合理的な働き方と労働環境で唯一無二のシステムを開発し、不動産業界のDX化を推進。【株式会社ゴールウェイ】
2022年11月14日 公開
従業員数11人と小規模のIT企業でありながら、不動産業界のシステム開発で道内トップクラスのシェアを誇る株式会社ゴールウェイ。同社の取締役兼技術部長の内田博己さんにビジネスの秘訣を伺いました。
不動産の物件管理システムでオンリーワンの地位を獲得
家を借りたことがある人なら誰しも、インターネットで物件を検索したり、不動産会社に物件を探してもらったりした経験があるのではないでしょうか。そんな物件情報をデータベース化し、管理や検索を可能にするシステムを開発しているのが、株式会社ゴールウェイです。
「2006年、代表や私を含める6人で創業しました。当初のメンバーは、それぞれが自分でも会社を経営する人たちです。エンジニアとしての知識だけでなく、経営ノウハウをも持ち合わせていたため、それぞれがアイデアを出し合い事業を拡張させていきました」
その結果、創業以来業績は右肩上がりが続いています。現在契約している企業名を聞くと、道内大手の不動産賃貸仲介会社から、各地域に根付いた企業まで実に数多くのシステム開発を担当し、道内でのシェアはトップクラスだと言います。更に北海道だけでなく東京や他府県の案件も手掛けているそうです。
「賃貸物件は毎日のように契約情報が更新される上に、沿線や間取りなど細かな属性の分類が必要です。膨大な量のデータを扱うためのサーバー構築から検索システムまで、開発には高度な技術が必要となります。弊社は他社には真似できない技術力があるからこそ、現在の地位を築けていると自負しているんです」と内田さん。
「2006年、代表や私を含める6人で創業しました。当初のメンバーは、それぞれが自分でも会社を経営する人たちです。エンジニアとしての知識だけでなく、経営ノウハウをも持ち合わせていたため、それぞれがアイデアを出し合い事業を拡張させていきました」
その結果、創業以来業績は右肩上がりが続いています。現在契約している企業名を聞くと、道内大手の不動産賃貸仲介会社から、各地域に根付いた企業まで実に数多くのシステム開発を担当し、道内でのシェアはトップクラスだと言います。更に北海道だけでなく東京や他府県の案件も手掛けているそうです。
「賃貸物件は毎日のように契約情報が更新される上に、沿線や間取りなど細かな属性の分類が必要です。膨大な量のデータを扱うためのサーバー構築から検索システムまで、開発には高度な技術が必要となります。弊社は他社には真似できない技術力があるからこそ、現在の地位を築けていると自負しているんです」と内田さん。
クライアントとの関係構築で新しい価値を創造する
ゴールウェイが創業以来、貫いてきたのが自社開発に加えて、システムの打ち合わせから企画、開発、納品までのすべての段階を一人で担当するという体制です。
「かかわる人数が減ればおのずと、求められた要件からブレずに開発を進められ、信頼関係を築くことができます。更に、打ち合わせ段階から密にクライアントと向き合うと企画力や提案力も高まり、顧客をリードする存在になれるでしょう。事実、現在は経営やマーケティングプランの立案など、コンサルティングに近い業務も多く手掛けています」
更にクライアントと近い距離で接した結果、下請けではなく直取引の案件がほとんどに。おのずと高い収益を生むことができているそうです。その上で、東京からの下請け業務が多い札幌のIT企業についての見解を伺うと、内田さんは「これからは価値で勝負する必要がある」と言います。
「近年は人件費の安い東南アジアの国々に発注していた案件が、現地の人件費高騰や円安の影響で札幌の会社に発注がかかるようになりました。仕事が増えるのは良い反面、下請け業務に依存していては、技術的にも経済的にも発展が遅れてしまいます。80年代に起きた『サッポロバレー』のような独自の地位へと再びよみがえらせるためには、高い技術とアイデアを持ち、社会にとっての新しい価値を創造するという姿勢が大切なのではないでしょうか」
「かかわる人数が減ればおのずと、求められた要件からブレずに開発を進められ、信頼関係を築くことができます。更に、打ち合わせ段階から密にクライアントと向き合うと企画力や提案力も高まり、顧客をリードする存在になれるでしょう。事実、現在は経営やマーケティングプランの立案など、コンサルティングに近い業務も多く手掛けています」
更にクライアントと近い距離で接した結果、下請けではなく直取引の案件がほとんどに。おのずと高い収益を生むことができているそうです。その上で、東京からの下請け業務が多い札幌のIT企業についての見解を伺うと、内田さんは「これからは価値で勝負する必要がある」と言います。
「近年は人件費の安い東南アジアの国々に発注していた案件が、現地の人件費高騰や円安の影響で札幌の会社に発注がかかるようになりました。仕事が増えるのは良い反面、下請け業務に依存していては、技術的にも経済的にも発展が遅れてしまいます。80年代に起きた『サッポロバレー』のような独自の地位へと再びよみがえらせるためには、高い技術とアイデアを持ち、社会にとっての新しい価値を創造するという姿勢が大切なのではないでしょうか」
高い技術力の背景にある家族や個人優先の働き方
ところで、一人1案件という体制で、なおかつ技術力が必要なシステムを構築するには、ハードな働き方を取らざるを得ないのでは?
「技術的には、確かにハードです。しかし、それだけ時間が掛かることをお客様に理解してもらい、ゆとりを持った納期を設定していますので、無理な働き方になることは決してありません」
2015年に内田さんが取締役に就任した際、真っ先に取り組んだのが働き方改革。「家族第一」を掲げて残業ゼロを目指し、福利厚生や休暇制度なども見直したと言います。その背景には、自らも3人の子どもを育てる父親であり、家庭との両立に悩んだ内田さん自身の経験もあったそうです。新型コロナウイルスがまん延してからは更なる改革へと乗り出し、出張や出向なしで働ける環境を整備。現在は東京在住で、フルリモートで働く社員もいるそうです。更に、勤務時間の短縮にも大胆に取り組みました。
「当初はコロナ禍で実験的に始めた時短勤務でした。ところが短くなった分だけ効率的に業務を進められるようになり、生産性はそれまでと大きく変わらないという結果になったんです。おかげでこの数年退職する社員もいない上に、かつて退職したメンバーが戻ってくるといううれしい効果も生まれました」
こうした働き方改革や業務の合理化も、不動産業界に推進していきたいと話します。
「札幌は再開発やマンション建設ラッシュを迎え、不動産市場は空前のにぎやかさを呈しているようにも見えるでしょう。しかし人口の少ない地方では既に過疎化により、不動産にも変化が見られているんです。賃貸に関しては部屋が余り、空き物件を抱え苦しい状況の会社もあります」
同じ現象が今後札幌にも起こりうると警鐘を鳴らした上で、一人ひとりが効率良く働くためのDX化が必要だと説きます。
「私たちはこれからもITの力で課題を解決していきたい。そしてこれからも不動産業界、そして地域の発展に二人三脚で歩んでいきたいと思っているのです」
「技術的には、確かにハードです。しかし、それだけ時間が掛かることをお客様に理解してもらい、ゆとりを持った納期を設定していますので、無理な働き方になることは決してありません」
2015年に内田さんが取締役に就任した際、真っ先に取り組んだのが働き方改革。「家族第一」を掲げて残業ゼロを目指し、福利厚生や休暇制度なども見直したと言います。その背景には、自らも3人の子どもを育てる父親であり、家庭との両立に悩んだ内田さん自身の経験もあったそうです。新型コロナウイルスがまん延してからは更なる改革へと乗り出し、出張や出向なしで働ける環境を整備。現在は東京在住で、フルリモートで働く社員もいるそうです。更に、勤務時間の短縮にも大胆に取り組みました。
「当初はコロナ禍で実験的に始めた時短勤務でした。ところが短くなった分だけ効率的に業務を進められるようになり、生産性はそれまでと大きく変わらないという結果になったんです。おかげでこの数年退職する社員もいない上に、かつて退職したメンバーが戻ってくるといううれしい効果も生まれました」
こうした働き方改革や業務の合理化も、不動産業界に推進していきたいと話します。
「札幌は再開発やマンション建設ラッシュを迎え、不動産市場は空前のにぎやかさを呈しているようにも見えるでしょう。しかし人口の少ない地方では既に過疎化により、不動産にも変化が見られているんです。賃貸に関しては部屋が余り、空き物件を抱え苦しい状況の会社もあります」
同じ現象が今後札幌にも起こりうると警鐘を鳴らした上で、一人ひとりが効率良く働くためのDX化が必要だと説きます。
「私たちはこれからもITの力で課題を解決していきたい。そしてこれからも不動産業界、そして地域の発展に二人三脚で歩んでいきたいと思っているのです」
株式会社ゴールウェイ

2006年設立。不動産の管理システムの他、日報管理や顧客管理システム、マーケティングソリューションやコンサルティングまで幅広く手掛ける。
北海道ビジネスニュース
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