株式会社じょうてつは1915年(大正4年)、札幌開拓の黎明期に設立された「定山渓鉄道」が前身の老舗企業です。実は東京・渋谷に本拠地を持つ東急グループの一員で、時代に合わせた柔軟なビジネスを展開。分譲マンションの売買や賃貸マンションの管理運用、新千歳空港での売店など、さまざまな事業に取り組んでいます。
大手グループかつ、多角化経営による安定感を背景に取り組んでいるのが、先進的な働き方。男性の育児休暇、介護・育児のためのフレックス勤務はもちろん、朝・晩・朝夕の二交番の三交代制による長時間勤務の防止、さらには運転しやすさの観点から「運転手のネクタイ廃止」も実施しました。
また、未経験者や運転が不慣れな人でも、じっくりと丁寧に教えてくれる研修制度や資格取得支援制度を備えたことにより、新卒から主婦まで、さまざまな人が運転手として活躍しています。
まちの隅々まで走る路線のように、「プライベート」や「やりがい」など、それぞれが大切にしたい方向を目指せる同社の働き方。札幌市南区にある事業所を訪ね、3人の運転手にインタビューしました。
世界有数の美しい地域を、毎日眺められる贅沢。
櫻井省吾さん(30歳)/2020年入社
両親の仕事の影響で、専門学校卒業までを海外で育ちました。帰国後、結婚して北海道へ移住。祖父がバス運転手をしていたこと、マイペースに働けそうなことなど、さまざまな理由から選んだのが「じょうてつ」のバス運転手です。定山渓は観光客が多く、英語が生かせそうな点も魅力でした。
僕がこの仕事で気に入っているのは、プライベートと両立できるところ。半年ごとにシフトを決める制度なので、あらかじめ予定を立てやすく、有休もダイヤに抜けが出ない限り取得することが可能です。ちなみに僕は毎年、日数が足りなくなるほど取得しています(笑)
趣味はカメラとサイクリング。休日はカメラをバッグに入れ、自転車で小樽や厚田まで走ったこともあります。バスで走っている最中に気になった風景をおさめに、撮影に行くのも楽しみです。
幼少期からオーストラリアや東南アジアなどさまざまな地域で過ごしてきましたが、北海道はどこよりも美しい景色だと思います。特に当社の路線は藻岩や石山、定山渓など美しい自然に囲まれた地ばかり。四季折々で移り変わる景色を車窓から眺め、毎日新鮮な気分になれるのは、「じょうてつ」のバス運転手ならではの特権だと実感しています。
ステップを踏んで学べる安心。「責任」も、やりがいに!
藤盛勇斗さん(21歳)/2022年入社
子どもの頃、人生で初めて1人で乗ったのが「じょうてつ」。乗車後に財布を忘れたことに気付いてしまい、パニック状態で運転手さんに伝えると「気にしないで!」と笑顔で対応してくれて…この出来事からずっと、バス運転手を目指してきました。
入社後は会社の支援で大型免許を取得。さらに座学で、お客様の安全のためにどんな運転や心配りが必要か、路線ではどんな点に気をつけるべきか等を、時間をかけて学んでいきます。
実践でははじめに先輩が運転する様子を見て、次は会社構内を運転をして、その次は無人で実際のルートを走行して…と、ステップを踏んで学べるのが安心できました。お客様の安全が第一の仕事だけに、教え方はとっても丁寧ですので、運転が心配な人でも問題ないでしょう。
また「じょうてつ」は100年を越える老舗だけに運転手もベテラン揃い。技術面だけでなく「あの道気をつけて」と情報共有を貰えるのが、とっても心強いです。
運転中はお客様の安全が第一。それでもふとハンドルを握っていると「自分カッコいいな」と思える瞬間があります。お客様を乗せる責任があるからこその「誇り」もこの手に握っていると感じています。
生活や“推し活”とも両立しやすい職場です。
北野愛美さん/2021年入社
20歳の息子と親子でバスが大好きで、日本全国の路線バスに乗りに行くほどのバスマニア。「じょうてつ」を選んだ理由は「東急」のレガシーを感じる車体のカラーリングや、個性あふれる車種の数々、運転手さんの心配り、それから…と、魅力は数えきれません(笑)。
バス運転手は「男性の職場」というイメージが強い仕事だと思いますが「じょうてつ」は主婦業と並行して、充分に働きやすい職場だと心から感じています。
始発から勤務の「早番」は午後の時間を趣味にたっぷり使えますし、昼過ぎからの「遅番」の時は買い物や家事を済ませるのにピッタリ。実働時間は7時間ほどなので、一般的な会社員より心にゆとりがあります。ちなみに連休も取得できるので、航空券が安い時期に“推し活”ならぬ“バス活”のために大阪や東京に出掛けることもあります。
毎日、個性のそれぞれ異なるバスに会えるのがこの仕事の楽しみ。同じ車種、同じ年式でも、顔や性格、乗り心地が全く違うんです。私は出勤時は必ず「おはよう」、退勤時は「おやすみ」と声をかけています。どんなに冬の運転が大変な時も、朝が早い時も、毎日バスに乗ってハンドルを握っているだけで幸せです!