注目企業のトップに聞くin北海道 注目企業のトップに聞くin北海道【カワモト白衣株式会社】

2022年1月31日 公開

半世紀以上も前に旭川市で白衣専門店として創業し、今は全道各地でユニフォームの販売やレンタルを手掛けるカワモト白衣株式会社。7代目社長に就任して6年目となる佐々木亮一さんに、会社を少しずつ変革してきた取り組みや目指す高みを伺いました。

ユニフォームに北海道らしさを取り入れ、ニッチな世界で独自性を創出したい。

代表取締役/佐々木亮一さん
旭川市出身。札幌大学を卒業後、事務・サービス業向けの制服メーカーや白衣製造会社でユニフォームにまつわる勉強を重ね、2003年にカワモト白衣株式会社に入社。2016年に代表取締役に就任。

営業スタイルの変革や情報共有の仕組みを。

―佐々木さんは創業家のお生まれですか?
はい、母方の祖父が初代で、祖母が二代目にあたります。とはいえ、私はもともと家業を継ぐつもりはなく、小学校教諭になるのが夢でした。ただ、大学卒業後は家族の勧めに押し切られ、ユニフォームの主要メーカーに就職したんです。まずは3年間石川県の事務・サービス業向けの制服メーカーで働き、その後は埼玉県・東京都の白衣メーカーに移りました。このころには小学校教諭の夢はキッパリとあきらめ、家業のためにしっかり学ぼうという気持ちに切り替わっていたと思います。

―カワモト白衣に入社してから取り組んだことは?
私が入社したのは2003年です。当初はまだ昭和の営業スタイルが色濃く残り、お客様先に顔を出せば出す程、靴底をすり減らせばすり減らす程、良いセールスパーソンとされていました。ただ、人材が豊富で時間にも余裕があった昔とは異なり、現代は少数精鋭がマルチタスクを担わなければならない時代です。顧客もアポなしの訪問は迷惑でしょうから、電話で約束を取り付けた上でお邪魔する営業手法を浸透させていきました。訪問件数を稼ぐよりも、しっかりと膝を突き合わせた質の高い商談を評価したいと考えてのことです。

―他にも着手したことはありますか?
顧客管理の徹底です。当社は老舗だからこそベテランも多く、どのように契約を獲得したのかという手の内を明かしたがらない雰囲気でした。けれど、若手にとっては情報を共有したほうがプラスに働くことが多いはずです。そのため、顧客の社員数やユニフォームの支給枚数、ニーズのヒアリング内容、セールスのポイントなどを「見える化」するためのアプリを取り入れました。同時に「聞いてこないから教えない」ではなく、若手を気に掛けて、分からないことがないか聞いてあげる教育方法を徹底したことも取り組みの一つです。今は商品知識から売り方、ロールプレイングなど、新人さんを育てるための研修も手厚く整えています。

ロゴマークやスローガンをリブランド。

―顧客は有名ホテルやお菓子メーカーなど大手も多いですね。
当社は50名に満たない小さな会社なので、かつては大手企業にアプローチしても取り合ってもらえないという固定観念を抱いていました。当然ながら顧客の大小でサービスやクオリティは変わりませんが、社員のモチベーションを高め、自信につなげるために積極的に営業活動にトライしたところ、お付き合いいただけるようになったんです。多くの方が制服に袖を通す姿を見ることで、ユニフォームを通じて「働く人を、輝く人へ。」つなげる実感もわきやすいと思いました。

―「働く人を、輝く人へ。」というのは良い言葉ですね。
実は2017年に当社のロゴを変えた他、ホームページや名刺、ビジョンなどをリブランドしました。「働く人を、輝く人へ。」のスローガンもその一つです。札幌市で北海道中小企業家同友会に参加した際、デザインやブランディングに携わる方と出会ってブランドイメージを一新しました。例えば、ロゴマークの三本線は当社創業者「川本」の「川」です。その横には前後の文章を密接につなげる意味を持つ「セミコロン」のモチーフを配しています。当社が社員や顧客、仕入れメーカーと深くつながっていくという願いを込めました。ロゴマーク一つでもストーリーがあると、営業職も顧客と話題を広げるきっかけになると思います。

アイヌ文様のアパレルで北海道らしさを。

―今後は更なる拡大を?
正直なところ、やみくもに売上を5倍、10倍にしようという考えはありません。数字に向かって無理難題を課したところで社員は疲弊するばかりです。そのため、まずはスタッフの満足度を高め、楽しく働ける環境を作ることが先決だと思っています。これまでも教育の充実や有給休暇が取りやすい環境、頑張りを賞与に反映する評価制度などを整えてきましたが、まだまだ工夫できることは多いはずです。ただ、戦略的に全員の年収アップができるよう、ビジネスの柱をもう一つ打ち立てようとしているところです。上質でおしゃれなユニフォームだけを厳選したセレクトショップをオンラインで展開しようと考えています。

―ニッチですが需要がありそうですね。
そもそもユニフォームの業界はニッチですが、私たちはあくまでメーカーではなく「卸売」のような立場です。競合他社と扱えるものがあまり変わらない中で、最近は当社だからこそできる差別化として、アイヌ文様のアパレルを開発しました。アイヌ文化は旭川市にも縁が深いですし、北海道らしさを気軽に着ていただけると考えたんです。ゆくゆくはオンライン上のセレクトショップで、ユニフォームにアイヌ文様を加えられる機能を追加し、自分だけの一着を作れるようになると人気も高まるかもしれません。こうした取り組みも、社員が興味を持って働ける一因になってくれるとうれしいですね。

カワモト白衣株式会社

道内4拠点で北海道全域をフォローする総合ユニフォーム会社。お客様の考える企業イメージや伝えたい思いの表現、社内の業務活性化やモチベーションアップなどにつながる重要なツールとして、「働く人を、輝く人へ。」押し上げるユニフォームを提案。

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