山林レンタル「レンタリン」。キャンパーと地主とをつなぎ、山林活用の新たな可能性を。
2024年9月30日 公開
「レンタリン」は、活用されていない“山林”を一般の人に“レンタル”してもらうサービス。コロナ禍でアウトドア需要が高まった2022年、株式会社道新サービスセンターが立ち上げた事業です。
きっかけは「自分だけの山が欲しい」という思い。
株式会社道新サービスセンターは北海道新聞のグループ会社として、折込広告やプロモーションなど広告業を軸に、保険や旅行などの事業を行ってきた企業。2021年、既存事業にとらわれず新たな可能性を探ることを目的に、「事業開発部」を新設しました。若手社員を中心に7人が集まり「世の中の不満・不安・不便を見つけて解消する」というコンセプトのもと、さまざまな新事業を発案。そのうちの1つが山林を区画分けして貸し出す新サービス「レンタリン」です。発案者の田村さんは、ご自身もキャンプ愛好家だと話します。
「子どものころ、父親に連れて行ってもらったことをきっかけにキャンプが好きになり、今もキャンプが大好きです。コロナ禍でますますアウトドアにのめり込み、自分で山を購入することまで検討していたのですが、コストやリスクが気になってなかなか手が出せずにいたんです。しかし、アウトドア好きの間でキャンプ用の山を所有したいという需要はどんどん高まる一方です。そこで思いついたのが『レンタリン』でした」
レンタルという形態であれば費用を抑えることができるし、購入後の長期にわたる維持・管理、相続などの不安も払拭できます。また、山林を所有する地主にとっても、活用されていない遊休地で収益が得られる、山林の荒廃を防ぐことができるなど、大きなメリットがあると注目を集めています。
「子どものころ、父親に連れて行ってもらったことをきっかけにキャンプが好きになり、今もキャンプが大好きです。コロナ禍でますますアウトドアにのめり込み、自分で山を購入することまで検討していたのですが、コストやリスクが気になってなかなか手が出せずにいたんです。しかし、アウトドア好きの間でキャンプ用の山を所有したいという需要はどんどん高まる一方です。そこで思いついたのが『レンタリン』でした」
レンタルという形態であれば費用を抑えることができるし、購入後の長期にわたる維持・管理、相続などの不安も払拭できます。また、山林を所有する地主にとっても、活用されていない遊休地で収益が得られる、山林の荒廃を防ぐことができるなど、大きなメリットがあると注目を集めています。
いつでも楽しめる山林を、安全に提供したい。
レンタリンの構想開始から「レンタリン」プレオープンまではわずか3〜4か月だったと振り返る田村さん。一体、どのように土地を探したのでしょうか?
「不動産情報サイトを見ても、需要の少ない山林の土地情報はなかなか掲載されていません。自分で車を走らせ、立て看板や近隣の方から地主さんの情報を得たり、法務局に問い合わせて土地情報を集めたりするところから始めました。道が整備されておらず、倒木を避けるためにのこぎりを持って歩くこともありました(笑)」
苦労の末、ようやく見つけたのが苫小牧市植苗地区の土地。所有する不動産会社が田村さんのアイデアに賛同してくれたこともあって、2022年1月「レンタリン」は事業の実現を果たすことができました。
「レンタル契約は年単位になるので、冬も積雪量が少なく年間を通してアウトドアが楽しめる苫小牧市は特に魅力的でした。現在は札幌市や北広島市などにもレンタル区画がありますが、共通点は市街地に近いということ。DIY資材や食材などを購入する上でも便利ですし、時間をかけずにいつでも自分だけの山林を楽しんでほしいという思いから、あえて人の生活圏に近い土地を選びました」
山林といえば気になるのがクマの出没。しかし田村さんはその危険性も考慮して、自治体や地元猟友会にも入念に確認をしてから土地選びをしていると言います。電気柵の設置や定期的な見回りも怠らないそうです。
「ただ、できる限りの管理を会社側でしていても、自然界では何が起こるか予測はできません。レンタル前には必ず見学に来ていただき、現地で利用ルール等の説明を受けた上で契約いただくよう、注意を促しています」
「不動産情報サイトを見ても、需要の少ない山林の土地情報はなかなか掲載されていません。自分で車を走らせ、立て看板や近隣の方から地主さんの情報を得たり、法務局に問い合わせて土地情報を集めたりするところから始めました。道が整備されておらず、倒木を避けるためにのこぎりを持って歩くこともありました(笑)」
苦労の末、ようやく見つけたのが苫小牧市植苗地区の土地。所有する不動産会社が田村さんのアイデアに賛同してくれたこともあって、2022年1月「レンタリン」は事業の実現を果たすことができました。
「レンタル契約は年単位になるので、冬も積雪量が少なく年間を通してアウトドアが楽しめる苫小牧市は特に魅力的でした。現在は札幌市や北広島市などにもレンタル区画がありますが、共通点は市街地に近いということ。DIY資材や食材などを購入する上でも便利ですし、時間をかけずにいつでも自分だけの山林を楽しんでほしいという思いから、あえて人の生活圏に近い土地を選びました」
山林といえば気になるのがクマの出没。しかし田村さんはその危険性も考慮して、自治体や地元猟友会にも入念に確認をしてから土地選びをしていると言います。電気柵の設置や定期的な見回りも怠らないそうです。
「ただ、できる限りの管理を会社側でしていても、自然界では何が起こるか予測はできません。レンタル前には必ず見学に来ていただき、現地で利用ルール等の説明を受けた上で契約いただくよう、注意を促しています」
“大人の秘密基地”には、可能性が無限大。
レンタル可能な区画面積は場所によって異なりますが、おおよそ30m×30m、年間のレンタル料は10万円前後です。建造物を建てることや生木の伐採など禁止事項はあるものの、どのように山林を利用するかはその人次第。「思い思いに自分だけの〝秘密基地づくり〟を楽しんでもらえたら」と田村さんは言います。
「キャンプだけに限らず、土地を囲ってドッグランにしたり、ウッドデッキやピザ窯を作ったりと、お客様によって楽しみ方はさまざま。準備や片付けなどのわずらわしさもなく、道具を置きっぱなしにできるという点でも好評なんです」
客層は仕事や子育てが落ち着き、時間やお金を趣味にかけられるようになった40代以降が多いのだそう。利用用途は少しずつ多様化してきてもいるようです。
「お孫さんの夏休みに合わせて遊具を作るシニアの方、会社帰りにカフェ感覚でコーヒーを飲みに来るサラリーマン、保養地として社員たちに利用させている企業もあります。ソロキャンパーだけではなく、家族や仲間との交流を楽しむ人や、癒しやメンタルケアを求めて利用する人もいるようです。今後もファミリー向けのイベントなどさまざまな可能性を探りつつ、山林で過ごしたいというすべての人に向けて、新たな利用方法の提案などもしていけたらと考えています」
「キャンプだけに限らず、土地を囲ってドッグランにしたり、ウッドデッキやピザ窯を作ったりと、お客様によって楽しみ方はさまざま。準備や片付けなどのわずらわしさもなく、道具を置きっぱなしにできるという点でも好評なんです」
客層は仕事や子育てが落ち着き、時間やお金を趣味にかけられるようになった40代以降が多いのだそう。利用用途は少しずつ多様化してきてもいるようです。
「お孫さんの夏休みに合わせて遊具を作るシニアの方、会社帰りにカフェ感覚でコーヒーを飲みに来るサラリーマン、保養地として社員たちに利用させている企業もあります。ソロキャンパーだけではなく、家族や仲間との交流を楽しむ人や、癒しやメンタルケアを求めて利用する人もいるようです。今後もファミリー向けのイベントなどさまざまな可能性を探りつつ、山林で過ごしたいというすべての人に向けて、新たな利用方法の提案などもしていけたらと考えています」
レンタリン
株式会社道新サービスセンターが2022年に立ち上げた、山林を区画分けして貸し出す新事業。苫小牧市をはじめ、札幌市・北広島市・旭川市・茨城県竜ケ崎市と、現在その貸し出し区画は全国に拡大。内覧会のお知らせや新エリアの優先案内、個別相談はHPまたはSNSから。
北海道ビジネスニュース
最新記事5件
81歳が新設した、出会いと憩いの卓球場「ピンポンコロシアム」
2025年3月24日 公開
81歳で事業を立ち上げた代表の上田浩さんに、立ち上げに懸けた思いや、今後の展望を伺いました。
出版を通して、経営に悩む北海道企業の課題解決に挑戦する。【株式会社エムジー・コーポレーション】
2025年3月10日 公開
代表の後藤章仁さんに、後継後の取り組みや今後の展望などを伺いました。
買い物も遊び場もひとつに。現役ママが立ち上げた理想の育児の場「Acoco」
2025年2月10日 公開
代表の古川遥さんに、お店を立ち上げた経緯や、開店後のさまざまな変化、今後の展望を伺いました。
目指すは南区の地域活性化。不動産業を通して、学生や高齢者をサポート。【株式会社アクト】
2025年1月20日 公開
株式会社アクト代表の河村直樹さんに、企業の経緯や今後の展望を伺いました。
鍛え上げたのは筋肉とプロ意識。〝マッチョ介護士〟で、介護福祉業界に革命を。【NOIE SAPPORO(ノイエ札幌)】
2024年11月18日 公開
執行役員・営業本部長の西松伸悟さんと、「マッチョ介護士」を目指して奮闘中の鈴木拓己さんにお話を伺いました。