敬語には分類されませんが、相手に敬意を表す丁寧な言葉として、ビジネスシーンでよく使われる表現についてもご紹介します。敬語を使う上での注意点も併記しますので、こちらを参考に、より美しい言葉遣いを心がけましょう。
【相手の会社、自分の会社の呼び方】
ビジネスでは相手の会社は「御社」「貴社」と表現します。話し言葉の際は「御社」、メールや文章では「貴社」を使うのがベターでしょう。自分の会社をへりくだって伝える表現は「弊社」が一般的です。就職活動では、応募企業を高めるために「貴社」「御社」を使いましょう。この表現は社会人になってからもよく使うため、マスターしておくと便利です。
【ねぎらう時の言葉遣い】
相手をねぎらう時に「ご苦労様です」という言葉を使っている方もいると思いますが、実は目下の人に対して使う表現なので、目上の人には使わないようにしましょう。相手を引き立てつつもねぎらう場合は、「お疲れ様です」が適しています。
類似の表現に相手に対しての謝意も含まれる「お世話様です」がありますが、仕事ではあまり使わないほうが良いでしょう。ビジネスの場では「お世話になっております」、あるいは「いつもありがとうございます」という表現がベターです。
【社内の人について話す時】
職場で上司や同僚の話をする時は「山田さん」「田中部長」というように敬称や役職名を付けるのが普通です。ただし、取引先やお客様に対して会社の人について話す場合は「山田」「田中」と、敬称・役職名を略して呼ぶのがマナー。また、自身の身内については「お父さん」「お母さん」などの呼び方ではなく、社内・社外を問わず「父」「母」といった続柄を使うのが社会人としてのマナーです。
【「大丈夫」は敬語ではない】
「大丈夫」という言葉は敬意を表す表現ではないので、目上の人や商談相手に使うのはご法度。了承の意味で使う場合は「かしこまりました」や「承知しました」が適当です。また、断りの気持ちを表す場合は「結構です」を。普段は便利な表現だけに、安易に使わないように注意しましょう。
【自分を指す表現は?】
仕事の場では「わたし」「わたくし」を使うのが適しています。「僕」や「自分」という表現は失礼にあたることも多いので避けましょう。
【過度の敬意表現はかえって失礼に】
敬語に慣れないうちは、知っている表現を使いすぎてしまうことも。敬語を重ねることで、かえって失礼に聞こえてしまうことも少なくないので注意しましょう。「○○させていただく」を頻出させたり、「お名前様」「部長様」のように敬語を重複させたりすることはありがちですが、就活やビジネスシーンでは使わないように心がけましょう。