上ノ国町生まれ江別市育ちの内間木さん。小学校・中学校時代は野球、高校時代はラグビーに打ち込むスポーツ少年だったという。
「スポーツが好きで、子どものころからとにかく負けず嫌いな性格でした。高校を卒業した後は大手製紙会社に入社し、コピー用紙などを製造していたのですが、30歳を過ぎたころ、世の中がペーパーレス化していく中で転職を考えるようになりました」
そんな内間木さんを株式会社ムラタへと誘ったのが、義父で創業者である村田晃啓さんだった。全く畑違いの業界への転職のため、入社直後は新卒社員のような心持ちで仕事を覚えていったという。
「目の仕組みやメガネの作製技術などを一から勉強し、店舗で接客経験を重ねました。小売業の中でもメガネの販売は特殊な仕事だと言われています。というのも、『半医半商』といって、商売でありながら医学的な知識や判断が求められる点で他の小売業とは少し事情が異なるんです。お客さまの目の健康状態を把握し、それに合わせた商品を提供するには豊富な専門知識が必要となります」
持ち前の負けず嫌いの精神で、努力と経験を積んだ内間木さんは入社3年で店長になり、その後エリアマネージャーへと昇進。入社15年目、47歳になったころ、その日は突然やってきた。
「先代に呼ばれて、1週間後に社長になるよう告げられました。驚きましたが、着実に現場経験を積んできた自信や、従業員との信頼関係、そして先代が築いてきた結束力の強い組織に対する安心感もあって、迷うことなく話を受けることにしました」