注目企業のトップに聞くin北海道 オーディオ・楽器・カメラの市場拡大を目指して、リユース事業を全国へ。【アンドトランク株式会社】

2023年9月18日 公開

オーディオ・楽器・カメラの専門買取店ニーゴ・リユースを全国展開するアンドトランク株式会社。現在全国8拠点26都道県のエリアをカバーし、今後は47都道府県への店舗展開を目指している。音楽業界、カメラを扱うクリエイターなどのバックアップ事業にも携わりながら市場拡大を狙う代表の木原将平さんに、これまでの経緯と今後の展望を伺った。
アンドトランク株式会社 代表取締役/木原将平さん
札幌市出身。サッカーに熱中した小・中学生時代を経て商業高校へ。卒業後は医療事務専門学校に進学。ガソリンスタンドでのアルバイト経験から地元の中古車買取・販売店に就職。車輌パーツ専門の子会社で9年間代表を務めた後、2015年、株式会社ニーゴリユース(現・アンドトランク株式会社)設立。

自ら考え行動する力が、逆境を打ち破る。

出身は札幌市、商業高校へ進学し、簿記や会計などを学んでいた木原さん。進路を考える時期には漠然と社長になりたいという思いを抱いていたものの、具体的な道すじは描けていなかったと振り返る。放課後はガソリンスタンドでのアルバイトに明け暮れ、興味のあった車の知識を深めていたそうだ。卒業後は高校で学んだ事務系の知識を伸ばすため、医療事務の専門学校に進学する。
「一方で心のどこかで社長になりたいという思いも秘めていたので、空いている時間には常に自己啓発本やビジネス書を読んでいました。車も変わらず好きで、車にかかわっていたいという希望もあり、ガソリンスタンドでのアルバイトも続けていたんです」
専門学校卒業後は知人に声を掛けられて、起業を視野に札幌の中古車販売会社に就職することを決意。しかし内定後すぐに事件が起きた。なんと社長が逮捕されてしまったのだという。
「社長と自分だけの小さな会社だったので、入社してすぐ、たった一人ですべての業務をこなさなければならない事態に。出社前にまず留置所へ行って社長と面会し、業務指示をもらって出社、自分一人で仕事をこなすという日々が約半年間続きました。でも誰にも頼ることができないという状況のお陰で、自ら考えて行動する能力が自然と身に付きました」
だが経営は長続きはせず、木原さんは転職を余儀なくされる。次に中古車買取・販売店への転職を果たすが、希望していた中古車売買の部署ではなく車のパーツ買取の部署へ配属となった。
「皆が車の売買に勤しむのを横目に、一人別事業に携わる日々。またしても自ら考えて行動せざるを得ない状況でしたが、ガソリンスタンドで培った車の分解技術や、前職でネットオークション事業に携わっていた経験も活用して、徐々に目標売上を突破するようになっていきました」

「社長になりたい」と口にしたことでかなった夢。

能力と経験で逆境を打ち破り、仕事にまい進した木原さんに、社内面談で今後のキャリアプランを問われる機会が訪れた時のこと。車本体の買取や販売部門への異動を希望していると言いかけたが、思わず口をついて出たのは「社長になりたいんです」という本心からの言葉だった。
「この発言がきっかけで、車パーツの買取・販売部門が分社化し、本当に私が社長に就任することになったんです。それから9年間代表を務める間に会社の規模も大きくなり、自信も付いてきて、30歳になる節目の年、2015年に独立を決意しました」
これまでの経験を生かそうと総合買取業を主軸に会社を立ち上げた木原さんだったが、滑り出しは低調。何でも買取ることで品揃えは豊富になる反面、低価格な商品も多くなり、なかなか売上につながらなかったという。広告を利用した集客や、高価なタイヤやミシンといった製品に的を絞っていくも、設立2年ほどで経営が困難な状況に。窮地に立たされた木原さんは、更なる市場の見直しを図る。
「市場研究の結果、ハイエンドオーディオや楽器、カメラの専門買取業に業態変更をしました。販売単価の高い商品を扱うことで、売上も比例するように右肩上がりに。音楽やカメラが好きな人をスタッフとして採用することで、従業員の専門性も高まっていきました」
オーディオや楽器、カメラは熱心な愛好者も多い世界。専門知識のあるスタッフが買取訪問をすることで、適正価格での売買が実現する。趣味の話に花が咲き、お客様との間に信頼関係が生まれるというメリットもあるのだそう。こうして顧客にとっても、働く自分たちにとっても満足が得られる現在のビジネススタイルが確立していった。

すべての人が満足できるリユース事業を全国へ。

買い取りを拡大するには広告が欠かせない。だが、東京や関西圏など規模の大きなマーケットは広告費もかさんでしまうため、あえて地方をターゲットとして拠点・店舗を拡大してきたと木原さんは説明する。現在は北海道の他、7つの県を拠点に26都道県のエリアをカバーしているが、今後は47都道府県への店舗拡大を目標に前進しているという。
「日本には44兆円分の隠れた資産が眠っていると言われています。更に1年に7兆円ずつ増えていくと言われているのに、現在の市場規模は3兆円程度です。つまり、まだまだ買取対象になるものが溢れていると考えています。日々勉強を重ね、専門知識を身に付けて、買う人と売る人双方が満足のできる適正な価格でリユース品の売買を極めたいですね」
現在は高校の軽音楽部のサポートやフォトコンテストを自社で主催するなど、音楽やカメラのユーザーを増やし、業界を応援する取り組みも行っているという。オーディオや楽器、カメラの市場は縮小傾向にあるため、こうした活動で業界を陰ながら守っていきたいと考えているそうだ。
常に先を見越し、組織を束ねてきた木原さんだが、今も初心を忘れてはいない。
「分からないことはどんな時でも、必ず自分の足で聞きに行く。先輩経営者や有識者との交流を欠かさず、その背中に学んだ上で自ら考え、行動する。そして常に社員一人ひとりとのコミュニケーションを重視した組織経営を心掛ける。売上ファーストではなく、チームワークファーストで、今後も事業拡大を目指していきたいと考えています」

アンドトランク株式会社

札幌に本社を構えるリユース企業。総合買取店ニーゴ・リユースとして2015年に創業。2017年に「オーディオ・楽器・カメラの専門買取店」に業態変更して以降、専門知識を持ったスタッフの細かい査定と対話を重視した接客で人気を博し、現在北海道・宮城・福島・群馬・長野・静岡・広島・福岡の全国8拠点で店舗を展開している。
北海道札幌市東区北36条東19丁目4-25
TEL.011-780-1221
https://www.andtrunk.com/
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。
BOSS TALK
北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。
UHBにて毎週火曜日深夜0時25分〜放送中!
※番組は2023年9月26日で終了しています。

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