北海道ビジネスニュース 北海道ビジネスニュース【燻製と檸檬Bitters(ビターズ)】

2021年11月15日 公開

コロナ禍で外食が難しくなったことから注目され数もバリエーションも急増中の「キッチンカー」。コロナが流行する前からこの業態に取り組んで実績を積み重ね、1年で実店舗オープンを果たしたサンドイッチ店に話を伺いました。

キッチンカーでファンの心をつかみ、実店舗で人の輪を広げる!

キッチンカーは明史さん、実店舗は真里さんとお母さん、というのが現在の分担。「車とお店、どちらも大切に思ってくれるお客さんがいます。私たちも両方を大切にしていきたいと思っています」と明史さん。

夢への第一歩は、キッチンカーでの起業。

サバやチキンなど自家製燻製のサンドイッチと手作りのレモネードを販売する「燻製と檸檬Bitters」。白く可愛らしい雰囲気の販売車を、ショッピングセンターや道の駅で見掛けたことのある人も多いのではないでしょうか。
お店を営むのは志田明史(あきふみ)さん、真里さん夫妻。もともとは同じ病院で調理師、管理栄養士として働いていました。「いつかは自分たちのお店を開きたい」という夢を持ち、テレビでキッチンカーを見て興味を持ったのは、コロナ禍前でまだキッチンカーブームが始まっていない約2年前。開業費用が抑えられ「いろいろな場所に行っていろいろな人に会い、自分たちを知ってもらう」という形態に興味を持ったことからこのスタイルを選んだそうです。

大きな支えになった「江別」のネットワーク。

キッチンカーと言えばいかついデザインが主流だった中、車両の製造会社には「女性にも魅力的だと感じられるよう、柔らかく優しい色合い」にとリクエスト。車が完成するまでの約半年間、明史さんが得意とする燻製、真里さんが好きなパンを組み合わせ、何度も試行錯誤しながら商品開発に打ち込んだそうです。オープンに向けた準備をインスタグラムで発信し続けるうちに、近隣でピザのキッチンカーを営んでいる人が連絡をくれ経営や出店場所のアドバイスをしてくれたり、江別市の起業相談にも助けられるなど「周囲の人たちに恵まれ、支えられてきたんです」と振り返ります。
次第に勢いを増すコロナに迷いや不安はあったものの、周囲に励まされ勇気づけられたという志田さん夫妻。昨年4月、キッチンカーの完成時にはわくわくした気持ちいっぱいで美唄まで車を引き取りに出掛けたそうです。
そうして迎えたオープン初日、サンドイッチはほぼ完売。「今まで一生懸命に試作を重ねてきたものが、お金と引き換えられていくのは、なんとも不思議な感覚でした」と真里さんは話します。

人と人のつながりをより深める実店舗開業。

コロナ禍によるテイクアウト需要も後押しになり営業が順調だったこと、広い仕込みスペースを確保したかったこと、そして何よりお客さんから「お店(実店舗)があればいつでも行けるのに」という多くの声が寄せられ、志田さん夫妻は実店舗を持つことを決意。今年5月、江別の白樺通り沿いに実店舗をオープンさせたのです。
「キッチンカーだけだった時は、売り切れ後に来たお客さんが残念そうに帰っていくことがありました。厨房兼店舗があれば、閉店ギリギリまで商品を出せます。お店を持ってから新しいお客さんも増えたし『車で食べておいしかったから』と店を訪ねてくれる人もいるんです。より世界が広がったと感じています」。
キッチンカーで各地を回り自分たちの存在をアピールした後で実店舗を持ったことも正解だったと振り返る明史さん。実店舗内にはレンタルルームを設け、手芸の教室や、駄菓子や飲み物の出張販売などさまざまな用途に使ってもらい、人と人とのつながりを深めるのに活用中です。「想像以上にいろいろな使い方をしてもらえることに驚いています。みんなで楽しみながらつながりを深め、地域を盛り上げていく場にしていければ」と、笑顔で話してくれました。

燻製と檸檬Bitters(ビターズ)

バンズに自家製燻製、野菜、燻製ナッツフレーク、レモンをはさんだオリジナルサンドイッチと、自家製レモネードが人気のテイクアウト専門店。キッチンカーによる移動販売は道央圏を中心に活動中。
〈店舗〉
北海道江別市東野幌本町38-9 M.BLD白樺1F
TEL.011-375-9892
営業時間/10:00〜17:00
定休日/毎週火曜日・隔週水曜日ほか
Instagram:@bitters___

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