「好き」をシェアして、心に余白を作る本棚を。「よはくの本やさん」。
2026年2月16日 公開
札幌市電沿いに2025年12月にオープンした「よはくの本やさん」は、誰もが定額で書店主になれるシェア型書店です。代表の小川順子さんに開業までの道のりと、お店に込めた思いを伺いました。

店主の小川順子さん。「70代の棚オーナーの本を小さな子が買っていったり、小学1年生同士が互いに本を買っていったり…、世代を超えて本が旅立っていく景色を楽しんでいます」。
小さなころの思い出が
店作りの原点。
小川さんのご出身は、十勝の浦幌町。ご実家は牧場と畑を持つ兼業酪農家で、幼いころは隣町の本別町にある小さな本屋に行くのが唯一の楽しみだったそうです。
「4人兄妹の末っ子だったので、本もおもちゃもお下がりばかりの家庭でした。でもここに行く時は好きな本を買ってもらえましたし、何よりお店のお姉さんがとても優しくて好きだったんです」
地元の畜産大学を卒業した小川さんは、新卒で近隣の農業団体に就職。総務、人事労務、経理を中心に、時には会報誌の編集や直営スーパーのスタッフまで、16年間で実に幅広い仕事をしていたそうです。その後は転職を経て約40年を過ごした十勝を離れ札幌へ。起業を決意したのは、ベンチャー系企業で人事として働き始めたのがきっかけでした。
「勢いのある会社で、常にアイデアや熱意あふれる人たちに囲まれている環境でした。私は人事担当として面接や選考にかかわる機会も多くいただいたのですが、入社した方たちが社内で活躍するのを見て、私までうれしい気持ちになったんです。そんな時、人と人の出会いの場を自分なりに形にしたいという思いが芽生えてきました」
「4人兄妹の末っ子だったので、本もおもちゃもお下がりばかりの家庭でした。でもここに行く時は好きな本を買ってもらえましたし、何よりお店のお姉さんがとても優しくて好きだったんです」
地元の畜産大学を卒業した小川さんは、新卒で近隣の農業団体に就職。総務、人事労務、経理を中心に、時には会報誌の編集や直営スーパーのスタッフまで、16年間で実に幅広い仕事をしていたそうです。その後は転職を経て約40年を過ごした十勝を離れ札幌へ。起業を決意したのは、ベンチャー系企業で人事として働き始めたのがきっかけでした。
「勢いのある会社で、常にアイデアや熱意あふれる人たちに囲まれている環境でした。私は人事担当として面接や選考にかかわる機会も多くいただいたのですが、入社した方たちが社内で活躍するのを見て、私までうれしい気持ちになったんです。そんな時、人と人の出会いの場を自分なりに形にしたいという思いが芽生えてきました」
人の出会い作りから
人の思いが集まる場へ。
2024年10月、夢に向けたヒントを得るため、小川さんは仕事を退職しマイカーで旅へ出ることにしました。函館からフェリーに乗り、青森から四国までをぐるりと巡るおよそ1カ月半もの長い旅。その道中で出会ったのが「ものづくり」です。
「古くからの産業や伝統工芸の残る北陸や中国地方、それから四国でさまざまな作家さんと出会う中で聞こえてきたのが『作っても売る場が無い』という声でした。人と人だけでなく、人とモノや、モノに込めた思いが交差する場を作りたい…そんな時に思い浮かんだのが、シェア型書店の存在です。これまでの点と点がつながったような瞬間でした」
シェア型書店は本棚ごとに「棚オーナー」と呼ばれる店主がいて、使用料を払うことで自らが好きな本を販売できる形式。月に数千円という低価格で、誰もが本屋になれるという魅力から、近年全国に増えつつある新たな書店の形です。小川さんはここに本だけでなく、ハンドメイドのアクセサリーやクラフトといった作品も置ける形を作ることにしました。
更に店名の「よはくの本やさん」にも、小川さんの深い思いが込められています。
「私自身、転職に失敗して体調を崩した経験をして以来、いつも心に余白を持つよう心掛けてきました。棚オーナーさんの中にはかつての私のように、仕事に埋もれながら過ごしたり、時には悩んだりしている方がいるはずです。そんな方たちが本棚に詰め込んだ『好き』が旅立つと、本棚に新たなスペースが生まれ、同時に心の中に余白が生まれるんじゃないかと考え、この名前を付けたんです」
「古くからの産業や伝統工芸の残る北陸や中国地方、それから四国でさまざまな作家さんと出会う中で聞こえてきたのが『作っても売る場が無い』という声でした。人と人だけでなく、人とモノや、モノに込めた思いが交差する場を作りたい…そんな時に思い浮かんだのが、シェア型書店の存在です。これまでの点と点がつながったような瞬間でした」
シェア型書店は本棚ごとに「棚オーナー」と呼ばれる店主がいて、使用料を払うことで自らが好きな本を販売できる形式。月に数千円という低価格で、誰もが本屋になれるという魅力から、近年全国に増えつつある新たな書店の形です。小川さんはここに本だけでなく、ハンドメイドのアクセサリーやクラフトといった作品も置ける形を作ることにしました。
更に店名の「よはくの本やさん」にも、小川さんの深い思いが込められています。
「私自身、転職に失敗して体調を崩した経験をして以来、いつも心に余白を持つよう心掛けてきました。棚オーナーさんの中にはかつての私のように、仕事に埋もれながら過ごしたり、時には悩んだりしている方がいるはずです。そんな方たちが本棚に詰め込んだ『好き』が旅立つと、本棚に新たなスペースが生まれ、同時に心の中に余白が生まれるんじゃないかと考え、この名前を付けたんです」
棚オーナーと共に
店作りをしていきたい。
「よはくの本やさん」は2025年12月にオープンを迎え、現在約80人が棚を契約済み。オーナーは将来本屋を開きたいという目標を持つ人や、手作り本「ZINE」を作る人、プロの小説家から大学教授、一家で棚を借りている家族まで実にさまざま。意外なことに札幌市外の人が利用するケースも多く、愛知県や福岡県、更にはイギリス在住の方もいるとか。
「売上の管理や接客はすべて当店で行っていますので、棚オーナーさんには棚に置く本や作品を準備していただくだけでご利用ができます。遠方の方はもちろん、お忙しい方や販売のノウハウが無い…という方も安心できるのがメリットだと思います。気軽にオーナーになってもらうことで、以前の私のように『何かを始めたいけど、なかなか行動に移せない』という方の第一歩を応援する、そんなお店でありたいと思うんです」
小川さんは店作りを通して、心が通じ合う仲間が集う場所にしていきたいと語ります。
「最近ではオーナー同士で意気投合し、イベントを企画したり、仕事を紹介し合ったりと、『本』や『作品』を共通項に新たな動きが生まれている実感があります。私が思い描いていた『つながりが生まれる場としての本屋さん』が現在進行形で作られていくようで、とてもうれしいです。それでも私一人ではまだまだ力不足。棚オーナーとして一緒にお店作りをしてくれる仲間をいつも心待ちにしています」
「売上の管理や接客はすべて当店で行っていますので、棚オーナーさんには棚に置く本や作品を準備していただくだけでご利用ができます。遠方の方はもちろん、お忙しい方や販売のノウハウが無い…という方も安心できるのがメリットだと思います。気軽にオーナーになってもらうことで、以前の私のように『何かを始めたいけど、なかなか行動に移せない』という方の第一歩を応援する、そんなお店でありたいと思うんです」
小川さんは店作りを通して、心が通じ合う仲間が集う場所にしていきたいと語ります。
「最近ではオーナー同士で意気投合し、イベントを企画したり、仕事を紹介し合ったりと、『本』や『作品』を共通項に新たな動きが生まれている実感があります。私が思い描いていた『つながりが生まれる場としての本屋さん』が現在進行形で作られていくようで、とてもうれしいです。それでも私一人ではまだまだ力不足。棚オーナーとして一緒にお店作りをしてくれる仲間をいつも心待ちにしています」
よはくの本やさん
札幌市電「西15丁目」駅付近に2025年12月にオープン。オーナーがセレクトした本の他、自作のアートやクラフト作品なども展示・販売が可能。小川順子さんやスタッフの話しやすい人柄も好評です。棚オーナーは月額5,500円(税込)から。水曜定休。
札幌市中央区南4条西14丁目1-24
https://yohakunobi.co.jp/yohaku_no_honya.html
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