株式会社補償セミナリー

2022年3月1日公開

株式会社補償セミナリーは、公共事業などによって民間の土地の取得や建物の移転が必要になる場合、土地・建物を調査し、財産価値を算定する「補償コンサルタント」を事業に据える企業。公共性の高いこの仕事にプライドを持ち、社員の幸せも常に考える代表取締役の中野芳さんにインタビューしました。

人間的な成長も、働く意義の一つです。

株式会社補償セミナリー代表取締役中野芳さん（68歳）
北海道標茶町出身。釧路湖陵高校卒業。2004年6月に株式会社補償セミナリーの3代目に就任。2014年からは日本補償コンサルタント協会北海道支部長を務める。

面接で必ず聞くことホームページの感想です。

月並みかもしれませんが、面接では当社のホームページを見ているか尋ね、感想を求めるようにしています。私が特に大切にしているのは経営理念。当社は公共事業に資する仕事を手がけていることから、「誠実な仕事」や「国民の財産を守るプライド」という意識が必要。一方、私が尊敬の念を抱いている稲盛和夫塾長（京セラ名誉会長、KDDI最高顧問、JAL名誉顧問、稲盛財団理事長など）の「盛和塾（2019年末解散。現在は、フィロソフィ経営実践塾）」の教えから、社員の力を伸ばす環境を用意し、物心ともに幸せにすることを使命として掲げています。
学生さんがホームページを見た上で、こうした思いに賛同してくれるのであればミスマッチは少なくなります。ただ、ホームページを見ていない場合も、私のほうから理念や会社についてどんどん話してしまいますが（笑）。

ココを見ている質問や疑問をぶつけてくれる積極性。

当社の仕事は公共事業によって移転などを余儀なくされる方に対し、財産を正確に調査して補償額を算定するものです。そのため面接では人柄…とりわけ誠実さに着目しています。ただし、世間に広く知られている仕事ではないため、具体的な業務内容はイメージしづらいはずです。だからこそ、「具体的にはどのようなことをするのですか？」や「ホームページのこの部分はどういうことでしょう？」といった意欲を持って質問してくれる姿勢も評価しています。
面接で応募者がこの仕事に興味を持っていると感じた場合、時には調査現場に一緒に行き、社員の働きぶりを見学してもらうこともあります。そこで、さらに疑問や質問をぶつける自主性が垣間見えると、「ぜひ、当社で働いてみませんか？」とその場で内定を出したことも。このように熱意や積極性を感じて入社していただいた社員は、長く働いてくれるケースが非常に多いんです。

こんな社会人に自分の仕事を好きになりましょう。

私は社員と面談の機会を設け、一人ひとりがどういう未来を描きたいのか話し合うようにしています。同時に会社に対する不満を吸い上げ、改善できることは改善するよう努めているのです。長い人は3時間くらいお話しすることもあるでしょうか。
その中で気付いたのは、最近の若い世代は苦労や失敗を恐れるあまり仕事を消極的なものとして捉える方も多いようです。暮らしを維持するために働くというのも当然の側面ですが、そればかりでは味気ないと思います。せっかく入社したからには自分の仕事を好きになったほうが、向上心も勉強意欲も湧き上がり、気持ちも前向きになるものです。こうした人間的な成長をすることも働く意義の一つだと思っています。