
「試薬」と聞いて、ピンとくる方は少ないかもしれません。試薬とは、実験や検査で用いられる純度の高い化学薬品のこと。高校や中学校の実験室にある、茶や青色の瓶に入った「みょうばん」や「炭酸水素ナトリウム」を思い浮かべてもらうとわかりやすいかもしれません。数ミリグラムで何十万円もする遺伝子研究用の特殊な薬品まで、その種類は何万種類にも及びます。
北海道和光純薬株式会社は、こうした試薬や理科学機器を研究機関に届ける専門商社。ニッチな分野で70年以上の実績と、売上高100億円を誇ります。
…と、ここまで説明すると「理系の知識がないと無理でしょ?」と思う方も多いでしょう。しかし、当社の社員の多くは文系学科の出身。充実した教育制度のもと、先輩や研修制度のサポートを受けながら少しずつ知識を身につけています。
さらに120日以上の年間休日数や残業ほぼゼロといった働きやすさも大きな魅力。プライベートを大切にしながら、将来人類の進歩に役立つ研究を支えるーー。そんなやりがいと働きやすさを両立した仕事について、同社社長と2人の社員にお話を伺いました。
理系の難しさも、営業職のイメージも吹き飛ばすほどのやりがい!
営業 曳地ミシャエル友さん(社歴3年)
小さな頃から研究職に憧れていた一方、理科や数学は大のニガテで文系大学へ。でも求人で「文系も可」と見た時「この形なら自分も研究の世界に携われるかも!」と、応募を即決しました。
ただ営業職には「ノルマ」や「飛び込み」といったネガティブなイメージも…。でも、入社すると考えすぎだとすぐに分かりました。そもそも試薬や機器の販売は競合がごく少ない分野ですし、お客様も大学や病院等に限られ、「実験のためにあの薬品をお願い」と注文頂いた物をお届けするので、強引に売り込む必要が全く無いんです。
現在は北大と札医大を担当し、ほぼ毎日商品をお届けして、次の注文内容を確認しています。3年経って感じているのは、知識よりも「信頼」が第一ということ。コツコツと先生のところに足を運んで、関係を深めていくことで、大きな注文も任せて貰えるようになりました。
お客様との会話はとても刺激になり、面白くやりがいを感じています。私たちの提供している商品はガン治療といった病気や生物研究、バイオテクノロジーにも活用されます。仕事を通じて、社会に役立つ研究をされている先生方をお手伝いできている…そんな点に面白さと尊敬の念を感じています!
定時を5分過ぎただけで「どうしたの?」と言われています(笑)
営業アシスタント 増山真央(社歴4年)
学生時代は管理栄養士を目指して勉強してました。人の健康に関われる仕事がしたい…と見つけたのが当社。「試薬って…?」と思いましたが、はじめは知識不要だと聞いたこと、何より福利厚生や働く環境に惹かれて応募を決めました。
業務は営業のアシスタントをしています。外出している営業担当に代わり、お客さんから来る電話やメールの対応、見積もりや受発注管理をする係です。お客様は大学の先生が中心ですので、電話では「エイチエヌオーツー…」と化学式でご注文いただく事もありますが、素直に分からないと伝えたら優しく教えてくれる方がほとんど。その一方で、勉強すればするだけ仕事がしやすくなりますし、資格を取得すると賞与アップなど頑張りに応えてくれるのも嬉しい所です。ちなみに私も国家資格に合格しました!
弊社の魅力はとにかく働きやすい環境だと思います。有休は前日でも申請可能で、半日単位でも取得できます。与えられる日数も一年目から多く、毎日誰かが休みを取っている印象です。ちなみに私も最近、韓国旅行に行きました。
残業もほぼ無く、私は毎日18時2分には帰宅しています。5分過ぎると「どうしたの?」と言われるほどです(笑)
ノーベル賞の研究や流行病の予防…さまざまな研究を半世紀以上、支えてきた会社です。
代表取締役 横沢龍朗
当社は1949年、私の父が長野県から来道し、北海道大学向かいのこの場所で創業いたしました。以来、北大の先生方の研究活動を裏方として支え続けております。2010年ノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生も、お世話になった先生のお一人です。さらに当社の製品は、家畜の感染症からコロナ禍まで、さまざまな流行病の治療や予防にも貢献してきました。このように、実は社会のさまざまな場面で活用されているのが当社の商品なのです。
父から学んだのは「誠実であること」「小さな商いをコツコツ続けること」そして「私生活をきちんとすること」。この考えは社員の働く環境づくりにも反映され、早期からプライベートとの両立を図れるよう努めてきました。また職場で学び、人生を豊かにしてほしいとの思いから、教育制度にも注力。社員のほとんどは文系や、理化学系以外の学科出身です。
科学が進歩すれば新たな課題が現れ、それを解決するために研究がさらに深まる。人類はこうして発展してきました。研究の現場を支え続ける当社の使命は、これからも変わることはありません。この想いに共感していただける方であれば、どんな方も喜んで迎え入れます。