北海道でSDGsの目標達成に貢献する企業・団体 北海道でSDGsの目標達成に貢献する【株式会社とませい】(苫小牧市)

2022年10月19日 公開

株式会社とませいを中心とする4社で構成されるTOMASEIグループは、1953年(昭和28年)の創業以来、約70年に渡って廃棄物処理を中心とする環境事業を行い、地域社会の快適で安心安全な暮らしを支えています。2022年2月に、循環型社会の形成と地球温暖化防止に貢献する模範的な取り組みを行っている事業所を表彰する「北海道のゼロ・エミ大賞」を受賞しました。さらに2022年4月にはTOMASEIグループのSDGs宣言を策定。SDGsへの取り組みを本格化させています。「本格化させた」という表現がふさわしい同社の取り組みについて、株式会社とませい代表取締役の渡辺秀敏さんにお話を伺いました。

70年継続してきたことが、そのままSDGsに。

まず、SDGs宣言を出すに至った経緯について伺ったところ「SDGs宣言と言っても、これまでやってきたことと何も変わらないんですよ」と渡辺さん。創業以来の、廃棄物の処理やリサイクルという環境事業は、安全で快適な地域社会を実現するためのもので、それ自体SDGsの各目標と大きく関わるものでした。加えて2004年に認証を取得したISO14001による廃棄物処理やリサイクルのパフォーマンスマネジメントは、環境負荷の低減による地球温暖化防止や、循環型社会の実現を強く意識するものでした。

ISO14001の2015年改訂時に環境側面だけではない拡がりが打ち出された時には、「環境だけの問題ではなくて、社会や経済の問題ともリンクさせていくべきだと理解しました」。その後は自社の事業を通して、環境・社会・経済一体となった持続可能な社会づくりを目指すようになっていったのでした。
「ただそれをうまく表現できなかったんです。ところがSDGsに深く触れたとき、これまで目指してきたことを表現できる、全世界の共通言語ができたのだと理解したのです」

SDGsの考え方に深く触れたのは、一般社団法人苫小牧青年会議所への参加がきっかけとのこと。
「2018年の10月のことだったと思います。公益社団法人日本青年会議所からSDGsに関する情報発信があり、それが最初の出会いです」。その翌年、2019年の「経営方針発表会」から具体的なアクションを開始。もともとISO14001を基軸として使われていた言葉を、SDGsの言葉と合わせる作業を進め、具体的にSDGsへの取り組みとして動き始めたそうです。そして2022年4月の「SDGs宣言」に至ります。

ステークホルダーとのコミュニケーションを丁寧に。

同社の場合、「ステークホルダー(利害関係者)」つまり従業員や顧客、事業に影響のある関係者すべてと、非常に丁寧なコミュニケーションをとっています。まずは社内です。2019年の「経営方針発表会」の後、「何か新しいことをやらなければならないんじゃないかという雰囲気があったので、これまでと何も変わらないんだということを伝え続けています。定期的にISO推進会議を実施していたのですが、そこにSDGsをテーマとして加えて、これまでやってきたこととSDGsの言葉を合わせていきました」

その1年後ぐらいから世の中でもSDGsに関する話題があふれてきて、徐々に浸透していったと言います。さらに昨年からは小・中・高校でのSDGsの教育が始まって、社員の親類から「SDGsに一生懸命取り組んでいる会社だよね」と言われることもあるとか。こういった言葉で、同社で働くことが誇りに思えるような空気が作られているようです。
社外への情報発信も意識的にSDGsに絡めたものにしています。「協賛広告を出すときには、意識的にSDGsに関する話題を入れます。自社のSNSでの発信にはSDGsのタグも加えるようにしています」
こういったコミュニケーションの効果による好影響が出ています。「インターンシップには、SNSで当社のSDGsへの取り組みを知った大阪の大学生が参加してくれました。北海道のゼロ・エミ大賞の受賞は、協賛広告で当社の取り組みを知った苫小牧市役所が推薦してくれた結果です」

2022年10月1日に業務をスタートさせた新社屋は、DX時代を見据えた社員が働きやすく環境負荷の少ないオフィスで、立地は地域社会への社会的使命を踏まえ自然災害等有事の際の事業継続性を意識したものとなっていて、目標8<働きがいも経済成長も>、11<住み続けられるまちづくりを>、13<気候変動に具体的な対策を>に直結しています。ここにも大切なステークホルダーである社員や地域社会へのメッセージが込められています。
SDGsへの取り組みを具体化させる際に、社内では時期尚早ではないかとの声もあったそうですが、渡辺さんは「やるなら一番がいい」と押し切って始めたそうです。このトップのリーダーシップが、ステークホルダーの共感につながって、大きな推進力となっています。TOMASEIグループが、苫小牧エリアのSDGsへの取り組みをリードしていくことを期待したいと思います。

株式会社とませい(TOMASEIホールディングス株式会社)

北海道苫小牧市柳町2丁目2番8号
TEL.0144-82-7320
http://www.tomasei.net/

北海道でSDGsの目標達成に貢献する企業・団体

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