「ゾンラーメン」は2014年から累計25万食を販売しているヒット商品。現在もYoutubeやSNSで人気とのこと。
しかし、いくら優れた食材でも見た目は昆虫そのもの。加えて生産数が少ないために、1袋600円から2000円と高価であることがネックと氷室さん。一般に浸透させるためには一歩一歩、着実なステップを踏んでいくことが大切だと言います。
「近年は無印良品が『コオロギせんべい』を販売するなど、昆虫食の認知が徐々に広がってきています。現在は『なぜ地球問題の解決につながるの?』ということを知ってもらう段階にあると思うんです。啓発が拡大すると大手企業も参入して、もっと安価での販売も可能になります。そのために今は手段を選ばず、たとえ〝罰ゲーム〟でも昆虫食について知ってほしいというのが僕の考えです」
現在は市内4カ所に昆虫食の自販機を設置し、その範囲も拡大中。月間1000食を売り上げています。次なる目標は、北海道を昆虫食の生産地にすることなのだとか。既に農家に掛け合い、ビニールハウスでのコオロギ生産を始めているといいます。
「SDGsや環境問題の話って、正直言うとつまらなくなりがちですよね。でも幸い『昆虫食』って言うと良くも悪くもみんなが反応します(笑)。僕の事業をきっかけに、地球環境やSDGsについて少しでも興味を持ってくれたら、きっといい未来が築けると信じているんです」。