北海道発!商品誕生エピソード【ポンタベール/菓子のほんだ(砂川市)】
2018年10月29日 公開

道産コーングリッツを活用した
新商品が優秀賞を受賞
しかし近年、JAや北海道立総合研究機構の協力によって、とうもろこしの品種選定や製粉設備の改良が行われ、2017年に初めて北海道産のコーングリッツが誕生。その北海道産コーングリッツを使って、砂川市のほんだ菓子司(お菓子のほんだ)が開発した「ポンタベール」という商品が、平成29年度北海道新技術・新製品開発賞食品部門の優秀賞を受賞しました。
開発を手がけたのは
りんごスイーツで人気を博す砂川の老舗菓子店
同店は顧客を巻き込むユニークなアイデアを繰り出すことでも知られ、そのひとつが顧客自身にケーキを作ってもらう『シェフズ・ラボ』という取り組み。滝川本館に設置された工房では、同店パティシエのサポートを受けながら、初心者でもオリジナルのバースデーケーキやウエディングケーキをつくることができます。
「今はインターネットで世界中のおいしいお菓子が手に入るし、コンビニで手軽に買えるスイーツもハイレベル。お菓子のおいしさだけで勝負をするのは難しい時代です。だからこそ私たちはお客様に喜んでもらうにはどうすればいいかを必死で考える。シェフズ・ラボもそのひとつなんです」と代表の本田啓輔さんは取り組みによせる想いを語ってくれました。
約半年の試行錯誤で誕生した
癖になるポンスナック
「北海道産のコーングリッツは膨化性に優れているので、パフにすることでサクサクの食感が楽しめます。そこで、とうきび粉そのものの香ばしさや自然の甘さを生かそうと、 源粒を脱皮・脱胚芽しただけの粒(ホミニー)をポン菓子にしました」と本田さん。その過程では、パフの食感を安定させるための温度と圧力を見いだすのに苦労したと振り返ります。
「味付けについては、塩味をベースにすると素材との相性が良いことに気付き、『だし』『しお』『黒胡椒』の3タイプを考案。ミーティングではチョコレート、チーズ、エビ塩、キャラメルなどのアイデアも出ていましたね。油で揚げたりせずに加工していたので調味料が付着せず、調味料を微粉末にして吹き付けたりしましたが、なかなかうまくいきませんでした。いろいろ試した結果、微量の米油を吹けつけて調味料を付着させると均等にマイルドな味がつくようになったんです」
『だし』にはかつお節、焼きあご、うるめいわし、昆布などの化学調味料や保存料など一切使用せず作っただしの粉末で味付けし、「もう一枚、もう1枚…」とつい手が伸びるような、“あとを引く”おいしさを追求。『しお』はミネラルたっぷりの「宗谷の塩」を使用し、あっさりとした味わいの中にコーンの豊かな風味が広がる仕上がりになったと本田さん。
「最近、ラインアップに加わったのが羽幌の『甘エビ』です。甘エビの一番おいしい食べ方と地元漁師も薦める『甘エビの酒蒸し』を粉末化し、ポン菓子の味付けに使用しました。新鮮な甘エビの旨み・風味を丸ごと楽しめるように仕上げています」
コーングリッツは粗挽きからパウダーまで、形状によって用途も変わり、活用方法はさまざま。「北海道産コーングリッツは生産履歴まで管理されているため、安心して使えるのも魅力。これからもスイーツの材料として、可能性を探っていきたいですね」と、笑顔で語ってくれました。
ここがこだわり!開発のポイント
化学調味料を使用しない「だし」や宗谷の「塩」、羽幌の「甘エビ」など、産地や原材料にこだわった調味パウダーで味付け。
“味の乗り”を良くするために調味前に米油をスプレー。コーンの香ばしい味わいを生かしながらあと引くおいしさに。
とうもろこしの粒に圧力をかけた後、一気に開放することで粒を膨らませる。米を膨化させる「ポン菓子(ドン菓子)」と同じ原理を応用。
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お菓子のほんだ
代表取締役社長
本田啓輔さん -
だし/しお味:各540円
甘エビ味:650円(税込価格) -
サクサク食感と原材料にこだわった味付け
お菓子のほんだ
北海道発!商品誕生エピソード
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