ジョブキタ流!北海道転職白書 【フレックス?みなし労働?】転職前に知っておきたい求人広告の読み方〜勤務時間、勤務制度編

2023年8月18日 公開

求人広告を読む際には、給与や仕事内容、勤務地も重要ですが、勤務時間や勤務制度についても確認しておきたいところです。本記事では多くの企業で採用されている、みなし労働時間制、裁量労働制、フレックスタイム制のメリット・デメリットなどについて解説しています。

勤務時間にはさまざまな仕組み・制度がある

勤務時間と言うと8時〜17時のように、毎日朝から夕方までの所定の時間を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、一口に勤務時間と言ってもさまざまな制度があり、また職種・業種によっても異なります。まずは勤務時間に関する基本的な用語について確認しておきましょう。

◎勤務時間:始業時刻から終業時刻までの時間
◎労働時間:勤務時間から休憩時間を引いた時間
<例>始業時刻が8時、終業時刻が17時、休憩時間が1時間の場合、勤務時間は9時間、労働時間は8時
◎所定労働時間:企業が就業規則で定める労働時間
◎勤務体系:勤務日や勤務時間帯、勤務頻度などの働き方を表す言葉

みなし労働時間制とは?残業代は?メリット・デメリットも解説

外回りの営業や在宅勤務のように、実際の労働時間を会社が把握しづらい場合や、専門性が高い仕事で労働者が時間管理をする方が効率的な場合などに、事前に決められた時間を働いたと「みなす」、みなし労働時間制が採用される場合があります。みなし労働時間制は、実際に働いた時間に関わらず、所定の時間働いたとみなされる制度です。そのため、例えばみなし労働時間が8時間の場合、7時間で業務が終了しても8時間分の給与が支払われます。効率よく仕事を進めることで、自由時間が増え、生活の充実につながるでしょう。始業や終業、休憩時間が自由な点もメリットです。

ただし、同じ事例で9時間業務しても、支払われる給与は原則変わりません。効率的に業務を進めていける人に向いている勤務体系だと言えるでしょう。ちなみに、みなし労働時間制を採用している企業では残業手当がつかないと思う人もいるかもしれません。しかし、みなし労働時間制においても、設定されたみなし労働時間が所定・法定労働時間(1日8時間)を超過している場合、その分の残業手当は支給されます。

裁量労働制とは?メリット・デメリットと注意点を解説

裁量労働制はみなし労働時間制の一種です。実際に働いた時間とは関係なく、あらかじめ定められた時間働いたものとみなされ、給与が支払われます。裁量労働制は、専門的・創造的で労働者に労働時間の設定をゆだねざるを得ない場合に設けられる制度です。

裁量労働制もみなし労働時間制の一種ですので、基本的なメリット・デメリットはみなし労働制と同様です。裁量労働制では、仕事を完結させるまでの時間やプロセスを自分でコントロールできます。求められる成果を出すことができれば、何時から何時まで働くかは個人の自由です。

そのため、自分のペースで効率的に働ける人にとっては働きやすく、普通に働くよりも短い労働時間で仕事を終えられるかもしれません。一方で、みなし労働時間だけで満足な成果を上げられないような状態だと、労働時間も多くなり、思うような成果も出せない可能性があります。成長意欲が高く、将来のキャリアビジョンも明確になっているような方に向いている働き方と言えるでしょう。

フレックスタイム制とは?メリット・デメリットと向いてる人

フレックス(flex)とは柔軟性という意味で、フレックスタイム制とは、従業員がそれぞれで始業時刻と終業時刻を自分の都合に合わせて設定できる制度です。フレックスタイム制度の下では、一定の期間について定められた総労働時間があり、その範囲内で始業と終業時間を個人が自由に決められます。ただし、完全に自由と言う場合はあまりなく、通常は就業規則によって一定のルールが定められています。

よくあるルールとしては、「コアタイム」です。具体的には、12時〜15時がコアタイムとして設定されていれば、その間は必ず出社しなければなりません。そして、例えば所定の1ヶ月に働く時間が160時間と決められている場合、1カ月に働く時間が160時間になる必要があります。つまり、今回の例では、「12時〜15時には出社している」「月に160時間働く」を満たす範囲で、始業時間と終業時間を決めることができます。

フレックスタイム制のメリットは、自分の都合に合わせて出社できることです。「子どもを朝9時に保育園に送らなければならないから、出社を10時にする」「通院があるから退社を16時にする」など、フレキシブルに勤務時間を設定できます。ただ、フレックスタイム制は、従業員がそれぞれで勤務時間を設定できるため、従業員間の連携で不具合が生じる可能性もあります。「他部署の人に緊急で確認したいことがあるのに出社していない」「多くの部署の人が参加する会議の開催時間設定に苦労する」という不便さを感じることもあるかもしれません。

まとめ

従来は特殊な勤務体系を採用していなかった企業の中でも、コロナ禍を機に働き方が変わった企業もあります。今回は触れていませんが、テレワークもその一つで、コロナ禍が落ち着いた後も引き続き一定数の企業はテレワークを採用し続けるものとみられます。

日本全体として、多様な働き方が促進される中、みなし労働時間制やフレックスタイム制などを導入する企業も、さらに増えるかもしれません。

自分がどのような働き方を望むのかを考えるとともに、面接などでしっかりと労働時間について気になる点を確認しましょう。

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