北海道でSDGsの目標達成に貢献する企業・団体 北海道でSDGsの目標達成に貢献する【株式会社奥野工務店】(札幌市)

2021年7月14日 公開

株式会社奥野工務店は注文住宅を中心に、リフォーム・リノベーションやオリジナル企画住宅も手がける「まちの工務店」。同社が徹底的にこだわり、業界内でも高い評価を得ているのが「高気密」と「高断熱」の施工です。代表取締役の奥野諭さんが、SDGsの推進につながる住まいづくりについて教えてくれました。

地域の企業や職人と手を携え、人にも環境にもやさしい家を。

住む人が心地よく、エネルギーの消費やCO2の排出も抑えられる住宅。

同社が展開する札幌市内のモデルハウスは、初夏の陽気にも関わらず、室内はひんやりとしています。けれど、エアコンが動いているわけではありません。
「当社が得意とする『パッシブ換気システム』や『ソトダン21工法』を採用した家は、冬に暖かいことはもちろん、夏も快適な室内環境を保てるのです」
同社では家全体を外側から気密材・断熱材ですっぽり包み込むイメージの「ソトダン21工法」と、隙間という隙間をなくす丁寧な施工によって、高い気密性と断熱性を確保。さらに、暖かい空気は上昇するという自然の原理を利用した「パッシブ換気システム」が新鮮な外気を給気した上で、機械を使わずに計画自然換気を行っています。
「例えば、冬は外気が地中の熱や床下に設置した放熱器(暖房機)などで温まり、壁内に設けた空気の通り道で対流します。家中をくまなく循環した暖気は、汚れた空気として屋外に排出される仕組みです。高気密・高断熱だからこそ、夏場は室内が涼しく保てます」
つまり、住む人にとっては心地よく、暖房をはじめとするエネルギーの消費やCO2の排出もぐっと抑えられる省エネ住宅。年間光熱費が北海道の平均よりも10万円近くコストダウンできるケースもあるといいます。

体にやさしく、地域を活気づけるような北海道らしい家づくりを。

奥野さんは30年近く前から、暖房を使わなくても暖かい家づくりを目指してきました。
「当初はハウスメーカーや工務店との差別化を図るのが大きな目的でした。ただ断熱を厚くするだけでは結露やカビ、木材が腐るなどの問題が起きるため、気密や換気も含めた環境配慮型の住まいづくりに早い時期から着目したわけです。私自身がアレルギー体質ということもあり、とりわけ室内の空気環境を向上させることを強く意識しました」
同社の家は冬も夏も温度差が少ない室内環境を生み出し、急激な温度変化による体への負担を和らげることができます。また、無垢材や「呼吸する壁紙」といった自然素材をふんだんに用いることで、体にやさしい空間に仕上げているのも特徴です。
「地域の街並みを作り出しているのは家だと思います。地域に根ざした企業が地域の素材を使い、北海道の景観にふさわしい住宅をデザインする…そして、長寿命な高性能住宅を地域の職人とつくることが、街の活気につながると私たちは考えています。地域の企業や人と連携し、愛着の持てる家づくりを続けることで、まちづくりの一翼を担いたいですね」
極端にいえば、同社は30年以上も前からSDGsに取り組んでいたといえます。今後の目標についても、「原点」からズレはありませんでした。
「このモデルハウスは当社で初めて2階に暖房機を設置せず、『パッシブ換気システム』と床下暖房4台のみで家中を暖められる構造に仕上げました。暖房時間を短く、エネルギー消費を抑えられる家づくりはまだまだ突き詰められると思っています」

株式会社奥野工務店

北海道札幌市白石区本通8丁目北6-7
TEL.011-861-8754
https://www.okuno-kk.com/

北海道でSDGsの目標達成に貢献する企業・団体

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