まず、SDGs宣言を出すに至った経緯について伺ったところ「SDGs宣言と言っても、これまでやってきたことと何も変わらないんですよ」と渡辺さん。創業以来の、廃棄物の処理やリサイクルという環境事業は、安全で快適な地域社会を実現するためのもので、それ自体SDGsの各目標と大きく関わるものでした。加えて2004年に認証を取得したISO14001による廃棄物処理やリサイクルのパフォーマンスマネジメントは、環境負荷の低減による地球温暖化防止や、循環型社会の実現を強く意識するものでした。
ISO14001の2015年改訂時に環境側面だけではない拡がりが打ち出された時には、「環境だけの問題ではなくて、社会や経済の問題ともリンクさせていくべきだと理解しました」。その後は自社の事業を通して、環境・社会・経済一体となった持続可能な社会づくりを目指すようになっていったのでした。
「ただそれをうまく表現できなかったんです。ところがSDGsに深く触れたとき、これまで目指してきたことを表現できる、全世界の共通言語ができたのだと理解したのです」
SDGsの考え方に深く触れたのは、一般社団法人苫小牧青年会議所への参加がきっかけとのこと。
「2018年の10月のことだったと思います。公益社団法人日本青年会議所からSDGsに関する情報発信があり、それが最初の出会いです」。その翌年、2019年の「経営方針発表会」から具体的なアクションを開始。もともとISO14001を基軸として使われていた言葉を、SDGsの言葉と合わせる作業を進め、具体的にSDGsへの取り組みとして動き始めたそうです。そして2022年4月の「SDGs宣言」に至ります。