雑誌のブランド価値を守りながら、時代に合わせて変化していく【poroco】
2023年8月7日 公開
営業からスタートした雑誌作りのキャリア
「子どものころから華やかな業界へのあこがれを持ってました。テレビの仕事とか、海外にかかわる仕事とか。大学時代を過ごした小樽は、街並みも素敵で魅力的なお店も多く、こういうお店を紹介することが仕事になったらという気持ちは心のどこかにあったと思います」
大学では簿記や会計を学び、卒業と同時に金融関係に就職。総合職として採用されるも、その当時はまだ男性社会でやりづらさを感じ、3年で退職する。
「これから何をしようかと考えた時、学生時代に楽しんでいた食べ歩きやカフェ巡りが仕事になればということと、読書が好きなこともあり、大手情報誌の求人に応募したんです。私は雑誌作りに携われると期待をしていたんですが、任されたのは営業職。思っていたのと違うかも…という気持ちはあったものの、新しいお客様を自ら開拓していくのは意外と性に合っていて。数字に追われる大変な日々でしたが、同期と励まし合いながら頑張っていました」
データを重視し、読み手と共に作るスタンスへ
「前職で営業に携わっていたことが、採用の決め手になったのだと思います。実はそのころのporocoはまだアナログ体質で、情報は一元管理されていないし、もちろんデータベースもない。お客様の情報も担当者の頭の中にしかなく、人が変わると仕事が回らない。そうした状況を何とかしたいと皆が考えていた時に、ちょうどよく私がやってきたのかなと(笑)」
新たな職場で奮闘すると、わずか9カ月で営業部門の管理職に抜擢。数年後には営業部門に加え、編集部門も管理する編集長の立場になる。本を良くしたいという思いは社内に強くあり、「ぜひ数字を見られる人を編集長に」という意見に後押しされた人事だったと振り返る。
「長くあこがれていた編集の仕事にようやくたどり着いたのですが、やはり、私に求められているのは営業的な視点だという意識がありました。それまで制作は、『こういうものが読者に好まれる“だろう”』という、感覚や経験則を元に仕事をしていたのですが、裏付けとなるデータがあればより良いものが作れるし、営業にも生かせます。そのため、モニターリサーチや座談会を頻繁に行い、どんな写真が心に響くかなども調査しました。poroco側から一方的に情報発信するのではなく、読者が求めるものを、読者と一緒に作るようなスタンスにシフトしました」
リーダーとして大切にしている、スタッフの「納得感」
「ありがたいことに長く活躍してくれているスタッフが多く、育休から復帰したスタッフもいます。仕事と子育ての両立は大変だし、私達もできる限りのフォローをしますが、すごく手厚い支えが必要な期間ってそれほど長くはないんですよね。本人も両立に慣れてくるし、何より、どうすれば時間を捻出できるかを本気で考えるので、仕事の効率がグンと上がるんです」
立場上、企業や自治体へのアプローチ、会議などが多くなるが、今でも誌面の校正や営業活動もするという福崎さん。チームを率いる立場として心掛けているのは、サーバントリーダーシップだ。
「リーダーとして決断はするけれど、プロセスはメンバーの意見を尊重します。トップダウンのカリスマ型ではなく、それぞれに納得感を持ってもらうことを大切にしています」
2022年9月、porocoは初となる公式アプリをリリースし、誌面でもスマホでも読者に情報を届けられるようにした。長く誌面制作に携わってきたスタッフからは本が売れなくなるという懸念の声も上がったが、時代の変化に向き合う道を選んだ。
「紙の良さは良さとして、そこにスマホの便利さを加えられたらと考えました。元々紙の本が好きな私でさえ電子書籍を読む時代ですし、スマホを常に持ち歩くという行動様式は変えられません」
大切なのはporocoというブランドと信頼だという。紙でもアプリでも「札幌のグルメ情報はporoco」と認知されることが重要であり、その価値を守っていきたいと語ってくれた。
poroco
https://www.poroco.co.jp/
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