穴開け即平坦状態の鋼材を作り出すNWP法を開発した株式会社道央メタルの転機・人・未来
2020年1月23日 公開
1970年に創業した金属加工工場を原点とする株式会社道央メタル。一度は2つに分かれた会社が、再び統合するというユニークな軌跡を経て、2005年に現在の社名に。精密板金からプレス、溶接まで多種多様な金属加工を強みとし、鋼材穴開け時の反りかえりを抑える独自技術「NWP法」で、空知しんきん産業文化振興基金の産業技術賞を受賞。
美唄から全国へ。道央メタルは「技脳」でブレイクスルーを目指しています。
道央メタルにとって「転機」とは?生来の「やんちゃ」が、当社と私の今を作っているのかもしれません。
道央メタルにとっても、私にとっても転機と言えるのが、2004年の美唄工作所代表就任です。私は大卒で入った新日鉄を退社後、第一鉄鋼という会社の代表に就き、その傘下にあったのが美唄工作所でした。当時、従業員は12名ほどで、農機具製作などが主な業務。技術力はあったものの、将来に明るい展望が開けていたわけではありませんでした。
余談ですが、私は次男坊であるせいか、子どもの頃からやんちゃな性分でして(笑)。決められたレールを進むのが嫌いで、常勝の1番手より2番手を選ぶタイプ。富士製鉄に入社したのも当時業界2位だったからです。
第一鉄鋼で60歳を迎え、その後の人生を考えた時、やはり安定を好まない自分がいました。もう一度チャレンジングな場に身を置きたい。そんな想いから美唄工作所の代表就任を決断。翌年には同じ原点を持つ武井製作所との統合も実現でき、現在の当社の基礎を作ることができました。
余談ですが、私は次男坊であるせいか、子どもの頃からやんちゃな性分でして(笑)。決められたレールを進むのが嫌いで、常勝の1番手より2番手を選ぶタイプ。富士製鉄に入社したのも当時業界2位だったからです。
第一鉄鋼で60歳を迎え、その後の人生を考えた時、やはり安定を好まない自分がいました。もう一度チャレンジングな場に身を置きたい。そんな想いから美唄工作所の代表就任を決断。翌年には同じ原点を持つ武井製作所との統合も実現でき、現在の当社の基礎を作ることができました。
道央メタルにとって「人」とは?過去の反省も踏まえて、一人ひとりの従業員に向き合っています。
学生時代はコンピューターとばかり向き合ってきたので、正直、コミュニケーションが得意なタイプではありません。とは言え、多くの人をまとめつつ、業務を進める立場になれば、そうも言ってられませんから、これまで幾度となく苦悩し、試行錯誤を繰り返してきました。
当社の代表となってまず直面したのは、前職のような大組織との違い。数多くの従業員を抱える組織では一人ひとりに目を向けることが難しく、部門単位で物事を考えがちです。もちろん、そうしなければ効率化が図れないという側面もあります。
一方、当社のような中小企業では、従業員を集団として捉えるのではなく、個々と向き合う姿勢が不可欠です。一人ひとりに支えられているからこそ、企業が存続できるということに、恥ずかしながら60歳を過ぎて気が付きました。以来、従業員それぞれの暮らしをより良くすることを念頭に置いて、経営基盤と職場環境を整備。働きやすい職場づくりにも力を注いできました。
当社の代表となってまず直面したのは、前職のような大組織との違い。数多くの従業員を抱える組織では一人ひとりに目を向けることが難しく、部門単位で物事を考えがちです。もちろん、そうしなければ効率化が図れないという側面もあります。
一方、当社のような中小企業では、従業員を集団として捉えるのではなく、個々と向き合う姿勢が不可欠です。一人ひとりに支えられているからこそ、企業が存続できるということに、恥ずかしながら60歳を過ぎて気が付きました。以来、従業員それぞれの暮らしをより良くすることを念頭に置いて、経営基盤と職場環境を整備。働きやすい職場づくりにも力を注いできました。
道央メタルにとって「未来」とは?技術と知恵の融合で、当社ならではの存在価値を追求します。
地方創生などと言われて久しいですが、都会で生まれた商品やサービスが徐々に地方に波及していくという流れは、なかなか変わることがありません。だからこそ、当社のような地方企業には、そうした流れを逆転させるブレイクスルーが不可欠。顧客のニーズに直結する商品やサービスを作り、地方から全国へ、発信していかなければならないと考えています。
数年前に当社が考案した「NWP法」はその一例と言えるかもしれません。NWP法とは、通常、穴を開けると反ってしまう鋼材を穴開け即平坦化できる画期的な技術で、さまざまな分野で活用が可能。これからの当社の武器になっていくものと、期待を寄せています。
当社は地方企業ではあるものの、鉄さえあれば何でも作ってしまう技術力を有しています。生産設備への投資も積極的に進めており、経営基盤も安定しています。これからも技術と知恵の融合で、当社ならではの存在価値を追求していきたいと考えています。
数年前に当社が考案した「NWP法」はその一例と言えるかもしれません。NWP法とは、通常、穴を開けると反ってしまう鋼材を穴開け即平坦化できる画期的な技術で、さまざまな分野で活用が可能。これからの当社の武器になっていくものと、期待を寄せています。
当社は地方企業ではあるものの、鉄さえあれば何でも作ってしまう技術力を有しています。生産設備への投資も積極的に進めており、経営基盤も安定しています。これからも技術と知恵の融合で、当社ならではの存在価値を追求していきたいと考えています。
株式会社道央メタル

レーザー複合加工から精密板金、機械加工、溶接、塗装まで社内一貫生産による金属部品製造を展開。「モノづくりに、技脳でこたえる」をモットーに、技術と知恵を融合させて顧客の課題解決に取り組む。
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