注目企業のトップに聞くin北海道【株式会社MOEホールディングス】
2022年2月7日 公開
グループの中核を担う萌福祉サービスの設立から約20年。現在は北海道内に70の介護施設を運営し、1300名を超えるスタッフが活躍しているMOEホールディングス。同社の急成長をけん引してきた代表の水戸康智さんにお話を伺いました。
目指しているのは、介護が必要とされない社会の実現です。
人材育成と競争力を、スケールメリットで強化。
介護保険制度のスタートとほぼ同時期に留萌市で産声を上げた萌福祉サービス。
「実は当時、私を含め役員にも誰一人留萌出身者はいませんでした。地元の方々の目には、よそ者と映っていたでしょうし、大切な家族を預けることに不安を感じる人もいたでしょう。そのため私たちは地域に根差し、地域のためのサービスを提供していくという姿勢を形として示そうと留萌の『萌』を拝借して社名としたんです」
今でこそ道内有数の介護事業所を運営するグループとなっていますが、このような事業拡大は当時はみじんも考えていなかったそう。
「日々の仕事をこなすのに精一杯でしたし、自分の専門性を高めることで高齢者の役に立つことが第一だと考えていました。しかしある時、どれだけ自分が頑張っても、そこには限界があると気が付いたんです。私の力だけでは、たった一人の高齢者さえ24時間面倒を見ることができない。ますます増える介護ニーズに応えるには、自分と同じような知識や技術、介護への情熱を持った仲間を増やすしかなく、それには事業拡大が不可欠だと方針を転換しました」
自社による新規開設に加え、積極的なM&Aや事業継承を展開しているMOEホールディングス。スケールメリットは?という問いに、水戸さんは「とても大きい」と答えます。
「介護はスケールメリットを生かしやすい業種と言って良いくらいです。例えば高齢者用の紙おむつ一つとっても、100枚仕入れるより1万枚仕入れるほうがコストを下げられます。食材の仕入れも同じことです」
2020年には札幌市内にセントラルキッチンを自社で開設し、1日4000食にも上る道内全施設の食事の調理、配送に着手。これこそ一定の規模に達したからこそ実現できた取り組みです。
「私たちは仕入価格を抑えた分を利益に回すのではなく、おかずを一品増やす、ワンランク上の食材を使うといった、サービスの質の向上に還元しています。近年は介護施設を選ぶ際に食事を重視する高齢者が増えているため、競争力の強化にもつながっています」
規模のメリットは働き手にとっても大きく、業務効率化や負担軽減につながる先進機器をいち早く導入できるのも一定の施設数があるからだと説明します。
「実は当時、私を含め役員にも誰一人留萌出身者はいませんでした。地元の方々の目には、よそ者と映っていたでしょうし、大切な家族を預けることに不安を感じる人もいたでしょう。そのため私たちは地域に根差し、地域のためのサービスを提供していくという姿勢を形として示そうと留萌の『萌』を拝借して社名としたんです」
今でこそ道内有数の介護事業所を運営するグループとなっていますが、このような事業拡大は当時はみじんも考えていなかったそう。
「日々の仕事をこなすのに精一杯でしたし、自分の専門性を高めることで高齢者の役に立つことが第一だと考えていました。しかしある時、どれだけ自分が頑張っても、そこには限界があると気が付いたんです。私の力だけでは、たった一人の高齢者さえ24時間面倒を見ることができない。ますます増える介護ニーズに応えるには、自分と同じような知識や技術、介護への情熱を持った仲間を増やすしかなく、それには事業拡大が不可欠だと方針を転換しました」
自社による新規開設に加え、積極的なM&Aや事業継承を展開しているMOEホールディングス。スケールメリットは?という問いに、水戸さんは「とても大きい」と答えます。
「介護はスケールメリットを生かしやすい業種と言って良いくらいです。例えば高齢者用の紙おむつ一つとっても、100枚仕入れるより1万枚仕入れるほうがコストを下げられます。食材の仕入れも同じことです」
2020年には札幌市内にセントラルキッチンを自社で開設し、1日4000食にも上る道内全施設の食事の調理、配送に着手。これこそ一定の規模に達したからこそ実現できた取り組みです。
「私たちは仕入価格を抑えた分を利益に回すのではなく、おかずを一品増やす、ワンランク上の食材を使うといった、サービスの質の向上に還元しています。近年は介護施設を選ぶ際に食事を重視する高齢者が増えているため、競争力の強化にもつながっています」
規模のメリットは働き手にとっても大きく、業務効率化や負担軽減につながる先進機器をいち早く導入できるのも一定の施設数があるからだと説明します。
処遇改善の意味と、介護人材に求められるもの。
介護業界で働く人々の処遇を改善しようとする動きが広がっています。水戸さんはそれ自体は良いことと前置きしつつ、「もらうだけで良いのか」は考える必要があると指摘。
「介護事業者の売り上げの大半は税金です。そして売り上げの大小は、“高齢者が求めるものに、どれだけ応えられたか”で決まると私たちは考えています。多くのニーズを満たせば売り上げは増え、期待に応えられなければ減少する。
国が主導する処遇改善は良いことですが、それで介護スタッフの給料が増えたとして、増加分に見合った高齢者ニーズを満たしているのかは考える必要があるはずです。税金が注がれている以上、一方的にもらうだけで良いかどうか。反対にたくさんの知識や技術を学び、多くのニーズに応えられるなら、今よりもずっと高収入を得る介護スタッフがいても良いと考えます」
「介護事業者の売り上げの大半は税金です。そして売り上げの大小は、“高齢者が求めるものに、どれだけ応えられたか”で決まると私たちは考えています。多くのニーズを満たせば売り上げは増え、期待に応えられなければ減少する。
国が主導する処遇改善は良いことですが、それで介護スタッフの給料が増えたとして、増加分に見合った高齢者ニーズを満たしているのかは考える必要があるはずです。税金が注がれている以上、一方的にもらうだけで良いかどうか。反対にたくさんの知識や技術を学び、多くのニーズに応えられるなら、今よりもずっと高収入を得る介護スタッフがいても良いと考えます」
介護の先進地だからこそ、目指すべき社会の姿。
「北海道は人口減少と高齢化が他よりも速いペースで進んでおり、特に地方の介護は今後いっそう厳しさを増していくでしょう。それは当社に相談されるM&Aが年々増えていることからも実感しています。私たちは、こうしたM&Aや事業継承を通じて、道内の介護サービスの充実を図る一方、そもそも介護を必要としない社会の実現をミッションとして掲げています」
年齢を重ねることは避けられないものの、誰かに必要とされたり、自分らしい生きがいが持てたりすれば、介護を必要とせずに生き生きと暮らすことは可能。食事や健康維持について正しい知識を持てば病気になるリスクも減らせると言います。
「こうした取り組みは、高齢化が深刻と言われる地方のほうが、かえってやりやすかったりします。小学校からセルフコントロールを教えて健康的に生きるすべを身に付けるなど、札幌では難しいことも小さな町ではトップダウンで実現できたりする。『アクティブシニアが一番多い町にしましょう』と私たちから行政に提案することも少なくありません。5年、10年では難しくても、私たちの“次の世代”くらいにはそんな社会を実現させられたらと考えているんです」
年齢を重ねることは避けられないものの、誰かに必要とされたり、自分らしい生きがいが持てたりすれば、介護を必要とせずに生き生きと暮らすことは可能。食事や健康維持について正しい知識を持てば病気になるリスクも減らせると言います。
「こうした取り組みは、高齢化が深刻と言われる地方のほうが、かえってやりやすかったりします。小学校からセルフコントロールを教えて健康的に生きるすべを身に付けるなど、札幌では難しいことも小さな町ではトップダウンで実現できたりする。『アクティブシニアが一番多い町にしましょう』と私たちから行政に提案することも少なくありません。5年、10年では難しくても、私たちの“次の世代”くらいにはそんな社会を実現させられたらと考えているんです」
株式会社MOEホールディングス
萌福祉サービスを中心に道内で70の介護福祉施設を運営。コンサルティング会社や医療法人、配食サービス会社などを傘下に置き、介護を取り巻く幅広い事業を展開。
注目企業のトップに聞くin北海道
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