私たちは名古屋に暮らしていて、当初は瀬戸内海エリアのまちに移住しようと考えていました。けれど、「移住フェア」で上川町と出会い、「KAMIKAWORK」というユニークな働き方・活動を知って心が揺れ動き始めたんです。私たちは飲食業界の経験がないものの、将来的には夫婦で喫茶店やホットドッグ店を開きたいと思っていました。上川町の地域おこし協力隊は、任用期間の終了後に飲食店開業を目指せると聞いて決意が固まったんです。
地域おこし協力隊の活動では、フードプロデューサーとして「大雪かみかわ ヌクモ」のカフェスペースで働き、任用期間終了間際にいよいよ独立の段取りが整いました。ホットドッグ店に使用するソーセージは、ヌクモのカフェで提供していた精肉加工店「山麓の四季」のソーセージがピッタリだと確信。実は地域おこし協力隊の活動と並行して加工の修行もさせてもらっていました。そこで、山麓の四季のオーナーである安部さんを訪れたところ、その場で「跡を継がない?」と思わぬ打診をいただいたんです。まったくの想定外で頭の中が真っ白になりましたが、このソーセージがないと僕の理想とするホットドッグが作れないと思ったので、二つ返事で「継ぎます!」と答えました。
しかも、安部さんが経営していた居酒屋もコロナ禍で休業状態だったため、店舗も貸してもらうことになりました。ありがたい限りですし、飲食業の経験がない私たちを「KAMIKAWORK」のフードプロデューサーとして受け入れてくれたからこそ、つながったご縁。今は、ホットドッグ店の運営に加え、ソーセージやハムづくりも継承し、忙しい日々を送っています。やりたいことが実現でき、人生が本当に充実しています。