アーティストの登場と共に突如、まるで太陽のような照明が眩い輝きを放ち、続いてドラムやギターの轟音が響き出すーー。
音楽好き、エンタメ好きなら誰しもが、そんな熱狂の瞬間を思い出せるはず。実はあのステージの裏に、全ての光や音の源となる「電力」の供給に奮闘する人たちがいます。
I・C・Cインターナショナルは、北海道での音楽ライブやフェスでの電力供給に長けたプロフェッショナル集団。例えば道内最大の音楽フェス「ライジングサンロックフェスティバル(RSR)」も、同社が立ち上げから今まで関わっているイベントです。
電源のない屋外では大きな電力を蓄えた「電源車」がなければ、会場に歌声を響かせることも、眩しい光を放つことも、フェスを彩る電飾や飲食店を開くことも叶いません。影ながら活躍するその姿は、バックステージで活躍するもう一人のヘッドライナー(主役)と言うべき存在。インタビューでは、その仕事の魅力や誇り、気になる働き方について迫りました。
「この場で名前は出せませんが、数々のアーティストと夢のステージを創りました」
代表取締役 西森琢己さん
ー業界内での立ち位置について教えてください
そもそも電源車を扱う企業は札幌では当社ともう1社のみ。中でも弊社はエンタメ関連に特化しているため、道内ではほぼ確実に当社にお声がけ頂けます。最近は音楽がCDからフェスやライブの時代に変わったので、おかげさまで需要も売上は右肩上がり。ありがたい悲鳴をあげています(笑)
ー土日は毎週現場でしょうか?
夏期の現場スタッフはイベントによって土日稼働となってしまいます。そのぶん、平日に休みを調整し、年間休日はしっかり確保。残業、休日出勤などもきちんと管理しています。昔はブラックが当たり前の業界でしたが、当社は将来を見据えて思い切った改革をはかりました。
ーやりがいを教えてください
どんな方も慣れるには3年はかかる仕事ですが、頑張り次第でプロモーター、照明や音響、そしてアーティスト本人など、さまざまな人から信頼して頂けます。ツアースタッフとしてアーティストと全国を巡ることも珍しくありません。私も数々の有名グループの海外コンサートを担当しました。この仕事でなければ絶対にできない貴重な経験の数々は自分の人生における誇り。一緒にステージを輝かせる仲間を待っています!
「エンタメ系=キツい」は過去の話!
続いては入社2年目の坂上さん、横田さんにインタビューをしていきます。
ーお二人とも音楽系専門学校のご出身だとか。
坂上:先生の勧めでインターンを受けてみたのが当社です。電気を扱うのは思ったより難しかったですが、それを上回るほどの大きな魅力を感じ、入社しました。
横田:私も同じくインターンの時に先輩たちが優しく、丁寧に仕事を教えてくれたことに感激して入社しました。正直、音楽系=キツイ人が多いイメージがあったんですけど、みなさん凄く優しくて。
ーどうやって仕事を覚えてきましたか?
坂上:基礎知識は入社して1週間くらい教えてもらって、ある程度基礎を覚えたら現場に入って覚えていくスタイルでした。正直、アンペアやボルトなど電気のことは今でも全然分かってません(笑)。でも現場では必ず先輩がついて教えてくれるので、心配はいらないです!
ー現在はどのぐらいの頻度で現場の方に?
横田:冬は月1回程度で主に機材のメンテナンスやレンタル用機材を整備しています。一方で夏はほぼ毎週現場ですが、代休や手当をしっかりくれるので、頑張った分だけ後で楽しみが増える感覚です。そもそもが楽しいので、あまり気にしていません(笑)
憧れのフェスやアーティストに近づける機会もあり!?
ー入社して一番苦労したことは?
坂上:機材がめちゃめちゃ重いこと(笑)。でも、きつい時は必ず先輩や仲間が助けてくれます。
横田:現場の流れを一通りつかむまでも大変かも。でも新人のうちは3、4人くらいのチームで動きますし、フェス規模の現場は札幌のスタッフほぼ全員で参加しますので、孤立することは全くありません。
ー今までの現場で一番印象残ってるのは?
坂上:私はフェスで推しのアーティストのステージに関われたのが嬉しかったです!フェス中は交替制で楽しむ時間も与えてくれるんですよ。
横田:私もやっぱりRSRかな。本番はたったの3日間ですが、準備は1ヶ月近くかかるので、当日の感動ははかり知れないものでした!
ー入社して良かったことは?
坂上:そもそもライブが大好きなので、現場に行けるだけで楽しくて、やりがいも実感します。最近は各地のフェスへ出張もありますが、それぞれの雰囲気や演出を味わうのも楽しみの一つです!
横田:音も光も全てが私たちの電源で動いてるので、ライブが始まった瞬間は「私たちが頑張った成果だ」と誇りに思います。あと、好きなアーティストを先輩に伝えたら担当させてくれることになって、超嬉しかった(笑)