2021/04/26[mon] update

北海道ビジネスニュース【満快のふる郷 さくら発寒】

ミャンマーの若い人材と札幌の介護企業が築く、教育+雇用のWウィンの方程式。

札幌西区の介護施設「満快のふる郷 さくら発寒」。利用者様のサポートに精を出していたのはジンジン・モーさん。ミャンマー国籍の彼女が母国から遠く離れた札幌で働くようになった経緯を本間ホーム長に伺いました。

母国で職業訓練を受講し、基礎能力を養って札幌へ。

ジンジン・モーさん
現在は後輩のミャンマー女性と二人暮らし。「2年が過ぎた今では一人で買い物にも行けます。日本はとても安全ですね」
マスク越しでもよく分かる明るい表情。言葉にはまだたどたどしさも残しますが、利用者様にかける声にはそれを上回る優しさが満ちています。そんな彼女の働きぶりを眺めながら本間ホーム長への取材がスタートしました。
「弊社が介護人材の不足を外国人技能実習生で補おうと考えたのは、今から7年ほど前です。業界でもかなり先駆けのほうだったと思います」
同社が最初に手掛けたのはミャンマー現地法人との合弁会社の設立。さらに日本語と介護の基礎を学べる職業訓練校も開設し、卒業後同社の介護施設での技能実習を条件にミャンマーの若い人材を広く受け入れました。この訓練校の第一期卒業生の一人がジンジンさん。来札したのは二年ほど前です。
「ジンジンさんは、母国で保健省の看護師をしていました。近い将来ミャンマーに必ず介護職の指導者が必要になると思い、社会貢献のためにいち早く日本で介護の勉強をしたいと考えたようです」

人材にも企業にもメリット、教育と人材供給の理想サイクル。

ホーム長/本間晴代さん
技能実習は最長で5年。それまでにジンジンさんは母国に戻る予定だとか。
「我々も弊社で一生働いてもらおうとは思っていません。母国に帰った彼女が介護人材の育成に尽力していただければ、ミャンマーの介護業界は確実に活性化していくでしょう。弊社への人材供給の幅も広がりますし、海外での介護事業の可能性などのビジョンも生まれます」
また、たとえジンジンさんが帰国しても職業訓練校で学び終えた後輩たちが続々と同社に入職してきます。
「母国で介護教育を受け、札幌での介護実習を行った後、母国に戻って介護指導にあたり、若い介護人材を育成する…という理想的な人材育成サイクルが実現するわけです。こと介護に関してはミャンマー人材と弊社はウィンウィンの関係にあるといえます」

まじめで懸命な仕事ぶりと、奥ゆかしさや可愛らしさ。

ではその仕事ぶりはどうなのでしょう。
「ミャンマーの家庭は祖父母と同居が基本です。お年寄りを敬い、そのお世話をして徳を積むという儒教的な発想も根付いています。ジンジンさんの利用者様への接し方は、恥ずかしながら我々よりも親身で献身的です。笑顔や振る舞いがとても自然で温かいんです」
当初は戸惑っていた利用者様も、時に片膝を付きながらじっくり話を聞いてくれる彼女の真っ直ぐな姿勢にすぐに心を開いていったとか。そんな彼女の働きぶりに影響され、職場の雰囲気もぐっと明るくなりましたと本間ホーム長。
「仕事に対してはとてもまじめな反面、かつての日本人のような奥ゆかしさや恥ずかしがり屋の面もあり、そこがなんとも可愛いんです。まさに職場のアイドルで、私たちが忘れかけていた介護の原点を教えてくれる存在でもあります」
では今後ミャンマー人材の採用を検討している皆様にアドバイスを。
「日本語能力、風習の違い、生活のサポートなど確かにいくつかのハードルはありますが、それらをクリアできる環境にあるのなら、ぜひとも採用してほしいです。働く態度はもちろん、その人間性に触れると誰もがミャンマーファンになると思いますよ」
最後にジンジンさんにも伺ってみました。
「日本の皆さんはとても優しく、日本の介護の技術はとても素晴らしいと感じています。当面の目標は外国人材初の介護福祉士の資格を取ることです。ここで学んだことを母国の若い人材に広く伝えていきたいと思っています」
名前を呼ばれてニッコリ!ジンジンさんは利用者様や職員の人気者。
入職当初は職員が交代で彼女の指導に当たったとか。「飲み込みの早さに驚くばかり。3カ月後には一人で排泄介助をしていました」
札幌の一番の思い出は?の問いに「初めて雪を見たことです」
利用者様の目を見ながらお話にしっかり耳を傾けるジンジンさん。

満快のふる郷 さくら発寒

少人数で家庭的な環境のグループホーム。利用者様一人ひとりが自立と自信を取り戻し、“なじみの暮らし”が継続できる生活の実現を目指している。
北海道札幌市西区発寒6条14丁目17番33号
TEL.011-668-3987
http://www.furusato-sakura.jp/facility/sakura_hassamu/
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