北海道ビジネスニュース 機材やテクノロジーに積極投資することで、映像ビジネスの未来を。【niceグループ】

2022年3月21日 公開

ナイスグループは、札幌を中心にTVCMやWeb動画、PV、MV、映画などを手掛けているクリエイティブ集団。最新鋭の機材やテクノロジーを使った質の高い映像を届けることで知られています。代表の巣内佳幸さんにグループの強みやビジネススタイルを伺いました。
世界が注目する最新技術「リアルタイム3Dバーチャルシステム」をいち早く取り入れたグリーンバックのスタジオ。

専門性の高い「チーム分け」は、人材育成の面でも有効。

代表取締役/巣内佳幸さん

ナイスグループは前身の会社から数えて約40年間、映像にまつわるクリエイティブを提供。企画から演出、撮影、編集、音の調整といった制作業務をワンストップで手掛けられるところも評価されています。
「かつては、撮影と照明を同じ会社で担うことは一般的ではありませんでしたが、私たちの場合は設立時からワンストップの制作体制を整えています。グループ全体でスピーディーにクリエイティブを届けられる一方で、それぞれの部隊が独自に仕事を獲得できるようにするためにも分社化を進めてきました」
現在、ナイスグループは東京に分室(支社)を置く他、機材レンタル会社や撮影・照明の人材派遣部隊、編集・音声の技術会社、撮影に特化した集団、コンテンツの企画開発チームなどに分かれています。
「映像制作の各工程を内製化することで利益率を高めるのも狙いの一つです。専門性を高めたチーム分けは、カメラマンのスキルアップや撮影・照明・特殊機材(撮影用クレーンや大型送風機など)をマルチにこなせるスタッフの輩出など、人材教育の面でもメリットがあると考えました」

世界でも注目を集めるリアルタイム3Dバーチャルシステム。

ナイスグループは浮き沈みが激しい映像やクリエイティブの世界で40年間も「生き残ってこられた」老舗。その秘訣はリスクを恐れることなく、最新の機材やテクノロジーに積極投資する姿勢だといいます。
「映像の技術は日進月歩しています。私たちは日本ではなく、海外の最新事例や潮流に目を向け、自社に取り入れることで多くの仕事を獲得してきました。最近はトルコやクロアチアの技術を導入し、世界でも注目を集めている『リアルタイム3Dバーチャルシステム』を可能にするスタジオを開設しました」
このシステムを取り入れたスタジオでは、カメラワークに合わせてリアルタイムに背景を合成し、バーチャル空間で多彩な表現を可能にするのだとか。人間の動作を記録し、デジタルデータ化する「モーションキャプチャ」というテクノロジーも活用できることから、大手動画サブスクリプションサービスのドラマ制作に携わることになったそうです。
「とはいえ、ミッションに対してベストなクリエイティブを制作する ために、どの技術を使うかチョイスするスタッフの力も重要です。テクノロジーと人材をセットで提供できるのが当グループの強みです」

点と点の活動を、線につなげる出会いの場。

ナイスグループの本拠地は宮の森エリアの「宮の森スタジオ」。2020年には創成川イーストエリアにキッチンスタジオ「ZOU CREATIVE KITCHEN(ゾウクリエイティブキッチン)」を開設した他、地下鉄東西線西18丁目駅のそばに「ZOU Cafe(ゾウカフェ)」もオープン。
「キッチンスタジオは北海道の食を発信できる場として利用してもらい、若い人がテストキッチンのようにも活用してほしいと考えました。例えば、カメラマンが写真教室を開いた後に、焼きそばを振る舞うだけでも楽しいですよね」
コロナ禍でまだ実現してはいないものの、「ZOU cafe」の2階はシェアオフィスにする予定。多くの機材を必要としない若手インスタグラマーやユーチューバーといったクリエイターの出会いの場にしてほしいそうです。
「キッチンスタジオやカフェは利益を見込んでオープンしたわけではありません。ビジネスにすぐ直結せずとも、クリエイターの点と点の活動を線につなげることで北海道に少しでも貢献したいと思っています。さまざまな業界の人が集う場から、新たな化学反応が起こることに期待したいですね」
4Kだけでなく、8Kや6Kドローンでの撮影も可能。ハイエンドなエディットルームやMA(音の調整)ルームでクオリティの高い映像を制作。

niceグループ(株式会社nice)

TVCMや、Web動画、PV、MV、映画など、映像の企画から演出、撮影、編集といった制作業務をワンストップで行う。時代に対応した多岐にわたる映像技術を提供。
北海道札幌市中央区宮の森1条11丁目1-2 宮の森スタジオ
TEL.011-612-0505
http://www.nice-sapporo.jp/

北海道ビジネスニュース

最新記事5件

81歳が新設した、出会いと憩いの卓球場「ピンポンコロシアム」 2025年3月24日 公開

81歳で事業を立ち上げた代表の上田浩さんに、立ち上げに懸けた思いや、今後の展望を伺いました。

買い物も遊び場もひとつに。現役ママが立ち上げた理想の育児の場「Acoco」 2025年2月10日 公開

代表の古川遥さんに、お店を立ち上げた経緯や、開店後のさまざまな変化、今後の展望を伺いました。

目指すは南区の地域活性化。不動産業を通して、学生や高齢者をサポート。【株式会社アクト】 2025年1月20日 公開

株式会社アクト代表の河村直樹さんに、企業の経緯や今後の展望を伺いました。

鍛え上げたのは筋肉とプロ意識。〝マッチョ介護士〟で、介護福祉業界に革命を。【NOIE SAPPORO(ノイエ札幌)】 2024年11月18日 公開

執行役員・営業本部長の西松伸悟さんと、「マッチョ介護士」を目指して奮闘中の鈴木拓己さんにお話を伺いました。

ページトップへ戻る