木を育て森を継いでゆく仕事。
北海道の森林面積は554haで土地総面積のおよそ7割を占め、このうち天然林は68%、人工林は27%となっています。この人工林を舞台に資源を有効に活用しながら、苗木の植え付けから木材の収穫まで幅広く取り組むのが林業という仕事。ではこの仕事を一年間のスパンでもう少し詳しく解説してみましょう。
<春>植林の予定地のササや灌木を整理する「地ごしらえ」をした後、苗木を「植え付け」します。
<夏>苗木の成長を助けるために雑草や灌木を「下刈り」したり、山葡萄などの「つる切り」をします。
<秋>良質な木材にするために不要な部分の「枝打ち」したり、日光の届く健全な森を作るために「間伐」に取り組んだりします。
<冬>間伐作業を続ける一方、数十年〜百年以上の歳月をかけ、充実期に入った木を「主伐」し、造材所などへと運び出します。
これらの仕事にはチェーンソーの操作法や重機のオペレーションの資格が必要なものもあります。
林業事業体によって異なる仕事環境。
森林を所有している企業や組合、個人を「山主」といいます。この山主からの依頼を受け、林業の仕事に取り組む組織が「林業事業体」です。林業の仕事をするということは、この事業体に所属することを意味します。
現在、北海道では800以上の林業事業体が活動しています。(近年北海道の森林が伐期を迎えており事業体数は増加傾向です)林業事業体は一般企業または森林組合がほとんどで、全道各地に点在しています。
具体的な業務も、一年間の森林の仕事のすべてを受注する事業体もあれば、「主伐と運び出し限定」など部分的に請負うケースもあります。このため雇用形態も「通年」または「期間限定」など事業体によって様々です。また苗木づくり等に尽力する事業体の場合は女性スタッフの雇用にも前向きです。
いずれにせよ、担当する森林の状況、所有している設備や重機、研修や資格取得に対する姿勢、待遇や福利厚生などは、林業事業体によって千差万別です。
「林業の仕事に就く=林業事業体に所属する」ためにはこういった情報を収集し、正しく判断することも重要になります。