自然栽培の農業を軸に、「好き」や「得意」が生かせる「ときの森 衣食住」。
2022年7月25日 公開
楽しいことを仲間と共有し、みんなで幸せな場を。
「子どもに甲状腺の病気が見つかったことをきっかけに、家族のために安心して食べられる野菜を作ろうと農家を目指すようになりました。農薬や肥料を一切使わずに作物を育てる札幌市の自然栽培農家のもとで研修を受け、2015年に新規就農したんです」
現在は札幌市、江別市、岩見沢市に農場を展開し、トマトやナス、ニンジン、大豆、サツマイモ、ブルーベリー、ハーブといった作物を育てています。それらの販売や加工品作りを行う場が「ときの森 衣食住」。フードロスを削減させる観点から、他の自然栽培農家の規格外となってしまった農産物も、干し野菜やパウダーにして収益化させています。
「当初は農業や農作物の加工・販売だけで生きていこうと考えていましたが、僕も妻も楽しいことを仲間と共有し、みんなで幸せな場を作りたいと思い、ときの森 衣食住を立ち上げてほどなく、子どもたちを対象とした畑あそびや農作業体験を提供するようになりました」
邦宏さんとひろみさんは、こうした活動を通じてシングルマザーや障がいを持つ子どもの親御さんなど、さまざまな背景を抱える人とのつながりを深めていきました。親子の農業体験や食や身体のお話し会など多様な人の居場所を作り、また時にはお手伝いしてもらいながら多世代交流をしていきたいと考えるようになりました。
社会や次のステップへ、つながる取り組み。
「元スタッフの娘さんは中学の途中から学校に行かなくなり、高校は進学しませんでした。でも、ニンジンの種まきやブルーベリー摘みを手伝ってもらい、自然の中で体を動かしているうちに心が癒やされていったのでしょう、アルバイトができるようになったんです。私たちの活動が、社会に出ることにつながったり、次のステップへ進むためのバネになったりすると、これ以上ないくらいうれしいですね」と、ひろみさん。二人は2020年に「ときの森 衣食住」の家族サポート事業を引き継ぎ、「ときの森 かなでる」として、ヨガ教室、料理教室、身体や子どものお話し会などに取り組んでいます。
「私たちはスタッフの家族のことまで考えて、寄り添っていきたいと思っています」
みんなの「やりたい!」を本気で事業化。
「他にも、現在は飲食業の営業許可を取ろうとしているところです。僕らが飲食店を営むのではなく、『お店を持つのは無理だけど料理を出してみたい』というママや、家族で居酒屋気分を楽しみたい人にレンタルスペースのように貸し出したいと思っています。僕らが多彩な取り組みを行っているのは、『みんなのやりたい!』を実現したいからです。その上で小さな手数料をいただければ普通に暮らしていけますからね」と邦宏さん。最後にひろみさんが言葉を継ぎ、こう締めくくりました。
「最近は動画編集の得意なスタッフにYou Tube動画を制作してもらいました。このように、得意なことや好きなことを生かせる居場所を数多く用意し、多様な働き方ができる『村』を作るのが最終目標です」
ときの森 衣食住
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