強く優しい組織づくりから、北海道をみんなに優しい地域にしたい。障がい者雇用の伴走型コンサルティング【株式会社ブレイネット】
2026年6月15日 公開

きっかけは行政機関からの“イエローカード”?
「担当者の方が突然会社にいらっしゃって『このまま障がい者を採用しなければ、来年は御社の社名を全国へ公表します』と言われたんです。実は私自身も当事者で、若いころに左手が不自由になり障がい者手帳も持っています。にもかかわらず、30年近く法定雇用率の存在すら知らなかった…そのことにショックを覚えました」
更に齊藤さんを驚かせたのが、雇用率未達成で生じる「納付金」の存在です。
「会社がこれまで払ってきたという金額を見て目を丸くしました。『これだけのお金があれば、もっと人を雇えるのに…』というのが率直な感想でした。急いでインターネットで調べて、就労支援を行っている機関やイベントへの参加を通じて採用をスタートしました」
しかし当初は一筋縄ではいかない出来事が続きます。ある店舗で休みがちな精神障がいの方を巡り、周囲の従業員から「あの人だけずるい」と声が上がったというのです。
「4人のパート従業員が『あの人を辞めさせないなら、私たちが辞める』と主張したのです。人員に限りがある小規模な店舗での一斉退職は痛手ですから、当初は焦って遠方にある店へ何度も足を運んでは対話を重ねました。平行線をたどっていたある時、若手社員たちが『会社として正しいことをしているから、齊藤さんを応援したい』『人が見つかるまで私たちが頑張る』と言ってくれたんです。最終的に4人は退職しましたが、残る従業員に理解が得られたことで危機を乗り越え、更に障がいのある方を受け入れる気運が高まっていったんです。自分の本気の姿勢が伝わったと実感した瞬間でした」
障がいの有無にかかわらず、大切なのは「基本のあいさつ」。
「これまで最も多くご相談いただいた内容が、小売業の方からの『当日欠勤にどう対応したら良いのか』という相談です。精神障がいの特性として体調に波が出やすいということはあり、欠勤が発生しやすいものです。ゼロにするのは難しいですが、毎週2日欠勤を繰り返していた方を、月1回程度まで改善することは充分に可能だと考えています」
その鍵となるのがマネジメント。「人に関心を持つ」という姿勢です。
「障がい者の定着がうまくいかない職場は、そもそも障がいの有無にかかわらず人への興味、関心がないケースが多いんです。管理職の役割は、従業員が何に困っているか、何が得意で何が苦手かを把握して、適材適所で活躍できるように取り組むことにあります」
では障がい者雇用を始めるにあたって、何から取り組むべきなのでしょうか。
「日常の何気ないコミュニケーションです。週1回、面談の機会を設けなければと気負わずとも、日ごろから顔を合わせ、顔色に変化があった時に『どうしたの?』と声を掛けるだけでも大きな効果があるでしょう。日常的にコミュニケーションができていると、いざという時に相談がしやすい関係性が生まれ、当日欠勤問題の解消につながるんです。要は『基本のあいさつ』が大事なんですね」
強く優しい組織づくりで優しい地域づくりを目指す。
「どんなケースであれ『お隣の部下と同じように接してください』とお伝えしています。大切なのは自らが『障がいだから』『グレーゾーンだから』といった無自覚なフィルターを無くし、特別扱いしないこと。障がいを抱える人が健常者と同じスタートラインに立てるような合理的配慮は必要ではありますが、だからと言って優遇をする必要はありません」
最終的に障がい者雇用で整えた環境は、育児中の方や体調に波のある従業員などすべてに優しく、そして強い職場づくりへとつながると齊藤さんは話します。
「例えば足の不自由な方のために建物へエレベーターを設置したら、上階にお年寄りや妊婦さんも来やすくなりますよね。同じように、適切なマネジメントが機能している組織には、障がいの有無にかかわらず、シニア層や外国人材といった多様な属性の方々も、それぞれの強みを生かして働ける基盤が備わっています。それがダイバーシティの本来の価値ではないでしょうか。障がい者雇用を、単なる『美談』で終わらせるつもりはありません。生産性や合理性の向上、そして何より強い組織づくりという『確かな実益』につながることを、これからも丁寧にお伝えしていきたい。そうして札幌や北海道に優しい会社が増えていけば、やがて地域全体がもっと優しい場所になっていくと信じています」
株式会社ブレイネット
https://www.brainet-consul.com/
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