注目企業のトップに聞くin北海道 応援の情熱を企業の力に。北海道発の新たな経済循環を目指して。【株式会社リージョナルマーケティング】

2026年7月6日 公開

北海道共通ポイントカード「EZOCA」の運営を担う株式会社リージョナルマーケティング。2019年に社長へ就任した渡部真也さんは、「応援したい」という人々の気持ちを、スポーツや自治体、地域活動と結び付ける仕組みづくりに注力してきた。現在は、キャッシュレス決済サービス「EZO Pay」を推進しながら、北海道ならではのつながりを生かした新たな経済圏づくりへ挑戦している。
代表取締役社長/渡部 真也さん
上川町出身。高校卒業後、ワーキングホリデーでカナダ・バンクーバーへ渡航。帰国後、国際関係学部へ進学し、映像コンテンツ流通会社へ入社。M&Aを経てカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)に所属し、経営企画やTポイント事業などに携わる。2013年にリージョナルマーケティングへ出向し、北海道共通ポイントカード「EZOCA」を立ち上げ。2019年に同社・代表取締役社長へ就任。

自己を見直す海外経験。
帰国後の幅広い事業経験が鍵に。

北海道共通ポイントカード「EZOCA」の運営を中心に、地域企業や自治体のマーケティング支援を行う株式会社リージョナルマーケティング。代表取締役社長の渡部真也さんは、上川町で生まれ育った。人前へ出ることが苦手だった一方で、学級委員長や弁論大会の代表に選ばれることも多く、意思とは関係なく前に立つ場面が多かったという。旭川市内の高校へ進学すると、知人のいない環境だったことで、少しずつ自分の考えを発信するようになっていく。卒業後は、大学進学や就職という一般的な進路に違和感を抱き、映画や音楽などコンテンツ業界への興味から、ワーキングホリデーでカナダ・バンクーバーへ渡航。1年間、語学学校へ通いながら、日本食レストランで働く生活を送った。
「現地には、私と同じような日本人がたくさんいて、まるで鏡を見ているようでした。そこで一度、自分が避けていた大学や社会に出る経験をしてみようと思ったんです」
帰国後は、東京の大学の国際関係学部へ進学。就職先は映画会社などを志望していたが、採用の狭き門に苦戦し、映像コンテンツの流通会社に入社となった。営業やバイヤー、経営企画などを経て「TSUTAYA」で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)へ所属。日本初の共通ポイントである「Tポイント」の事業や、小売、インターネット事業などのサービス運営に携わる中で、事業への見方や理解の仕方、課題解決への考え方を身に付けていった。

社員は自分一人。
ゼロから立ち上げた「EZOCA」。

30代後半になってからは経営企画を担当する中で「この先20年以上、同じ仕事を続けるのか」という思いが募っていったという渡部さん。転職先は地元にしたいと思っていたが、2012年当時の北海道ではキャリアを生かせる職種募集は少なく、首都圏での活動を考えていた。ところが、UIターン専門の転職エージェントが渡部さんの経歴に興味を持ち、サツドラホールディングス株式会社の富山浩樹社長を引き合わせてくれたのだ。2013年に採用が決まり、経営管理職に就くと思われたその2カ月後、リージョナルマーケティングへ出向となる。
「実はそのころ、富山社長は北海道共通ポイントサービスの立ち上げを考えていたんです。そこに『待ってました』とばかりに『Tポイント』の実績を持つ私が来たわけです。引き受けることになったものの、ふたを開けてみると空き地に建設予定地の立て看板が立っているだけ…みたいな状態でした(笑)」
会社は設立直後で、社員は渡部さんたった一人。サービス内容もブランド名も決まっていない、まさにゼロからのスタートだった。
「既に全国的な共通ポイントカードはあったので、我々は完全に後発組です。そこで北海道特有の企業同士や経営者、ユーザーたちとの距離感の近さに注目し、その小回りの良さを生かした北海道らしいポイントサービスを考えたんです」
転換点となったのが、2014年の北海道コンサドーレ札幌との連携だ。「コンサドーレEZOCA」を利用すると、利用額のうち0.5%がチームに還元されるモデルを導入。買い物でもらえるポイントはそのままに、利用者に負担がない仕組みだったことから、ファンの新規入会や来店増加にもつながった。
「便利さやお得感はもちろんですが『応援したい』という感情でも、人の行動は変わることに気付かされたんです。会員100万人を動かすキャンペーンは大変ですが、1万人が大切にしているものを100個作れば、結果として100万人が動くに違いない、そんな発見をしました」

応援の熱量を増やし
北海道内の経済循環を目指す。

「EZOCA」の仕組みを更に広げるため、現在力を入れているのが、キャッシュレス決済サービス「EZO Pay」だ。決済サービスはユーザーには便利な一方、いずれも1%〜3%の決済手数料が生じるのが企業や店舗にとって負担となる。また、購買データは決済事業者側だけに集まりやすく、企業側は顧客分析や販促に生かしにくい側面もある。そこで、同社では道内企業が手数料負担をおさえたサービスや、データを活用しやすく整えることで、地域経済を発展させようと考えている。
「北海道は暖房費や交通費などの負担が大きい地域です。経済を循環させるためには、生活コストをおさえて自由に使えるお金、いわゆる可処分所得を増やすことが大切になるでしょう。そのために、企業やコミュニティーと連携してアプローチしていくことがミッションです」
一人から始まった会社は現在30名規模へと広がり、組織づくりへの意識も変化したという。
「失敗しても、挑戦を恐れないでほしい。失敗は次の成功につながる資産だと思っています。私も完全な人間じゃないので、失敗に対して寛容さを大事にしています」
スポーツをはじめ、福祉や保護犬・保護猫など「応援したい」と思う対象は数多く存在する。渡部さんは、その気持ちを地域経済を動かす力へつなげようとしている。

株式会社リージョナルマーケティング

2013年設立。北海道共通ポイントカード「EZOCA」の運営を中心に、企業や自治体、スポーツチームなどのマーケティング支援を展開している。キャッシュレス決済サービス「EZO Pay」の運営にも取り組み、北海道内でデータや経済が循環する仕組みづくりを推進中。
札幌市東区北8条東4丁目1-20

https://regionalmarketing.co.jp/
UHBにて毎週火曜日深夜0時15分〜放送中!
BOSS TALK
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。

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