老舗の菓子問屋が届けるお菓子のサブスク「安心おやつの定期便」【株式会社ナシオ】
2024年10月21日 公開
北海道の食材を使ったお菓子が毎月自宅に届く。そんなサービスが関心を集めています。株式会社ノースカラーズが今年5月に開始した「安心おやつの定期便」は、半年で120組以上のリピーターを獲得しました。このサービスの経緯と展望について、同社商品開発の古川詩菜さんにお話を伺いました。
老舗菓子問屋、100年目の挑戦
ノースカラーズの母体は札幌に本社を置く菓子卸売業、株式会社ナシオ。1911年(明治44年)に北見市で創業し、戦時中の統制による一時廃業や激動の時代を経て、2007年には東京に首都圏本部を設置。現在は東北から九州まで支社を置く全国企業へと成長しました。同社が創業から100年目の2011年という節目に設立したプライベートブランドが、ノースカラーズです。
「原料調達から製造、そして販売までの『入口』と『出口』双方のネットワークを築けるのは、卸売業ならではの強みでもあります。この特長を生かし、他社にはないオリジナル商品を作りたいと考えたのが、ブランド設立のきっかけでした。ナシオは長らく菓子メーカーと小売業とをつなぐBtoB事業を中心に手掛けてきましたので、100年の歴史の中で初の試みです」
ブランド発足当初からノースカラーズが取り組んできたのが、安心・安全な菓子作りです。調味料や保存料、着色料、香料を一切使わず、原料のすべてを国産にした「おいしい純国産」シリーズや、化学肥料や農薬などを極力使用しない「プラスオーガニック」シリーズは、発売以来、健康志向の高い方を中心に数々のファンを生み出してきました。
「作り手自身が安心し、自社しかできない商品を作るのが、開発当初から大切にしていることです。例えばコストが高い国産の米油のみにこだわるのも、長く流通に携わってきた当社だからこそ、安定供給を実現できます。こうした点がご好評いただき、設立十数年で今や商品のラインアップ数は40種類以上、売上も20億円規模と、非常に大きな成長を遂げています」
「原料調達から製造、そして販売までの『入口』と『出口』双方のネットワークを築けるのは、卸売業ならではの強みでもあります。この特長を生かし、他社にはないオリジナル商品を作りたいと考えたのが、ブランド設立のきっかけでした。ナシオは長らく菓子メーカーと小売業とをつなぐBtoB事業を中心に手掛けてきましたので、100年の歴史の中で初の試みです」
ブランド発足当初からノースカラーズが取り組んできたのが、安心・安全な菓子作りです。調味料や保存料、着色料、香料を一切使わず、原料のすべてを国産にした「おいしい純国産」シリーズや、化学肥料や農薬などを極力使用しない「プラスオーガニック」シリーズは、発売以来、健康志向の高い方を中心に数々のファンを生み出してきました。
「作り手自身が安心し、自社しかできない商品を作るのが、開発当初から大切にしていることです。例えばコストが高い国産の米油のみにこだわるのも、長く流通に携わってきた当社だからこそ、安定供給を実現できます。こうした点がご好評いただき、設立十数年で今や商品のラインアップ数は40種類以上、売上も20億円規模と、非常に大きな成長を遂げています」
根強いファンの声から誕生したサブスク
「安心おやつの定期便」は、毎月10個から15個の商品を定額で届けるという、いわゆる〝サブスク〟のサービス。「子どもに安心・安全なお菓子を食べさせたい」という消費者の需要も大きいことから、3歳から5歳向け、小学校低学年向け、一般向けの3種類のラインアップから選ぶ事ができます。サービスをはじめたきっかけは「もっと近くで購入したい」というお客様からの声に応えたいという思いがあったそうです。
「ナシオは全国に支社を置く企業ではありますが、ネットワークは北海道が中心で、全国的にはまだまだ発展の途中です。特に首都圏や大都市圏ではノースカラーズの商品を購入できる店舗はオーガニックスーパーに限られてしまい、誰もが身近に手に入れられるとは言い難い状況でした。毎回新商品を楽しみにしてくださるファンのために、なんとかご要望に応えたい、そんな思いから発案したのがサブスクという形式だったんです」
今年4月のサービス開始以降、申し込み数は次々と増加。従来の健康志向の高い女性やシニア層、子育て世代だけでなく、個人の保育施設、教育施設からも注文を受けるなど、これまでにはない購買層の拡大にも成功したそうです。
「コースにより3500円から5000円と、お菓子としては決して安くはありませんが、『たくさん入っていてうれしい』との声や『お店では買えない珍しい商品も入っているのが楽しみ』など、うれしい反響を続々といただいています」
「ナシオは全国に支社を置く企業ではありますが、ネットワークは北海道が中心で、全国的にはまだまだ発展の途中です。特に首都圏や大都市圏ではノースカラーズの商品を購入できる店舗はオーガニックスーパーに限られてしまい、誰もが身近に手に入れられるとは言い難い状況でした。毎回新商品を楽しみにしてくださるファンのために、なんとかご要望に応えたい、そんな思いから発案したのがサブスクという形式だったんです」
今年4月のサービス開始以降、申し込み数は次々と増加。従来の健康志向の高い女性やシニア層、子育て世代だけでなく、個人の保育施設、教育施設からも注文を受けるなど、これまでにはない購買層の拡大にも成功したそうです。
「コースにより3500円から5000円と、お菓子としては決して安くはありませんが、『たくさん入っていてうれしい』との声や『お店では買えない珍しい商品も入っているのが楽しみ』など、うれしい反響を続々といただいています」
日本・北海道の安心食材を世界へと拡げたい
ノースカラーズの次なる目標は、海外進出だと話す古川さん。近年、欧米だけでなくアジア各国でも健康志向が高まっていることから、輸出に力を注いでいると言います。
「既にタイや香港、中国、ニュージーランドなどの日系スーパーや、『無印良品』での取扱を開始しています。日本製や北海道ブランドへの信頼は厚いですし、食品の安全性への信頼が低い国ほど、安心を求めているという傾向もあり、可能性は充分にあると見越しています」
明治時代、北見駅前の雑貨店から始まり、時代と共に柔軟にビジネスを変化させてきた株式会社ナシオ。ノースカラーズには、そんな同社の姿勢が表れています。
「従来の卸売りだけにこだわらず、開発や直販などこれまで取り組んでこなかったビジネスにも挑戦し、事業を拡大させていく、その足掛かりの一つがノースカラーズです。これからも北海道企業であることを大切に、世界のお客様へ安心とお菓子の喜びを届けていきたいと考えています」
「既にタイや香港、中国、ニュージーランドなどの日系スーパーや、『無印良品』での取扱を開始しています。日本製や北海道ブランドへの信頼は厚いですし、食品の安全性への信頼が低い国ほど、安心を求めているという傾向もあり、可能性は充分にあると見越しています」
明治時代、北見駅前の雑貨店から始まり、時代と共に柔軟にビジネスを変化させてきた株式会社ナシオ。ノースカラーズには、そんな同社の姿勢が表れています。
「従来の卸売りだけにこだわらず、開発や直販などこれまで取り組んでこなかったビジネスにも挑戦し、事業を拡大させていく、その足掛かりの一つがノースカラーズです。これからも北海道企業であることを大切に、世界のお客様へ安心とお菓子の喜びを届けていきたいと考えています」
株式会社ナシオ
1911年(明治44年)、北見市で創業。菓子メーカーと小売店とをつなぐ卸売をはじめ、小売店の売り場づくりに携わるリテールサポートにも尽力、2008年(平成20年)には全国進出を果たした。2011年(平成23年)にプライベートブランド「ノースカラーズ」を設立。
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