老舗ホテルの屋上で養蜂!?都市型養蜂ではぐくむサステナブルなホテルづくり。【株式会社グランビスタホテル&リゾート】
2025年9月22日 公開
全国でリゾート事業を展開する株式会社グランビスタ ホテル&リゾート。同社が運営する札幌パークホテルは2014年、札幌市内に自社農園「グランビスタ ファームサッポロ」を開園、2022年には、ファーム事業の一環としてホテルの屋上で養蜂を開始しました。ユニークな事業を始めた経緯や今後の展望について、同ホテル副支配人の石立隼人さんにお話を伺いました。
ホテルのファームではぐくまれる
新鮮な野菜とホスピタリティ
養蜂事業に先駆けて始まった「グランビスタ ファームサッポロ」は、ブランドステートメント「地域の価値で、未来を変えていく。」を具現化するために2014年に立ち上げられたプロジェクト。副支配人の石立さんもこの事業を支えてきた一人です。
「西区の小別沢という、都市部近郊にありながら自然豊かな土地に、100平米ほどの農園をつくりました。肥料や農薬を使わない『木村式農法』を取り入れて、毎年トマトやズッキーニ、フルーツほおずき、じゃがいもなどを栽培しています。更にホテル内のレストランでこの野菜を料理に使い、国内外問わず多くのお客さまにご好評いただいてきました」
ホテルの料理長とも話し合い、開発したレシピに合わせて栽培野菜を選定するなど、レストランとの連携事業としても広がりを見せているというこの事業。更に、「畑で育つのは野菜だけではありません」と石立さんは続けます。
「市街地から1時間足らずで訪れることのできるファームは、若手社員の研修の場としても活用されています。畑を耕し、水をやり、草を取る…そんな一つひとつの作業を通して、自分たちが提供するものがどのようにしてはぐくまれているのかを肌で感じることで、より丁寧なホテルサービスを心掛ける意識が生まれるんです」
「西区の小別沢という、都市部近郊にありながら自然豊かな土地に、100平米ほどの農園をつくりました。肥料や農薬を使わない『木村式農法』を取り入れて、毎年トマトやズッキーニ、フルーツほおずき、じゃがいもなどを栽培しています。更にホテル内のレストランでこの野菜を料理に使い、国内外問わず多くのお客さまにご好評いただいてきました」
ホテルの料理長とも話し合い、開発したレシピに合わせて栽培野菜を選定するなど、レストランとの連携事業としても広がりを見せているというこの事業。更に、「畑で育つのは野菜だけではありません」と石立さんは続けます。
「市街地から1時間足らずで訪れることのできるファームは、若手社員の研修の場としても活用されています。畑を耕し、水をやり、草を取る…そんな一つひとつの作業を通して、自分たちが提供するものがどのようにしてはぐくまれているのかを肌で感じることで、より丁寧なホテルサービスを心掛ける意識が生まれるんです」
四季折々の味も魅力な
ホテルならではの養蜂
同ホテルが農園事業を更に発展させるべく、2022年に誕生したのが「都市型養蜂事業」。なんとホテルの屋上で養蜂を行うというユニークな取り組みです。
「中島公園に隣接し、季節ごとの花々に囲まれた当ホテルならではの特徴を生かしています。始めは外部企業の協力を得て、本州で採取した健康な女王蜂を迎え入れ、巣箱の設置を試みました。最初はなかなか蜂が帰巣せず苦戦していたのですが、設置場所を何度か変えるうちに、安定してはちみつが採れるようになっていきました」
今ではなんと、30キログラムものはちみつが採れるようになったそうで、採取したはちみつは瓶に詰めてホテル内で販売している他、朝食ブッフェでも提供しています。
「季節ごとに味が異なるのも、当ホテルのはちみつの魅力です。例えば春に採れる桜由来のはちみつはさらりとした舌触りで、あっさりとした甘味の後に、ほんのり桜の風味が広がります。初夏を迎えるころには、ほろ苦く、ハーブの香りが特徴のシナノキのはちみつが採れるんです。四季折々の花が咲く中島公園に隣接しているからこその楽しみ方だと思います」
「中島公園に隣接し、季節ごとの花々に囲まれた当ホテルならではの特徴を生かしています。始めは外部企業の協力を得て、本州で採取した健康な女王蜂を迎え入れ、巣箱の設置を試みました。最初はなかなか蜂が帰巣せず苦戦していたのですが、設置場所を何度か変えるうちに、安定してはちみつが採れるようになっていきました」
今ではなんと、30キログラムものはちみつが採れるようになったそうで、採取したはちみつは瓶に詰めてホテル内で販売している他、朝食ブッフェでも提供しています。
「季節ごとに味が異なるのも、当ホテルのはちみつの魅力です。例えば春に採れる桜由来のはちみつはさらりとした舌触りで、あっさりとした甘味の後に、ほんのり桜の風味が広がります。初夏を迎えるころには、ほろ苦く、ハーブの香りが特徴のシナノキのはちみつが採れるんです。四季折々の花が咲く中島公園に隣接しているからこその楽しみ方だと思います」
はぐくんできた価値観を
レガシーとして託したい
同ホテルでははちみつを使用したオリジナルスイーツもパティシエたちと開発してきました。第一弾として2024年4月に「北海道はちみつ生カステラ」が誕生、今年6月には「北海道はちみつブルーチーズケーキ」を発売しました。
「北海道産生乳から作られた『くろまつないブルーチーズ』を使用し、あえて均一に練り込まず、ゴロっとしたチーズの塊がところどころに残るように作りました。青カビ由来の独特の香りと熟成された塩味に、お酒が進むという声も多数いただいています」
一方、新たな開発だけでなく、食品ロスの削減にもより一層注力していきたいと話す石立さん。2027年には老朽化による建て替えのため、閉館を予定している同ホテルですが、農園や養蜂事業で築き上げてきた価値をレガシーとして継承していきたいと続けます。
「ブッフェや宴会など、食事の形式によっては食品廃棄量が増えてしまうのがホテル業界全体の課題です。現在も手付かずの料理を従業員食堂で利用するなど、お客さまから直接見えない所でもサステナブルな取り組みを行っています。今後も変わらず、地域の価値を創造・発信し、社会課題に向き合い続けるホテルづくりを目指していきます」
「北海道産生乳から作られた『くろまつないブルーチーズ』を使用し、あえて均一に練り込まず、ゴロっとしたチーズの塊がところどころに残るように作りました。青カビ由来の独特の香りと熟成された塩味に、お酒が進むという声も多数いただいています」
一方、新たな開発だけでなく、食品ロスの削減にもより一層注力していきたいと話す石立さん。2027年には老朽化による建て替えのため、閉館を予定している同ホテルですが、農園や養蜂事業で築き上げてきた価値をレガシーとして継承していきたいと続けます。
「ブッフェや宴会など、食事の形式によっては食品廃棄量が増えてしまうのがホテル業界全体の課題です。現在も手付かずの料理を従業員食堂で利用するなど、お客さまから直接見えない所でもサステナブルな取り組みを行っています。今後も変わらず、地域の価値を創造・発信し、社会課題に向き合い続けるホテルづくりを目指していきます」
株式会社グランビスタ
ホテル&リゾート
1958年(昭和33年)北海道不動産株式会社として設立。全国でホテル、レストラン、ゴルフ場などを展開する総合リゾート企業へと発展し、北海道でも札幌グランドホテル、札幌パークホテル、ホテルゆもと登別、苫小牧ゴルフリゾート72を運営している。
東京都千代田区内神田二丁目3番4号
https://www.granvista.co.jp/
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