週休3日制、ロボットの導入…介護現場での働き方に、十人十色の選択肢をつくりたい。【月寒あさがおの郷】
2022年12月19日 公開
人手不足に対応するため週休3日制を導入
「現在は常勤が約40名働き、その多くが2011年の設立時、新卒から入職した職員です。そのため、平均年齢35歳とグループの中でもとりわけて若く、活気に満ちた環境を実現してきました」
しかし設立から10年が経ち、新卒だった職員たちが子育てをする世代に。従来の働き方では生活のバランスを取るのが難しくなってきたのだと言います。中でも代表的な問題が、連続勤務の増加。それまでの働き方は早番、遅番、夜勤それぞれ8時間勤務の3交代で、5日働いた後に休日を迎える週休2日制でした。しかし、人手不足により、この数年は「日勤を終えた数時間後に夜勤」「夜勤を明けて数時間後に日勤」といったケースがあり、休日を迎えるころには疲れ切っている職員も少なくなかったそうです。
「そこで昨年の4月から導入したのが、週休3日制という働き方でした。各労働時間を8時間から10時間に増やせば4日間の勤務で1日分8時間の労働となり、週換算3日の休日を取得することが可能となります。単純に休みを増やすためではなく、連続勤務を減らすための対策として編み出したアイデアでした」
導入後は連続勤務をある程度防止できただけでなく、シフトに余力が生まれ、人手が必要な夕食の時間帯に人員を割けたり、人手が足りなくなった他の施設に職員を派遣したりといったメリットも生まれたそう。しかし、こうした施策はあくまで通過点だと佐藤さんは強調します。
「一見するとメリットばかりに感じるかもしれませんが、人によっては10時間勤務がつらいという人もいます。ですから全員がこの働き方ではなく、選択肢の一つとして選べる仕組みにしました。効果を検証して、それでもうまく行かなければ他の方法を考えます」
学生の実習受け入れやロボットの導入などを実践
「今は試験運用のため消毒しか指示していませんが、学習やプログラムを組み込めば介護アシスタントとしての活躍が期待できます。将来は彼のようなロボットが行き交うのが当たり前となるかもしれませんから、先進的に取り組みを進め、可能性を探っているんです」
また、職員が積極的に介護福祉士の実習指導者資格を取得し、介護を学ぶ学生たちの受け入れを行っているのも大きな特徴。この作戦が新卒採用にはとても有効だと、佐藤さんは笑顔を見せます。
「昨年に実習に来た学生が今春、4名も入職を果たしました。当施設にはコーチングやキャリアコンサルタントのスキルを持つ職員もいて、質の高い実習を心掛けています。お陰でもっとこの施設で学びたいと、入職を志望してくれる学生が多いんです」
トライ&エラーを繰り返し一歩ずつ改善に近付く
「誰もが働きやすい環境と言うのは簡単ですが、どこかにしわ寄せが行ってしまうものです。大切なのは十人十色の働き方を選べる選択肢があることだと思います」
もしも失敗したら?という質問には「また考えればいいだけです」と、キッパリ答える佐藤さん。柔軟なアイデアが生まれる源泉はどこにあるのでしょうか?
「渓仁会は数多くの施設を運営する大きなグループですが、事業所や従業員それぞれの考え方を尊重する方針が根付いています。加えて当施設は若いスタッフを中心に自分たちが業界を変えていきたいという思いを一人ひとりが持っていて、反対の声を説得して始めたアイデアも少なくありません」
実はあさがおの郷がSNS運用を企画した4年前は反対意見も多かったそうですが、その後多くのフォロワーを獲得。今では成功事例として他の事業所もその運用方法を取り入れています。
「トライ&エラーを繰り返すのは決して楽ではありません。でも、さまざまな挑戦を受け入れる環境だからこそ、働きがいがある職場なのではないでしょうか」
今冬には北海道が進める「北海道働きやすい介護の職場認証制度」に法人全体が認められるという快挙も達成。今後の取り組みの一挙一動が、ますます注目されています。
社会福祉法人 渓仁会
月寒あさがおの郷
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