AWL株式会社は2016年、東京都中央区にて、エーアイ・トウキョウ・ラボ株式会社として創業。代表の北出宗治さんが、北海道大学でAIを研究する川村秀憲教授と出会い、「AIを社会実装する」を合言葉にタッグを組んだのがスタート地点だ。
「創業当時は、ディープラーニング(機械学習の手法)の期待値が高く、AIが確実にメインストリームになる未来が見えていました。僕はもともと大手企業の社員として、IT先進地の米国カリフォルニア、シリコンバレーで新規事業の創出に携わっており、現地でもスタートアップや世界をリードするサービスが次々と誕生するのを目の当たりにしています。その熱気を自らも作り出したいと、2017年からAWLに参画したんです」
同社のサービスを代表するのが既設のセキュリティーカメラをAI化する「AWLBOX(アウルボックス)」。大手ドラッグストアチェーンの母体・サツドラホールディングスと業務提携し、研究開発や商品企画、実証実験を重ねる過程の「ひらめき」から生まれたという。
「当社の専門分野は『エッジAI』と呼ばれる端末自体にAIを搭載する技術です。主要顧客である小売店の課題解決に、AIを組み込んだカメラを新設する手法を考えていましたが、部材を揃えるだけでも莫大なコストがかかります。頭を悩ませていた時、多くの店舗にはすでに防犯カメラが設置されていたことに気づき、その映像を集めて効率的にAI処理するとコストが抑えられるのではないかとひらめいたんです」