環境や制度、将来の道を整え、一生働きたい業界と感じていただくことを目標にしています。【ほくろう福祉協会】
2023年4月3日 公開
札幌市内の3つの特別養護老人ホームに加え、市から委託を受け地域包括支援センターの運営にも取り組んでいる社会福祉法人ほくろう福祉協会。325名の職員を束ねる理事長松本剛一さんに、入職のきっかけや人材確保の取り組みなどについてお話を伺いました。
組織基盤をつくりあげるという手応え。
学生時代は福祉業界志望ではなかったと聞きましたが…
社会福祉学科に進学しましたが、実は介護や福祉に対する高い志や夢があったわけではないんです。ただ就活時期を迎え、同学科の学生が景気のいい民間企業に就職しているのを目にする中で、自分は4年間学んだことを無駄にしたくないと考えるようになり、開設間もない当法人に入職したんです。生活相談員(ソーシャルワーカー)からのスタートでした
とはいえ、若くして施設長や理事に就任されていますが…
当時の上司が若い人材に積極的にチャンスを与える方でした。かくいう自分も現場仕事はもちろん、スタッフ育成や組織づくりにもやりがいを感じるタイプなんです。人事システムの構築、介護サービスの指針の作成など、さまざまな責務やチャンスを与えていただいたからこそ、成長し続けることができたと思っています。
まさに理事長とともに歩んだ法人、その特徴を挙げると?
特養に的を絞り高品質なサービスを展開していることに加え、地域包括センターを運営していること、広く研修事業に取り組んでいることも大きな特徴です。自分たちだけのため…という感覚では業界の課題は解消できません。自治体の施策や介護人材の拡大に貢献することも当法人の大切な使命だと感じています。
社会福祉学科に進学しましたが、実は介護や福祉に対する高い志や夢があったわけではないんです。ただ就活時期を迎え、同学科の学生が景気のいい民間企業に就職しているのを目にする中で、自分は4年間学んだことを無駄にしたくないと考えるようになり、開設間もない当法人に入職したんです。生活相談員(ソーシャルワーカー)からのスタートでした
とはいえ、若くして施設長や理事に就任されていますが…
当時の上司が若い人材に積極的にチャンスを与える方でした。かくいう自分も現場仕事はもちろん、スタッフ育成や組織づくりにもやりがいを感じるタイプなんです。人事システムの構築、介護サービスの指針の作成など、さまざまな責務やチャンスを与えていただいたからこそ、成長し続けることができたと思っています。
まさに理事長とともに歩んだ法人、その特徴を挙げると?
特養に的を絞り高品質なサービスを展開していることに加え、地域包括センターを運営していること、広く研修事業に取り組んでいることも大きな特徴です。自分たちだけのため…という感覚では業界の課題は解消できません。自治体の施策や介護人材の拡大に貢献することも当法人の大切な使命だと感じています。
いくつもの取り組みを積み上げて人材を確保。
ほくろう会は職員定着のための施策が多いことでも知られています。
人材確保と人材定着に関する多彩な施策に取り組んでいます。例えば、正職員と臨時職員を自由に選べる制度、介護サポーターやスパヘルパーの新設など雇用形態を工夫しているほか、職員ケアが専門の介護育成担当主任の配置、スマートスーツの導入、更に夜勤時間の2区分化で職員負担の軽減を実現するなど、労働環境も大幅に改善しています。また時間帯別の時給アップや細かな手当の設置など、待遇も随時更新しています。こういった施策の積み重ねが定着率に影響していると感じますね。
休日の拡大に関する検討も進んでいるとか。
残業なし、完全週休二日制や有給休暇のフル消化、年間休日120日以上は、この業界ではもう常識化しつつあります。当法人では現在、選択制週休3日制度の導入、小中学生を子育て中の主婦が春夏冬の長期休みを取得できる制度などを検討しています。
理事長が作成したキャリアパスも分かりやすい!
たとえ未経験で入職しても、現場での経験や資格取得・研修を重ねると、現場マネージャーや管理職にステップアップできることを提示しています。もちろん、どの道に進むかは自主選択が基本です。更に昇進による標準年収や手当もリアルに記載しています。昇給はモチベーションに直結しますからね。
職員の離職の分析も進めているとか。
2年前から「介護人材対策課長」というポストを設け、その原因や背景を探り、改善すべき点があればすぐに着手するという試みも進めています。
人材確保と人材定着に関する多彩な施策に取り組んでいます。例えば、正職員と臨時職員を自由に選べる制度、介護サポーターやスパヘルパーの新設など雇用形態を工夫しているほか、職員ケアが専門の介護育成担当主任の配置、スマートスーツの導入、更に夜勤時間の2区分化で職員負担の軽減を実現するなど、労働環境も大幅に改善しています。また時間帯別の時給アップや細かな手当の設置など、待遇も随時更新しています。こういった施策の積み重ねが定着率に影響していると感じますね。
休日の拡大に関する検討も進んでいるとか。
残業なし、完全週休二日制や有給休暇のフル消化、年間休日120日以上は、この業界ではもう常識化しつつあります。当法人では現在、選択制週休3日制度の導入、小中学生を子育て中の主婦が春夏冬の長期休みを取得できる制度などを検討しています。
理事長が作成したキャリアパスも分かりやすい!
たとえ未経験で入職しても、現場での経験や資格取得・研修を重ねると、現場マネージャーや管理職にステップアップできることを提示しています。もちろん、どの道に進むかは自主選択が基本です。更に昇進による標準年収や手当もリアルに記載しています。昇給はモチベーションに直結しますからね。
職員の離職の分析も進めているとか。
2年前から「介護人材対策課長」というポストを設け、その原因や背景を探り、改善すべき点があればすぐに着手するという試みも進めています。
時代にマッチした職場環境を作り上げること。
地域支援や教育機関との連携も積極的です。
町内会への役員派遣、家庭向けの介護教室の開催、子どもたちへの昔遊びの伝承などの地域支援のほか、大学や専門学校からも実習生を積極的に迎え入れています。介護の世界を身近に感じていただくことも、介護人材の増加につながるはずですから。
組織づくりや制度改革がとてもシステマティックに映ります。
すでに介護を精神論だけで語る時代ではないと思っています。利用者様に生きる喜びを感じていただくのと同様、職員も生きる喜びを享受できる職場でなければ、仕事も組織も長続きしません。片手間や思いつきの改革ではなく、待遇から環境まで全体を俯瞰したシステマティックな改革に取り組むこと、改善点や要望があれば速やかにアップデートしていくことで、時代にマッチした職場が誕生すると思っています。
働いてみたいと自発的に感じる職場ということですね。
大切なのは、介護という仕事を職員の人生をかけるに値する職業としてとらえてもらうこと。そのために全身全霊を傾けるのが私の役割なんです。
町内会への役員派遣、家庭向けの介護教室の開催、子どもたちへの昔遊びの伝承などの地域支援のほか、大学や専門学校からも実習生を積極的に迎え入れています。介護の世界を身近に感じていただくことも、介護人材の増加につながるはずですから。
組織づくりや制度改革がとてもシステマティックに映ります。
すでに介護を精神論だけで語る時代ではないと思っています。利用者様に生きる喜びを感じていただくのと同様、職員も生きる喜びを享受できる職場でなければ、仕事も組織も長続きしません。片手間や思いつきの改革ではなく、待遇から環境まで全体を俯瞰したシステマティックな改革に取り組むこと、改善点や要望があれば速やかにアップデートしていくことで、時代にマッチした職場が誕生すると思っています。
働いてみたいと自発的に感じる職場ということですね。
大切なのは、介護という仕事を職員の人生をかけるに値する職業としてとらえてもらうこと。そのために全身全霊を傾けるのが私の役割なんです。
社会福祉法人ほくろう福祉協会
社会貢献・地域貢献をモットーに、利用者(高齢者・家族・地域住民)の皆様に少しでも多くの「幸せ」を実感してもらえるよう、多角的な視点で事業を推進している。
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