北海道ビジネスニュース【三笠高校生レストラン MIKASA COOKING ESSOR(エソール)】
2018年9月3日 公開
食をテーマとした情報発信の拠点を目指す「高校生レストラン」

2018年7月22日のオープン以来、連日満席の大盛況となっています。
その立ち上げに携わり開店をサポートしてきた三笠市職員の音羽さん、樋口さんにお話を伺いました。

開設準備係長/音羽英明さん(右)
開設準備係 主任主事/樋口幸絵さん(左)
運営は道内公立唯一の食物調理科単科校に通う現役の高校生たち
当初は道立だった三笠高校。定員割れが続き、生徒募集を停止したのは2010年のことです。2012年3月に一旦閉校となった後、同年4月から三笠市が運営を引き継ぎ、道内公立高校唯一の食物調理科単科校として新たなスタートを切りました。「高校生レストランの構想は、実は開校当時から既にあったものでした」と三笠市教育委員会高校生レストラン開設準備室開設準備係長の音羽英明さんは話します。
「三笠高校が市立として再スタートした背景には、何とかして学校を残したいという市民の思いがありました。道立時代に行き詰まった経緯を考えても、普通科のままでの存続は難しい。北海道の産業の大きな柱が食と観光であることを踏まえ、食物調理科という選択をしました」
三重県の高校をモデルに挑んだ飲食店立ち上げ
市職員によるレストラン開設準備室が発足したのは昨年1月。高校側と連絡を取りながら、4人のスタッフが建物の設計や厨房・客席の配置、外部へのPR、料理の原価計算、光熱費計算など開設のためのさまざまな業務を担当することになりました。
「すべてが大変でしたね。みんな市の職員ですから飲食店業界には素人。私は元々学校教育担当でしたし、同じくメンバーになった樋口は移住・定住促進の担当だったんです。飲食店の開業マニュアルを何冊も読みあさり、無我夢中でした」
目指すのは食を通じた地域交流と町づくり
「このレストランが食に携わる担い手の育成に貢献すること、北海道の食をテーマとした情報の発信拠点として成長してくれることが私たちの願い。施設内にはプロ仕様の調理設備を備えた『キッチンスタジアム』もあり、居住地や個人・企業問わず、料理教室やコンテストなどにお使いいただけます。すでに他校の研修にも利用され、先日は幌加内高校の生徒さんが蕎麦を打ってふるまってくれたんですよ。食を通じた生徒同士の交流の場や、培った技術を確認するコンクールの舞台にもぜひ活用していただきたいです。全国の高校生たちが活躍できる場になってくれたら最高ですね」
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レストランを運営する三笠高校調理部の皆さん。顧問の斎田雄司先生は相可高校出身。
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「まごころきっちん」で提供する「青春御膳」(1200円)。だしも南茅部産真昆布と鰹節で丁寧にとる。
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キッチンスタジアムは市民以外も利用可能。プロ仕様の調理器具で、料理のほかパンやお菓子作りもできる。
三笠高校生レストラン MIKASA COOKING ESSOR(エソール)

TEL.01267-3-7335
mikasa-highschool-restaurant.com
※「まごころきっちん」「Cherie」は土日祝、長期休業期間(春・夏・冬)のみ営業です。詳細はHPでご確認ください。
三笠市教育委員会/三笠市若草町404 TEL.01267-2-2197
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