北海道ビジネスニュース 北海道ビジネスニュース【株式会社テックサプライ】

2021年1月18日 公開

ビルを守り、人を守り、地球を守る!循環型社会を目指すビルメンテナンスの会社。

26年前に一人の女性が起業したビルメンテナンスの会社、テックサプライ。現在は300人を超える従業員を抱え、警備や家事代行、教育、内装・改修工事など、さまざまな分野に業容を拡大し、環境事業にも積極的に取り組んでいます。社長・幡優子(はた ゆうこ)さんに、会社、そして事業への思いについてお話を伺いました。
「働いてくれるみんな、出会った人たち…。ご縁のあったすべての人に幸せになってほしいと心から願っているんです」と幡さん。

専業主婦から起業を決意。理由は「子育てのため」。

厚岸町生まれ、酪農学園大学出身の幡優子さん。

初対面の人もまるで家族のように包み込む温かみあふれる笑顔と気さくな口調、柔らかな物腰…。幡さんがテックサプライを創業したのは34歳の時です。ご主人を病気で亡くし、3人のお子さんたちを育てるために起業という道を選んだと話します。
「子どもたちの環境を変えないように転校させたくなかったことや、住宅ローンの金額などから就職条件を考えると、どうも難しそうだなと思って…。社会経験も浅かったうえ当時は専業主婦で、世間を知らなかったからできたことなのでしょうね。もっと社会経験があれば『起業など簡単にできることではない』と、逆に二の足を踏んだかもしれません」
大手ビル管理会社での勤務経験があり、ご主人との出会いも職場だったという幡さん。起業にあたっては「少しでも知っている仕事を…」とビルメンテナンス業界を選んだそう。ご主人が残したアドレス帳を見ながら1軒1軒営業を行い、作業員さんたちに付いて現場で仕事を覚え、ただただ無我夢中で全力疾走を続けたそうです。

一人でも多くの人に働く場を生み出したい!

当初、有限会社だったテックサプライが株式会社に転換したのは創業から8年後。その頃には社員約100人を抱えるまでに成長し、司法書士さんから「こうして事業を続けることは素晴らしい。多くの人を雇用することは、大きな社会貢献の一つですね」と言われた言葉が心に深く残っていると言います。
「私は子どもを育てるためだけに必死で頑張って来たのに、それが従業員の生活を守り社会の役にも立っているということに初めて気付いたのです。私が子どもを養っているように、従業員たちも家族を守っている。みんな同じ、みんな家族なのだって。一人でも多くの方に働く場とチャレンジできる機会を生み出し、どんなことがあっても雇用は守っていきたい。それが私の信念です」

環境事業への取り組みで、世界中の人たちを幸せに。

お客様からのニーズを受け、多分野での事業拡大を行ってきた幡さんですが「当社の本業はあくまでもビルメンテ」。ビルメンテを軸としながら環境事業にも積極的に取り組む理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「建物だって生きもの。建物の生命を守りコンディションを日々整えることは、そこで働く人や利用する人の生命や健康を守ることです。そう考えた時、どんなに一つのビルを磨いても、地球が元気でなければ人間もどんな生きものも元気ではいられないでしょう。それが私たちが環境事業に取り組む理由なんです」
日本環境設計株式会社(東京都)が推し進める〝BRING 事業〟の北海道でのけん引役を務め、小泉進次郎環境大臣とも会談を行うなど、環境活動におけるテックサプライメンバーの精力的な活動は今や全国的にも注目の的。北海道日本ハムファイターズやレバンガ北海道の公式戦・イベントなどで古着やプラスチックを集め、新たな衣料や燃料へと生まれ変わらせる活動にも取り組んでいます。
「今後は、日本環境設計株式会社さんと力を合わせて、ペットボトルからペットボトルへ、何万回再生しても劣化することのない等価再生リサイクルにも取り組んでいきたいと思っています。石油資源に頼らない社会が作れれば、石油の取り合いによる戦争だってなくなるはず。世界中の子どもたちが健康で、幸せに生きていける社会を目指し、より一層持続可能な社会、環境を目指して活動を展開していきます」

株式会社テックサプライ

清掃や点検などのビルメンテナンスと交通誘導やイベントでの警備を中心に、家事代行や育児支援・清掃・軽作業などを行う「ねこの手サービス」、社員研修・教育事業、「サーキュラー・エコノミー(古着で作る循環型社会)」を目指す環境事業、エシカルショップ「Pono」の経営など幅広い事業に取り組む。
札幌市東区北22条東1丁目2-17
TEL.011-723-5510
https://www.tec-supply.jp/
BRING事業⇒https://bring.org

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