帯広の大地で丁寧に育まれる「豊西牛」。ブランド化をはかり、飼育から加工・販売までの一貫体制に取り組んでから約10年。牧場主である小倉さん一家の「おいしい牛肉を届けたい」という情熱は、今や社員一人ひとりの胸に息づいています。
実際、会社を取材に訪れると「味に惹かれて」「想いに共感して」「ブランドを背負うやりがいを感じて」と、スタッフたちが入社理由を語ってくれました。その笑顔からは現在も「トヨニシ」の名に誇りを持ち、日々の仕事に熱心に取り組む姿勢が見て取れます。
同社では見学やインターンで、ステーキを試食したり牧場を視察する取り組みも実施中。まずはブランド牛を育てるという「ブランド級」の誇りについて、3人のインタビューをご覧ください。
新社屋に併設のキッチンで新たな「誇り」も生まれています。
専務取締役 小倉広樹
弊社が約15年前にブランド化した「豊西牛」は北海道を代表するブランド牛として地位を確立し、数々の品評会で受賞するほどの評価を得ています。お客様からも「他の牛肉には戻れない」という嬉しい声もいただき、ギフトや「ふるさと納税」の返礼品、全国の物産展で人気を博すまでに成長しました。
良い牛を育てるためにはまず、良い人の手が必要です。「仕事だけでなく生活も充実させて欲しい」という思いで働きやすい環境を考え、社員同紙の交流が生まれやすいよう社屋も新しくしました。併設しているキッチンでは週に3〜4回は試食の機会も設けています。実際に味を知っているほうが説得力も違いますからね。また作り手の想いを知るために、牧場への視察の機会も多く設けています。こうした取り組みが功を奏してか、社員たちは皆、このブランドに誇りを持ってくれているようです。
ブランド化当初から貫いてきたのは、地元・帯広に向けて作り、ここから発信していくこと。評判が広がれば、おのずと東京や全国からお呼びがかかると信じ、実際にこの戦略は成功しました。十勝地域の魅力を発信したい、貢献したいという方とぜひ、一緒に働きたいと考えています。
単純作業ではないからこそ、やりがいを実感できます。
加工スタッフ 多田良平さん(2022年入社)
前職はスーパーの精肉部門で働いていました。転職を考えていた頃、知人に勧められてトヨニシを訪れ、試食したステーキの味わいに感激。小倉専務から牛肉へのこだわりや熱い想いを聞き、すぐに入社を決めました
加工部門では、モモや肩ロースなど大まかに処理された「原木」から筋を取り除き、スライサーや包丁でカットする作業が基本。単純作業に聞こえるかもしれませんが、当社は肉のおいしさを引き出すために部位ごとにとことんこだわり抜いた処理を行っているのが特徴で、その技術は一朝一夕では覚えられない職人技です。特に、工場長の切った肉はひと目で分かるほど美しく、見ていて惚れ惚れするほど。早く彼のようなマイスターを目指すべく、日々研鑽を積んでいます。とはいえマニュアルもキチンと用意されているので、料理をしたことのない学生さんでも問題なく覚えられるでしょう。
工場を出て、お客様と直接交流する機会も数多くあるのが当社の特徴。地元の祭りや催事はもちろん、昨年は大阪のイベント出店に参加し、道外にも実に大勢のファンがいることに驚きました。「おいしい」という声を直接聞くと嬉しいですし、「もっと頑張ろう」という日々の励みになります
作り手の想いをしっかり届けるために、Z世代の発想が必要です
ECサイト運営スタッフ 井内昭一(2018年入社)
フリーランスを経て2018年に入社して以来、ECサイトの運営・改良を担当しています。入社当時は自社サイトが充実していなかったため、イチから作り変え、さまざまなECモールにも積極的に出店。その結果、売上は2〜2.5倍に増加し、今では会社を支える収入源へと成長を遂げました。
業務は受発注管理や商品のアップ、写真撮影やバナー作成…と、非常に幅広いです。正直、日々こなすべき事は多いですが、常に改善する姿勢を大切にしています。売れると在庫管理や手配も大変ですが、「おいしかった」というお客様からのひと言が添えられているだけで、全てを報われたような気持ちになります。
新たに入社される方にはSEとしての経験や知識を求めませんが、SNSの発信方法やキャッチコピー、写真の撮り方など、デジタル世代ならではの発想でさまざまなチャレンジをして欲しいと考えています。
当社では部署にかかわらず牧場を訪ねる機会があるのも特徴です。作り手たちの喜び、悲しみ、想い、牛への愛情…その全てを自分の目と耳で感じられるからこそ、「汗と涙の努力の結晶である商品をしっかりと届けたい」という思いが心に芽生え、日々の糧になっているんです。