お話を伺ったのは広報企画部川崎玲奈さん。
「弊社がSDGsに関する取り組みを始めたのは2019年。代表の安藤がSDGsセミナーに参加したことがきっかけです。その後グループ企業にSDGsに関する事業活動を提案しましたが、社員たちの意識を変えるには至らず、対応策を模索する日々が続きました。何度かディスカッションを重ねる中で、『理解してもらうには目に見える具体的な活動に取り組む必要がある』という結論に至り、グループ企業の中枢というノースジニアスの強みを生かし、動画サイトの制作をスタートさせたんです」
SDGs活動というと、環境保全に配慮し業務を改善するなど社内活動から手掛けるのが一般的。あえて社外の活動を紹介しようと考えた理由は何でしょう。
「まず私たちがSDGsの知識を蓄えることが必要だろうと考えました。また各企業のSDGsの様子やそこに寄せる思いを伝えることで、企業間に支援や交流などのパートナーシップの輪が広がり、より具体的にSDGsの達成に近づけるのではとも思ったんです」
North SDGs Mediaに挙げられた動画を閲覧してみると、国内外の子どもの支援に取り組む保育園、フードロスの削減とその啓蒙を行う飲食企業、介護の仕事のやりがいを伝える社会福祉法人など、SDGsに関するさまざまな取り組みがインタビューや画像などを通じて分かりやすく紹介されています。
「これまで取材させていただいた法人・個人の動画は25点ほど。ご覧の通り業界も活動内容も千差万別です」
取材先探しは社員や知人からの紹介がメインですが、時には企業サイドから取材を依頼されるケースもあるとか。そこから事前打ち合わせ、シナリオ作り、当日のMC、撮影から編集、更に動画サイトへのアップロードまで、制作運営のすべてを広報企画部が担当します。
「撮影は三脚で固定したスマホ、編集も社内のパソコンなど、設備はすべて自前です。最初のころこそ緊張しましたが、回を重ねるにつれ各企業のSDGsの要点や活動に寄せる思いなどを少しずつ引き出せるようになりました」
取材はコンスタントに月2本ペース。どの取材も興味深い内容でしたが、ユニークなものでは毎日大量に出る『溶けたロウソクのロウ』の再利用に取り組む、お寺の住職の取材もあったとか。視点を広げればあらゆる仕事、あらゆる生活の場面にSDGsへと通じる道がある、そんなメッセージにも思えてきます。
「子ども食堂に取り組む方の温かな気持ちに触れて胸が熱くなったり、ジャパンSDGsアワードを受賞した九州の商店街のお話に強く共感することもあったり。SDGsに関する新たな知識を自分たちの財産として蓄積していけたことも、この取り組みの大きな収穫でした」