100年を超える老舗企業、丸玉木材株式会社6代目経営者の大越敏弘さんに聞いた「転機・人・未来」
2020年2月20日 公開
製品、業務、社員満足、「すべての仕事は改善の対象」。木を育て活用することで温暖化防止に貢献し、美林を残したいと思っています。

北海道津別町出身。慶應義塾大学商学部卒業後、丸玉木材株式会社に入社。2008年に取締役社長に就任。写真は取材に同席してくれた工場次長の工藤さん(右)と管理部部長の前岡さん(左)とのスリーショット。和やかな掛け合いからも、風通しの良さが伝わります。
大越さんの「転機」とは?部署、工場、そして全社へと「改善」の視野が広がりました。
1つ目の転機は40歳で津別から舞鶴工場への転勤。舞鶴工場では工場長を務め、部署単位の小さな世界から工場全体の広い世界へ改善の活動範囲が広がりました。20年間、舞鶴工場で本業である製造に関するすべての改善を行いました。
2つ目の転機は60歳で社長に就任したことです。これまで部署単位の改善、次に工場単位の改善と徐々に範囲を広げ、今ではその視野が全社へと移りました。改善に終わりはないと考えています。
大越さんにとっての「人」とは?社員満足度の向上も「改善」の1つです。
当社では、TPM活動(全員参加の経営革新)というボトムアップ型の取り組みによって、創意工夫を楽しめる社員に育てたいと考えています。若手からベテランまで、私に直接報告してもらう発表会を行い、直接指導する場を作っています。その際、小さな成果でも必ず認め、意欲を評価することで、社員満足度も向上すると考えています。身近なことから全力で取り組むことで、成長を実感することができるのです。創意工夫、すべての仕事は改善の対象と思い、社員を育てたいと考えています。
大越さんが描く「未来」とは?温暖化防止に貢献し、手入れの行き届いた美林を残したいと思っています。
-
北海道産針葉樹を加工した合板。(上)トドマツ合板は白く素直な性質を活かし芯材や内装材として、(下)カラマツ合板は硬く強い性質を活かし家に強さをもたらす構造用部材に利用されます。
-
最新鋭の機械を導入し、お客様の要望に応じた製品づくりを行う津別工場。木製品の加工場とは思えないほど清潔で、安全と作業効率の向上のために5S活動が進められています。
-
トドマツ合板のフロア。
丸玉木材株式会社

- ジョブキタに配信中の
北海道の経営者に聞く3つの質問「転機・人・未来」
最新記事5件
自分にできないことは仲間に頼る。互いに補い合う組織が「会社」だと考えます。
タンニンなめし革も手作業の製法も、「変えないこと」が価値を高めています。
北海道には北海道に合った、ビジネスのあり方があると思います。
魚の消費量も食べ方も変わる今、水産仲卸の役割が問われる時代です。
社員が幸せに働いてこそ、利用者様や子どもたちを笑顔にできます。