ロングセラー「ルントオム」でも知られるカンディハウスの代表、藤田哲也さんに聞いた「転機・人・未来」
2020年5月14日 公開
世界が認めるチェアが生まれる日まで、新たな挑戦が続きます。

北海道七飯町出身。北海道造形デザイン専門学校を卒業後、1982年に株式会社インテリアセンター(現カンディハウス)に入社。1998年グループ販売会社設立のために退社し株式会社カンディハウス横浜を設立。同社代表として辣腕を振るう。2005年からカンディハウスの営業本部長職などを兼任後、2013年同社の代表取締役社長に。現在は関連企業の非常勤取締役や旭川家具工業協同組合などの理事も務める。
ご自身の転機は?天職とも言えるこの仕事を極めたいとの思いから独立を果たした時ですね。
当時はバブル崩壊の余波が色濃く残る大不況の最中。ハイクラスな家具を扱うビジネスに勝算はあるのか、そもそもなぜこの時期なのか…。周囲からはそんな声も聞こえましたが、そんな逆境すらもエネルギーに変え文字通り命がけで働きました。それから7年後には、カンディハウス全グループ会社の中でNo.1の仕入れ実績を達成。肩の荷が下りたと同時に、あの時の決断は間違っていなかったと確信しましたね。
人材育成のキーワードは?ビジュアルやメディアを積極的に活用し、伝わるコミュニケーションを実践しています。
ここで重要になるのは『伝える努力をする』こと。口頭で「コトバ」だけを発しても耳を素通りするだけ。大画面のスクリーンを使って画像や動画を見せるなど、視覚情報も発信することで、社員の理解はグンと高まっていきます。テレビ会議の開催、社員へのiPhoneやiPadの支給、イントラネットでの社内報配信など、次々と新しいコミュニケーションスタイルを導入していったのも同様の考えからです。
こうしたわかりやすい情報発信を続けていくと今度は社員からもさまざまな声や意見、提案が発せられるようになる。社内全体にコミュニケーションの循環が生まれ、一人ひとりがさらにイキイキと考え行動するようにもなるんです。
御社の近未来ビジョンは?弊社の技術の粋を極めたチェアが世界に認められる日まで、弊社の挑戦は続きます。
弊社が世界に向け勝負をかけるのはチェア。リデザインを重ねながら半世紀もの間販売しているロングセラー製品を持つなど、チェアは我が社の多彩な技術や経験が凝縮されている最も得意な分野です。とはいっても、各国の著名メーカーがしのぎを削る業界でもあることから、弊社の製品が世界に認知されるまでまだしばらくの時間を要するでしょう。しかし自信はある。カンディハウスのチェアが世界に認められるまで、また新たな挑戦の日々が続きます。
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インテリア家具・オーダー家具の製造販売のほか、住宅や商業施設、オフィスのインテリアデザインの企画・設計・施工も請け負う。
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45年の歳月を経ても変わらず愛されるカンディハウスのロングセラー製品、ルントオム。次代に引き継がれる同社の代表作である。
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工場にはものづくりへの挑戦で培われた手仕事とテクノロジーの融合がある。世界のデザイナーが同社を支持する理由でもある。
株式会社カンディハウス

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