北海道発!商品誕生エピソード【元気!ドッグフード/NPO法人 ゆうきの里おおつかふぁーむ(新篠津村)】
2018年10月22日 公開

家族同様の存在だから、人間と同じように安全・安心な食べ物を与えたい。そんな飼い主の願いをカタチにした、道産有機野菜が原料のペットフードが「元気!ドッグフード」。新篠津村で農業を営む傍ら、その製造販売を手がける大塚裕樹さん早苗さんご夫妻を訪ねました。
化学肥料や農薬に頼らない農業を貫いて
「就農時は通常の栽培でしたが、しばらくすると農薬のせいなのか体調を崩してしまって。人工的な肥料や薬品は自分には合わないと感じ、有機農法を始めることにしました」
まだ“有機”という言葉すら定着していなかった時代。当初は試行錯誤の繰り返しでしたが、独自にノウハウと技術を積み重ねた現在はミニトマトやニンジン、かぼちゃなど二十種を超える農作物を化学肥料や農薬を使わずに栽培しています。その一方当農園は、地元の障がいを持つ方々を積極的に雇用する、『農福連携』の先駆としても知られています。
障がい者施設の方々の協力を仰ぎながら商品化
「郊外量販店の収穫イベントに参加した際、ペット同伴のお客様がとても多いこと、さらに販売されているペットフードが添加物だらけであることにも驚きました。そこでふと、うちの野菜が役に立つのではと考えたんです」と語るのは奥様の早苗さん。 有機農法は形の良い野菜を作ることが難しいため毎年多くの野菜が廃棄処分となっていたことや、障がい者雇用を拡大できることも早苗さんのアイデアの追い風となりました。早苗さんはさっそく親交のある施設に出向き製造や商品化のミーティングに取りかかります。
「原料は農場で採れたニンジンやかぼちゃなど。それを洗浄・カットした後、蒸して冷凍保存するまでが大塚ファームの工程。その後は施設で、海産物やシカ肉などをミックスしステック状に加工していただくことにしました。もともと施設ではペットフード加工のノウハウを有していたので、試作や改良などもスムーズ。周囲の方々の協力もありおよそ半年ほどで商品化にこぎつけました」
完成した商品は、「有機にんじん&えぞ鹿肉ジャーキー」「有機かぼちゃ&たらジャーキー」「有機さつまいも&ほっけジャーキー」「有機ほしいも」の全4種類。
「もちろんすべて無着色・無発色・無漂白。低カロリーな上にビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も豊富。ワンちゃんの健康を第一に考えたペットフードと自負しています」
有機栽培に対する理解が広がっていくのがうれしい
「道産有機野菜ということもあり、旅行者やビジネスマンにも人気。添加物の少ない自然に近い食べ物だからか、ワンちゃんたちの喜びようが違うんですという声も頂いています」
こうした商品に対する評価に加え、有機栽培という農法が市民権を得ていくこともうれしいと大塚ご夫妻。
「通常の栽培と有機栽培。そのどちらが正しいとかではなく、さまざまな栽培法があること、それを消費者が自由に選択できるということを、多くの方に理解してほしい。このペットフードは、こういった私たちのメッセージを伝える広告塔でもあると思っています」
ここがこだわり!開発のポイント
大塚ファームで栽培されている安心・安全・高品質の有機野菜が主原料。どれも高タンパク質+低脂肪だからヘルシー!
スティックジャーキータイプと適度な硬さの干しいもタイプを用意。ワンちゃんが好む味わいや食べやすさにも配慮。
鉄分やカルニチンが豊富なエゾシカ肉、高カルシウム含有のタラやホッケなど、体調管理にも最適な素材をブレンド。
-
NPO法人 ゆうきの里おおつかふぁーむ
大塚裕樹さん・早苗さん -
ワンちゃんが好む味わいや食べやすさにも配慮したスティックジャーキータイプ(下)と干しいもタイプ(上)。
-
ご家族での収穫作業の様子。このさつまいもも原料に。
NPO法人 ゆうきの里おおつかふぁーむ

- 前のページへ
- 次のページへ
北海道発!商品誕生エピソード
最新記事5件
商品の誕生の経緯について、同社代表取締役の池田浩輔さんにお話を伺いました。
商品開発の経緯や、お菓子作りへの思いを代表の柴田愛里沙さんに伺いました。
スパイスマニアでありながら、中学生のお子さんを育てるお母さんでもある小杉さんに、商品への熱い思いを伺いました。
固形物を食べることもままならない患者のために開発したチョコレートが「andew(アンジュ)」について、開発者の中村さんにお話を伺いました。
開発までの道のりや今後についてお話を伺いました