発祥の地である「Risotteria.GAKU 時計台」。ビジネス街の地下というロケーションを生かし、隠れ家のような店構えが特徴。自身が開業時にサポートしてもらったという経緯から、「のれん分け」にも積極的。現在、平岸と旭川の2店舗はFC店として元従業員が経営している。
ショートケーキ缶が生まれたきっかけは何ですか?
僕には妻と2人の子どもがいます。お酒を飲んだ帰りにはよく、罪滅ぼしにコンビニでスイーツを買って帰るんです。でも酔っ払っているからでしょうか、家に着くころには形が崩れている事も多くて。持ち帰りやすくて、もっと本格的なスイーツがあったらいいのにな…という、これまた僕自身の願望が発端です。
自販機で売るという発想も面白いですよね
お土産用として夜に提供したい一方、コストの面から店舗はなるべく構えず、食品ロスも出したくなかったんです。そこで当初は箱形の容器で自販機に入れてみたら、ボタンを押して「ガコン」と落ちた直後にグチャグチャに(笑)。ケーキの形を保ったまま売る事はできないかなと思っていたころ、パッケージの見本市でちょうど透明の缶を発見したんです。これなら運びやすくて、見た目も奇麗だからもらった人が喜んでもらえるだろう。そんな確信を得て2カ月ほどかけて商品化させました。
今後の展開を教えてください
実はショートケーキ缶がSNSで〝バズった〟おかげで、世界各国から問い合わせが鳴り止まない状況です。商談の機会も得られたので、今後は海外展開を予定しています。まさにコロナ禍というピンチがチャンスになりました。
あとはこれまで北海道の食材を生かしたメニューを開発してきましたが、例えばフルーツ天国である沖縄でスイーツの店を開くなど、更なる味の探求という面でも新たな可能性を広げていきたいですね。
ビジネスで大切にしている事は?
嘘をつかない事。お客様にも、従業員にも、自分にも、とにかく正直である事。ただそれだけですね。店舗数や売り上げ、道外や世界に進出することがスゴイとは全く思いません。いかに自分とスタッフが楽しく、お客様に喜びを提供できるか、そんなシンプルな考えこそ、僕の原動力となっています。