北海道ビジネスニュース【CONTACT】
2020年3月23日 公開
地元で働く人と札幌を旅する人の新たな出会いと交流を生み出す「接点」に。

「働く」と「旅」の新しい化学反応を。

CONTACT マネージャー/塩津 萠さん
「ここは宿泊やシェアオフィスの受付をする他、カフェとしてドリンクを提供しています」
塩津さんは函館市のご出身。大学進学で上京しましたが、株式会社北海道TSUTAYAが地元でブック&カフェを中心に上質な時間を届ける「蔦屋書店」をプロデュースすることを知り、新卒入社と同時にUターンしたといいます。
「当施設の構想が持ち上がったのは2017年の春です。当時、私を含む入社1年目の社員が社長に新しい企画をプレゼンすることになり、シェアオフィスと宿泊施設を複合させた新しいスタイルに挑戦したいと伝えました。すると、『やったらええやん』とすぐにプロジェクトが動き出したんです」
塩津さんは函館市の蔦屋書店に勤務していた際、地元のクリエイターとの出会いからイベントが生まれるなど、新しい交流が新しい物事を生み出すことを実感。加えて、自身が旅好きであることから、旅人と地元に暮らす人との融合が面白い化学反応につながると考えたそうです。
映像制作ができる人と、勉強したい人のマッチングも。

カフェコーナーでは「Cafe MORIHICO.」のコーヒー、「USAGIYA」のお茶などを販売。宿泊者は朝食に「ブーランジェリーポーム」の食パンを無料で提供。
「当施設のコンセプトは札幌で働くオフィスワーカーと、札幌を訪れる旅行者があえて出会うことによってお互いに新しい価値を提供することです。ラウンジは、この思いを最も反映できる場所として位置付けています」
施設の空間を手掛けたのは東京のデザイナー。人の接点や交流が生まれるというコンセプトをもとに、スマートで居心地の良い雰囲気を作り上げました。一角にあるブックライブラリーの本は、函館市の「蔦屋書店」で活躍するブックコンシェルジュが、アートや旅、ビジネスなどのカテゴリーからひらめきを得られるものを選び抜いたそうです。
続いて案内してもらった2階のシェアオフィスは、月額料金を支払うレギュラー会員だけが利用できます。「ウェブデザインや飲食業、不動産業、アーティストまでさまざまな方が仕事をしています。映像制作ができる人を探している方と、映像を勉強したい方のマッチングが起きたこともあるんですよ」と塩津さん。3階から6階は女性専用フロアも含む宿泊スペースです。海外の旅行者がピザパーティやちらし寿司パーティを企画したこともあると教えてくれました。
新しい出会いやアイデアに触れられる場所へ。
「宿泊の常連さんが下川町の役場職員の方を紹介してくれたことをきっかけに、1階のラウンジで町のPRイベントを開きました。2日間で200人近くが集まるほど大盛況だったんです。他にも、北海道の食品を扱う方と商業施設に携わる方が出会い、当施設でポップアップ(期間限定)の販売を行ったこともあります」
とはいえ、宿泊もシェアオフィスもコワーキングスペースも、単体で見ると利用者は多いものの、人と人との交流が自然発生的に生まれる機会は思った以上に少ないのだとか。塩津さんはスタッフを介して、もっとたくさんの接点を作りたいと表情を引き締めます。
「飲食のイベントやワークショップは、人が気軽に集まりやすいと思います。こうした認知度アップの場を設けることで、当施設には新しい出会いがあり、新しいアイデアに触れられると思ってもらえるようにステップアップしたいですね」
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2Fのシェアオフィスの利用は月額25,000円から。
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宿泊スペースのキッチンでは自炊が可能。カニ料理やローストビーフといった本格的な料理に腕を振るう宿泊者もいるとか。
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プライベートを確保した2段ベッド。読書灯、コンセント(USB有)、セキュリティボックス付き。1泊3,000円からと格安。
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