若手農家たちと老舗メーカーが生んだ新スイーツ「ナッツペーストシェイク」【池田食品株式会社】
2025年4月28日 公開
北海道産豆・ナッツの応援をしてきたメーカー
「当社では、かねてから他社との差別化や地産地消のために、北海道産の豆・ナッツ類の活用に力を注いできました。2000年には私の父であり現会長の池田光司が『札幌圏豆くらすたあ』を立ち上げ、北海道産の豆や素材を活用した商品開発への取り組みを開始しています。2010年代には産官学の連携で落花生の試験栽培が各地で始まったことを機に、私たちも生産地の視察や活用方法の模索をしてきました」
こうした中、同社が注目したのが「MEMURO PEANUTS」。十勝地域で一般的な畑作4品(甜菜・豆類・ジャガイモ・小麦)に、5つ目として落花生を名産品にしようと、高い志で活動している若手農業家たちの団体でした。
「本来、落花生は温暖な気候でしか育たず、収穫後には天日干しが必要なため、北海道での栽培は不向きです。しかし彼らは独自の栽培方法を確立し、産業化に挑んでいました。とはいえ立ち上げ当初は品質が安定せず、流通が難しい商品も少なくはない…そんな悩みを聞いた父が『努力した作物が無駄になるのはもったいない』と立ち上がり、当社での商品開発がスタートしました」
営業マンの勧めで偶然から生まれた商品
「これらはすべて、素材そのままの形を生かしているため、実が不ぞろいな〝ハネ品〟を使用することができません。自分たちの持つ技術で解決できないか模索しましたが、落花生特有の殻や薄皮を除いて加工する設備がないことが壁として待ち構えていたんです」
壁を打ち破ったのは、ある製造機械メーカーの営業マンが勧めた意外な製品でした。
「オレンジを搾るために開発された海外製ジューサーで『ものすごくパワーがあるので、ナッツも搾れますよ』と勧めていただいたんです。恐る恐る落花生のむき身を入れると、粒の食感と甘みが際立つペーストが出来上がったんです」
ただし、そのままでは落花生の薄皮独特の渋みが際立ち、食べにくい。そう悩んでいたところ、再びある機械が目に留まりました。
「以前から本店限定で提供していたソフトクリームを製造する機械でした。ペーストを入れてみたところ、牛乳の甘味やクリーミーさと渋みがマッチ、更に素材の味わいを生かしつつ、飲みやすいシェイクが出来上がったんです」
2020年9月から販売開始した同商品は、そのおいしさと本店限定という稀少さも相まってたちまちヒットを記録しました。池田さんご自身も「妻からよく、帰りに買ってきてと言われるんです」と笑います。
より北海道に愛される菓子メーカーを目指して
「コロナ禍でお土産品として菓子の需要が急落した時、幸い弊社はダメージが少なかったんです。その理由は、地元・北海道のお客様が支えてくれたからに他なりません。どんなに大きなメーカーになっても、地元に愛されることが何よりも大切、そう痛感させられた出来事でした。だからこそ、地元生産者を応援するのはこれからも責務だと感じています」
「メムピー」の生産地、芽室町には毎年視察に行っているという池田さん。この先も加工・販売という〝出口〟をつくることで、北海道の生産者たちを支えていきたいと言葉を継ぎます。
「メムピーの他にはない味わい深さにはこの先もまだまだ可能性を秘めていると感じています。十勝のあの雄大な大地で汗を流す、若き生産者さんたちの姿を見ると、我々ももっと頑張らなきゃいけないと、そう緒をギュッと締めたくなるんです」
ここがこだわり!開発のポイント
池田食品株式会社
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