北海道の地域おこし協力隊 北海道で「地域おこし協力隊」になるためには?活動事例や気をつけることは?

2022年7月27日 公開

最近メディアでよく取り上げられている地域おこし協力隊。「そもそもどんな活動をしているの?」「どうやったら隊員になれる?」ここではそんな疑問にお答えします。

地域協力活動を通じて、地元を元気に、住民を元気に。

地域おこし協力隊とは、都市部に住んでいる人が人口減少や過疎化に悩む地方に移住して「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みのこと。その活動に取り組む方々を「地域おこし協力隊員」と呼びます。
この取組は、平成21年度からスタート。当初は隊員数も全国で90名ほどでしたが、令和3年度の地域おこし協力隊の全国の隊員数は、前年度から455名増の6,015名となっています。

隊員の活動は、地域ブランドや地場産品の開発、地場産業のサポートや地域コミュニティー活動、観光情報の発信など多種多様。協力隊隊員にとっては「自分の能力が発揮できる・地域に貢献できる」、自治体にとっては「町づくりの新しい視点が加わる・住民が増える」、地域にとっては「町に新しい風(刺激)が吹き込む」など、それぞれがメリットや魅力を享受できる取り組みといえるでしょう。

隊員は、自治体から委嘱を受け、1〜3年の任期で活動に取り組みます。もちろんその間は自治体から給与が支給される(総務省は、地域おこし協力隊員の活動に要する経費として隊員1人あたり報償費等280万円(原則)を含む上限480万円を財政措置)ほか、住居提供や公用車の使用を認められるケースも少なくありません。また、任期が終わってもその町で起業や就業・就職するなど、地域の新たな担い手として活躍される方も増えています。

一次産業から観光情報発信、そして新たなチャレンジまで。

では北海道の地域おこし協力隊は、どの自治体でどのような活動に取り組んでいるのでしょう。

北海道庁の総合政策部地域創生局地域政策課の近藤さん、藤沢さんに尋ねました。
「北海道内の令和3年度における地域おこし協力隊活用状況は、受け入れ市町村数は147。隊員数は809名と多くの方々に協力隊として活躍いただいています」

平成21年度から記録されているデータを見ても「隊員数」は、ほぼ右肩上がり。地元活性化のための有効策として定着されていることが伺えます。
「詳しくデータを見ると、隊員になる方の年齢は20代以下〜30代が約7割。また1割程度が50〜60代のシニア層となっています。また隊員になる前の居住地は、半数以上の方が道外からとなっており、移住につながる有効な施策の一つとして積極的に取り組んでいます」

活動内容を見ると、農林水産業への従事、観光資源の企画開発、観光サービス、地場産物のPRなど、それぞれの地域に特色があるように活動内容も様々です。

「中には地域の課題解決のために自治体と共同で新規事業に取り組んだり、人材育成に尽力する方もいらっしゃいます。自治体にとっては協力隊を招くために、どんなテーマでどう活動してもらうかを地域の方とも一緒に熟考することが大切であるといえますね」

隊員になるための最初の一歩は、綿密な情報収集。

北海道庁では地域おこし協力隊のサポートに取り組んでいます。「隊員になることを希望する方は、各自治体やニッポン移住交流ナビ「JOIN」のホームページ、求人情報などから情報を入手し応募するのが一般的です。我々は地域おこし協力隊のサポーター役として、道庁発行のジャーナル紙や隊員向けのメールマガジンを配信し、他の隊員の活動やサポート情報などを提供しています。さらに隊員向けや自治体職員向けの研修会の開催にも取り組んでいます」

ジャーナル紙の紙面やメルマガには、さまざまな経験談や苦労話、さらに任期終了後の生活やサポート・イベント情報などが掲載されています。

「北海道の場合は、任期終了後も70%以上の方に道内で定住・定着いただいており、協力隊の経験をその後の人生にどう生かして生活していくのかも活動中の大切なテーマとなります」

その一方、憧れや興味だけで協力隊になると予想外の苦労をするケースもあると聞きます。
「ですから、協力隊に興味がある方はまず、我々や自治体のホームページなどで情報収集することから始めていただければと思います。また応募前に気になる町の移住相談フェアに参加したり、町の担当者から説明を聞いたり、可能であれば一度その町を訪れ下見をしたりすることもおすすめします。自治体と協力隊のマッチングは非常に重要ですからね」

まとめ

◎過疎化等に悩む北海道の町の活性化に貢献する「地域おこし協力隊」
◎主に一次産業従事、観光サービス、地場産物のPR、新規事業に取り組む
◎自治体の求人や移住専用サイトを通じての応募が基本一般的
◎自治体とのマッチングが大切。事前に細かな情報収集を

お話しを聞いたのは

北海道総合政策部地域創生局地域政策課
左:藤沢壮太さん
右:近藤洋平さん

北海道の地域おこし協力隊

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