家史・家系図制作サービス「ウチレキ。」で、先祖から子孫へと託す物語を
2023年11月27日 公開
本業と歴史好きが転じて家史調査の奥深い世界へ
「行政書士は法人のお客様向けには行政手続きのサポートを担い、個人のお客様には遺言書作成や相続といった業務を行う仕事です。扱う書類の中には戸籍も含まれていて、設立当初からその調査や戸籍を基にした家系図作成に関するご相談もいただいていました」
更に八重樫さんには、歴史愛好家という、もう一つの顔もありました。
「昔から全国各地の城や史跡を巡るのが趣味でして…。戦国武将の知識を通じて、家系図は昔からなじみ深い存在だったんです」
ただ、家系図や家史調査は決して容易ではありません。というのも、調査に欠かせない戸籍は国ではなく市町村で管理されていて、先祖が住んでいた地域が分からなければ手掛かりすらつかめないもの。その調査ノウハウも簡単に学べるものではなく、当時はあきらめざるを得なかったのだとか。
しかし2017年、八重樫さんに新しい家族が誕生したことを機に改めて、子どもたちに家の物語を遺したいという思いが強まったのだそう。その願いが通じたのか、偶然にも苗字の専門家と出会います。
「先生は苗字を聞いただけで由来や出身地が分かるという知識の持ち主で、調査方法についても熟知していました。彼との出会いで糸口をつかんだ私は行政書士の仕事の傍ら、試験的に自分やスタッフの家史・家系図をリサーチし、調査のノウハウを身に付けていったんです」
蛇のような崩し字の解読や国会図書館での文献調査も
「苗字の由来は書籍や調査歴、専門家の先生のお話を基に弊社でデータベース化しています。市町村を絞り込んだら申請を行い、戸籍を取得。戦災や火災、破棄で資料が失われていない限りは、おおむね江戸時代末期まではさかのぼることができます」
そして、ここからが本格調査の領域だと八重樫さんは解説します。
「更に深い情報を得るためには各自治体の図書館や資料館、国立国会図書館でご先祖様にまつわる資料を探す必要があります。資料は複製不可であることも多く、現地を訪れなければいけない場合や、崩し字で書かれており解読に難航するケースなど、一筋縄ではいきません。他にも親族や同姓の方に私たちから手紙を送り、情報提供をお願いする場合もあります」
調査は安易ではないだけに、度合いや費用によりプランを分けています。その名も「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」の3プラン。もちろん安価なプランから始め、途中でアップグレードすることも可能です。
「家康プランでは、ご先祖にまつわる遺物や遺跡の写真まで撮影し、依頼者に提供しています。決して安くはない価格設定ではありますが、自分の子孫たちに残せる『家系の教科書』とも言うべき内容は一見の価値があると自負しています」
戦国武将との意外なつながりや不思議な縁を感じることも
「多くの方は自身のルーツを農民だと思い込んでいますが、江戸時代以前は戦国武将に仕えていた場合も少なくありません。例えば私のご先祖様は戦国時代、岩手県北上市周辺を治めていた豪族に仕える武士で、豊臣秀吉に反したことで農民に転じたと分かりました。戦での敗北側の陣営に属していたことを境に、農家へと転じた家は意外にも多いものです」
また先祖代々の言い伝えの真意が判明した事例もあります。
「札幌市のある男性は幼いころ、お父様から『白石区一帯は自分たちの土地だった』と教わっていたと言うのです。当時は子どもだったこともあり疑っていたそうですが、調査をすると白石村一帯を開拓した著名な人物の一人だと判明しました。更にご先祖様をさかのぼると、区名の由来である白石城の藩主で、伊達政宗の腹心だった片倉小十郎に仕えた人物であることも分かったんです」
他にも脱サラで寿司屋をはじめた男性の先祖が代々漁を生業とする村の出身だったと判明したケース、アパレル業を営む依頼人の祖先が織物商人だった例など、不思議な縁が判明する例も珍しくありません。
「どんなご依頼者の方にも、必ず現在につながるご先祖様の努力や苦労があります。その生き様を知ることは、子どもたちへ資産だけでなく物語を伝えること、そして子孫たちの誇りやより良い未来につながるんです」
将来は更なるサービスの拡大を目指し、さまざまな構想を練っているという八重樫さん。「歴史好きとして、ノスタルジーをくすぐるサービスを提供したい」と話す笑顔からは、自らの好奇心を仕事に変えたことへの喜びがにじみ出ていました。
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