんが目指すのは、社員にとっても楽しく働きやすい会社だ。より良い旅行プランを提供するために、“旅するように働く”ことを部下たちに勧めている。
「キャンプをしながらでも、旅行をしながら仕事をしてもいい。積極的に外へ出て新たな刺激を受け、これまでにないアイデアを生み出してほしいんです」
その背景には、自身が北海道で出会った一人ひとりとの思い出や日々の暮らしのすべてが仕事に役立っているからだと黄さんは話を続ける。
「北海道を訪れる旅行客の方、北海道で暮らす方、そして北海道での仕事を選んだ社員たち、すべてに愛される会社を目指していきたいですね」
株式会社HOKKAIDOLIFE
2022年創業。海外からの旅行者向けに、北海道の企業や商品のプロモーションを担う。2023年6月にはそこから派生したツアープランニングを請け負う小春日和を設立。いわゆる観光旅行ではなく、北海道の暮らしを実際に体験できるオーダーメイド旅行プランを提供している。
北海道札幌市北区北10条西3丁目23-1 THE PEAK SAPPORO1F
https://hokkaidolife.tw/
https://hokkaidolife.tw/

本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
BOSS TALK
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
UHBにて毎週火曜日深夜0時25分〜放送中!
※番組は2023年9月26日で終了しています。
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