スポーツGOMI拾い大会を主催している北海紙管株式会社の長谷川裕一社長に聞いた「転機・人・未来」
2020年1月30日 公開
1958年に紙管製造業として創業し、現在はリサイクル事業を担う株式会社もっかいトラストを傘下に置く、ほっかいもっかいグループを構築。古紙、廃プラスチック、機密文書、古着等の処理・リサイクルを手がけ、2018年には北広島市に大曲リサイクルセンターを開設。2011年からは、ゴミ拾いをスポーツ感覚で取り組む「スポーツGOMI拾い大会」を主催している。
家族同然の従業員とともにリサイクルの新しい姿を模索しています。
北海紙管にとって「転機」とは?苦戦を強いられた中国進出が、社内の結束を強めました。
当社が中国進出を検討し始めたのは2000年頃のこと。経済発展が見込める市場で、他社に先んじて優位なポジションを確立したいという思いから、2005年、現地に紙管工場を建設しました。当初は売上の伸びも良く、順調な船出と思えたのですが、立ちはだかったのは文化の壁。言葉の違いはもちろん、仕事に対する意識や考え方について、現地採用の従業員との隔たりは大きく、計画していた通りに事業を進めることができませんでした。また、当社が進出して間もなく、激しい価格競争に巻き込まれ、事業継続がますます困難に…。当時は私自身も中国に赴任し、進出を担うメンバーと寝食を共にしながら悪戦苦闘。結果的には2年足らずで撤退を余儀なくされましたが、その時に育まれた結束力や連帯感が、その後の会社運営の原動力になりました。
北海紙管にとって「人」とは?従業員は家族同然という考えを受け継いでいます。
当社は1968年に埼玉県春日部市に東京工場を開設しました。私自身は生まれて間もない頃でしたが、家族と共に埼玉県に引っ越し、工場に隣接する八畳二間が生活の場になりました。当時、東京工場には社員寮があり、従業員の皆さんは、仕事を終えると我が家のお風呂を使っていました。そして、私たち家族は、従業員が入った後のお風呂を使うというのが暗黙のルールでした。
このような環境で幼少期を過ごしたことで、従業員は家族同然であり、自分たちのことよりも、まず従業員の幸せを優先しなければいけない、という考えが私の中に染み付いています。それゆえ、福利厚生や従業員への支援制度を充実させたいという思いは強く、2017年には奨学金の返済を支援する制度も導入。今後も従業員の暮らしを良くすることに積極的に取り組んでいく考えです。
このような環境で幼少期を過ごしたことで、従業員は家族同然であり、自分たちのことよりも、まず従業員の幸せを優先しなければいけない、という考えが私の中に染み付いています。それゆえ、福利厚生や従業員への支援制度を充実させたいという思いは強く、2017年には奨学金の返済を支援する制度も導入。今後も従業員の暮らしを良くすることに積極的に取り組んでいく考えです。
北海紙管にとって「未来」とは?会社の未来を決めていくのは、従業員や顧客だと考えています。
この頃は社員の働き方も多様化してきています。当社では新卒採用に取り組む一方、定年を65歳まで延長しており、若手とベテラン、それぞれが強みを生かして活躍できる場を整えています。子育てや家族の介護で、働く時間に制限があるという人も増えており、仕事のシェア、働く時間のシェアを考えて、働きやすい職場づくりにも取り組んでいかなければなりません。
社外に目を向ければ、世の中の環境意識の高まりから、リサイクル需要は高まっており、お客様のニーズは千差万別。それらに応えるべくサービスを構築することも、重要課題です。
世間には、独自の視点で進むべき道を示すリーダーは多いと思いますが、私はそのようなタイプではありません。従業員の働きやすさを整え、顧客の声にしっかりと耳を傾ける先に、企業の進むべき道が見えてくると考えています。
社外に目を向ければ、世の中の環境意識の高まりから、リサイクル需要は高まっており、お客様のニーズは千差万別。それらに応えるべくサービスを構築することも、重要課題です。
世間には、独自の視点で進むべき道を示すリーダーは多いと思いますが、私はそのようなタイプではありません。従業員の働きやすさを整え、顧客の声にしっかりと耳を傾ける先に、企業の進むべき道が見えてくると考えています。
北海紙管株式会社
企業や一般家庭から排出される資源物の収集運搬・処理をするリサイクル事業を展開。北海道から東北、関東へと進出し、古紙リサイクル分野では全国でも5本の指に入るほどの規模へと成長。現在は取り扱う資源物のレパートリーを広げ、循環型社会の実現に貢献。
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