起業の原点は北海道と東京の就活格差を埋めたいという思い。【株式会社FULLCOMMISSION】
2023年7月3日 公開
就活で感じた東京と北海道の格差、やるせなさ。
「転校先でクラスメイトたちに受け入れられるため、常に面白がられる人であろうと努力して、気付けば人の輪の中に入るスキルを身に付けていました」
帯広の高校を卒業後、進学した北海道大学農学部ではアメフトに没頭。起業を考えるきっかけとなったのは、首都圏の企業を目指して就活する中で感じた疑問だったという。
「北海道の学生が3年生の冬ごろから就活を始めるのに対し、東京の学生は1、2年生の時からインターンの機会が豊富にあります。圧倒的な〝就活格差〟に愕然としました」
インターンを経験することには、働くとはどんなことかを学び、自分に合う職業を探す、選択肢を広げるなどのメリットがある、というのが山崎さんの見解。3年生の12月に就活を始める札幌の友人たちが、わずか3、4カ月で妥協を抱えながら就職先を決めていく姿を見るのがやりきれなかったと振り返る。「いつか起業して、この格差を埋めたい」という思いがこみ上げたそうだ。
3年以内の独立を目標に掲げ、山崎さんはまず東京の不動産デベロッパーに就職。空き物件となったオフィスや学生寮を、住宅やホテルに用途変更して生まれ変わらせる「コンバージョン」と呼ばれる業務を主に担当した。
ところが就職から2年たったころ、リーマンショックが世界経済を揺るがす。山崎さんの勤務先も倒産し、当時住んでいた社員寮も売却されることに。職と住まいを同時に失った山崎さんだったが、あるのは「今こそ起業」という選択、その一択だった。
初のアフリカ進出で知った雇用機会を作る大切さ。
「5人それぞれに人脈があるため、互いに紹介し合うことでコミュニティが広がり、新しい仕事にもつながったんです。シェアハウスが生み出す力ってすごい、と感動しました」
北海道にもこの文化を広めたいと考えた山崎さんは、札幌でのシェアハウス事業の展開を決意。同時期に放送していたテレビドラマの影響でシェアハウス人気が高まったことも後押しし、店舗数は5店舗に増えた。短期利用や宿泊の要望も多かったことから、事業をゲストハウス運営にも拡大。外国人人材を積極的に採用し、国際色を高めていった。
海外展開をしたのもそのころ。帰国を控えたタンザニア人スタッフから「また一緒に働きたい」と言われたことから、彼の働く場を作るためにタンザニアにも進出を果たした。
「東京と札幌どころではない、日本と海外との雇用や経済の格差を知りました。初めて現地の人を雇用した時に『働ける環境を作ってくれてありがとう』『これで子どもに教育を受けさせられる』と感謝されたんです。雇用を作るのは、とてつもなく有意義なことなのだと知った貴重な経験でした」
多くの仕事がある日本と違い、働く環境があることは決して当たり前ではないのだと山崎さん。雇用を作ることは人生の先を見通す機会を作ることでもあると、更なる雇用創出への思いを強くした。メキシコやベトナムにゲストハウスを展開し、更にコロンビア、フィリピンにも…と、快進撃を続ける最中に始まったのがコロナ禍だった。
アメフトで培った不屈のメンタルがコロナ禍の支えに。
「アメフトで培った、絶対にあきらめないメンタルがあったからピンチを乗り切れたんだと思います。どんな時でも格好良いのは最後まで前を向き続ける人です。起業した時に比べれば、今のほうが金もあるし仲間もいるだろ?って自分に言い聞かせ続けていました」
コロナ禍が収束しつつある今、山崎さんは再びシェアオフィスやシェアハウス事業に重点を置く。そこから若手起業家が生まれるように支援したり、イベントを開き学生との食事の機会を設けたりと、後身の育成にも力を注いでいるという。
「北海道のスタートアップ企業は、東京に比べ多いとは言えません。しかし東京では大企業でなければ受けられないような仕事を、我々のような中小でも任せてもらえるチャンスがあるのが札幌なんです。面白い企業が増えればそれだけ就職の選択肢が増え、東京との就職格差を埋めることにもつながります。これからの若い世代に背中を見せられるような仕事を作り出していきたいですね」
株式会社FULLCOMMISSION(フルコミッション)
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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