オーディオ・楽器・カメラの市場拡大を目指して、リユース事業を全国へ。【アンドトランク株式会社】
2023年9月18日 公開
自ら考え行動する力が、逆境を打ち破る。
「一方で心のどこかで社長になりたいという思いも秘めていたので、空いている時間には常に自己啓発本やビジネス書を読んでいました。車も変わらず好きで、車にかかわっていたいという希望もあり、ガソリンスタンドでのアルバイトも続けていたんです」
専門学校卒業後は知人に声を掛けられて、起業を視野に札幌の中古車販売会社に就職することを決意。しかし内定後すぐに事件が起きた。なんと社長が逮捕されてしまったのだという。
「社長と自分だけの小さな会社だったので、入社してすぐ、たった一人ですべての業務をこなさなければならない事態に。出社前にまず留置所へ行って社長と面会し、業務指示をもらって出社、自分一人で仕事をこなすという日々が約半年間続きました。でも誰にも頼ることができないという状況のお陰で、自ら考えて行動する能力が自然と身に付きました」
だが経営は長続きはせず、木原さんは転職を余儀なくされる。次に中古車買取・販売店への転職を果たすが、希望していた中古車売買の部署ではなく車のパーツ買取の部署へ配属となった。
「皆が車の売買に勤しむのを横目に、一人別事業に携わる日々。またしても自ら考えて行動せざるを得ない状況でしたが、ガソリンスタンドで培った車の分解技術や、前職でネットオークション事業に携わっていた経験も活用して、徐々に目標売上を突破するようになっていきました」
「社長になりたい」と口にしたことでかなった夢。
「この発言がきっかけで、車パーツの買取・販売部門が分社化し、本当に私が社長に就任することになったんです。それから9年間代表を務める間に会社の規模も大きくなり、自信も付いてきて、30歳になる節目の年、2015年に独立を決意しました」
これまでの経験を生かそうと総合買取業を主軸に会社を立ち上げた木原さんだったが、滑り出しは低調。何でも買取ることで品揃えは豊富になる反面、低価格な商品も多くなり、なかなか売上につながらなかったという。広告を利用した集客や、高価なタイヤやミシンといった製品に的を絞っていくも、設立2年ほどで経営が困難な状況に。窮地に立たされた木原さんは、更なる市場の見直しを図る。
「市場研究の結果、ハイエンドオーディオや楽器、カメラの専門買取業に業態変更をしました。販売単価の高い商品を扱うことで、売上も比例するように右肩上がりに。音楽やカメラが好きな人をスタッフとして採用することで、従業員の専門性も高まっていきました」
オーディオや楽器、カメラは熱心な愛好者も多い世界。専門知識のあるスタッフが買取訪問をすることで、適正価格での売買が実現する。趣味の話に花が咲き、お客様との間に信頼関係が生まれるというメリットもあるのだそう。こうして顧客にとっても、働く自分たちにとっても満足が得られる現在のビジネススタイルが確立していった。
すべての人が満足できるリユース事業を全国へ。
「日本には44兆円分の隠れた資産が眠っていると言われています。更に1年に7兆円ずつ増えていくと言われているのに、現在の市場規模は3兆円程度です。つまり、まだまだ買取対象になるものが溢れていると考えています。日々勉強を重ね、専門知識を身に付けて、買う人と売る人双方が満足のできる適正な価格でリユース品の売買を極めたいですね」
現在は高校の軽音楽部のサポートやフォトコンテストを自社で主催するなど、音楽やカメラのユーザーを増やし、業界を応援する取り組みも行っているという。オーディオや楽器、カメラの市場は縮小傾向にあるため、こうした活動で業界を陰ながら守っていきたいと考えているそうだ。
常に先を見越し、組織を束ねてきた木原さんだが、今も初心を忘れてはいない。
「分からないことはどんな時でも、必ず自分の足で聞きに行く。先輩経営者や有識者との交流を欠かさず、その背中に学んだ上で自ら考え、行動する。そして常に社員一人ひとりとのコミュニケーションを重視した組織経営を心掛ける。売上ファーストではなく、チームワークファーストで、今後も事業拡大を目指していきたいと考えています」
アンドトランク株式会社
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
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